2017年7月16日

夏雲と往く信州高原狭路

 文月のしょっぱな、前回に引き続き懲りずに信州を訪ねた。水無月は「梅雨のズル休み」、今回は台風一過の夏雲を仰ぎ、山滴る信州の高原林道を駆けめぐってきた。

Lutecia

 中央道くだり線、国立府中IC過ぎに新設されたオービスをニューロンに刻みながら、ところどころセミウエットっぽい路面のリエゾン区を淡々と西進し諏訪南ICを目指した。くぐったゲートは水無月と同じ乗り換えるK425も一緒だけど、今回は中央道の南側を往きます。R20を富士見方面に少しだけもどり富士見峠の交差点を右に折れ市町村道と思われる生活道路に乗り換えた。

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 Google先生に教えてもらい初めて知ったのですが、入笠山ってマイカー規制され沢入登山口から先、シーズンの日中は通れなくなったんですね。ワインディング親爺は、お出かけの時だけ「早起きは三文の徳」だからノープロブレム(笑)。マイカー規制に猛威を振るう自然災害、年を追うごと走れるワインディングや峠道が少なくなるのは寂しいね。

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 もとい!、少年自然の家を過ぎると幅員広めの林道っぽくなりグングン高度を稼いで往く。荒れ気味の路面と道路を横断する大きめの排水溝段差でガツンとくるのがチョッと残念ですが雰囲気はいいね。沢入登山口に規制ゲートがあり、そこを過ぎたところで入笠林道の標識見かけた。麓からぢゃなく中腹から林道なのかもしれないね。ヒルクライム後半は少し視界が開け高地特有の車窓に変わりターンが愉しくなる。お花畑と呼ばれるドン突き、右に折れ昔と同じグラベルで山彦荘に向かった。眼下に広がる入笠湿原、端境期のせいでしょう湿原を彩る高山植物の花々なかったけど、昔と変わらぬ姿でワインディング親爺を迎えてくれた。

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 小休止、そしてリスタート。グラベルをもどり御所平峠を越え入笠牧場まで足を伸ばした。ウグイスのさえずりココチ良い放牧場、牛たちが集いよそ者を歓迎してくれるぢゃないか。さぁ、今度は入笠山の北側にまわり千代田湖へ向かいます。そうそう、放牧場って電柵あるけど景観壊すガードレールがない。しっとり爽やかな早朝の空気感も併せ心地よさ256倍だね(^^)

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 そんなココチ良さ続く町道入笠線で芝平峠(しびらとうげ)をパス。稜線を往くのか、わずかなアップダウンとショートターンを愉しむうち標識らしき後ろ姿を発見、急停止!。確認すると林道千代田湖枯木線・終点の情報板でした。そいぢゃぁ、起点をゴールに見立て逝ってみましょう。んっ!、幅員広めで目立つガードレールもバッチリのダウンヒル。改修されたのか町道より路面もよさげぢゃないか。金沢峠手前で後ろ向きの林道情報板発見。確認したけど起点と記載してないぢゃないか。千代田湖、中央道晴ケ峰CCの脇をすり抜け杖突峠でR152にブチ当たった。

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 杖突街道で藤澤まで南進し次のミッション、林道日影入線に入路した。同林道は広域基幹林道日影入線とも呼ばれる立派な完全2車線路。走りやすい線形でR152藤澤と「もみじ湖」を繋ぎます。管理不行き届きのようで乗り出しは舗装の継ぎ目から生えた雑草がセンターラインだし、道路脇からは雑草伸び放題、そうは言っても登坂はミドルターン降坂はロングターン、交通量極貧の快走路を堪能させていただきました。

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 もみじ湖でドン突き、K442に乗り換え北進。ダム湖に沿う周囲はダム建設の恒例、地元還元のご利益いただいた立派な道路でしたが、それを過ぎたら「大型車両進入禁止」のゲートが現れ、いきなりガードレールもない一車線の狭隘路に変身した。薄暗く小川のような沢川に沿い、いつのまにやらダブルトラック真ん中に雑草のさばるようになり、この道大丈夫かぁ、思わず声が出ちゃうほど!。県道という冠を信じ、さらに北進すると周りが少しづつひらけ田畑が見えたときはホッとしたね。そこは湖南という集落、通りを入ったところに廃校らしき館を発見し急停止。作業道具を手入れする第一村人に伺うと、やっぱ廃校。歪むガラスに古ぼけた木造校舎、ノスタルジックだよねぇ。

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 寄り道コンプリート!、
 ルーテシアの鼻先を有賀峠に向けムチを入れた!。沢川沿いのような山道だったらどうしよう。そんな思いがありましたが心配無用、狭広混在するひょうたん道路の見本のような峠道でした。有賀峠でK50に乗り換え諏訪湖に向けダウンヒル。

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 次のミッション遂げるためリエゾン、諏訪ICから再び中央道の人になりました。諏訪ICの甲府側ひとつ手前が明け方に降りた諏訪南IC、高速走れば10分も掛からぬ距離を2.5時間も費やし壮大な遠回りだったね(笑)。「水無月の霧ヶ峰 Part.2」、帰り道に乗った塩尻ICをパスし松本ICで野麦街道(R158)に乗り換えた。

 野麦街道で梓川を遡上するのは久しぶり。ここを西進すると安房峠を越えたくなってくるけど課したミッションは違った。奈川渡ダム手前、入山トンネルで分岐するK26に乗り換え野麦街道を南進。ここを走ると逝きたくなるのが野麦峠だけど、今日のミッションは違う(>_<)

 奈川温泉を過ぎ、やっとミッションにたどり着いた。そのミッションは上高地乗鞍スーパー林道・A区間です。同林道の正式名称は上高地乗鞍林道。奈川温泉から乗鞍高原温泉が(A区間)、乗鞍高原温泉から白骨温泉が(B区間)、そして白骨温泉から安房峠が(C区間)の三区間から構成される有料林道でしたが2008年無料開放された。なお、C区間は雪崩による橋梁流失により現在も閉鎖されています。今も残る料金所から入場、有料道路が前身だけに二車線確保され立派な林道ですが荒れてきた路面が残念。草刈り作業終えたばかりのようで路肩確認しやすいのはありがたい。白樺峠をパスしてしばらく往くと夏空に雪渓映える乗鞍岳を拝め感謝感激。水無月に霧ヶ峰から望む乗鞍はちっちゃかったけど、ここから見る乗鞍はデカい(^^)

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 終盤、一の瀬園地を往きますがドーンと乗鞍岳が迫り、チョー気持ちいい!
 乗鞍見たさに欲が出た!、三本滝ゲートまで逝ってみよう!

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 その昔、毎年のように訪ねた乗鞍エコーラインや上高地、近くなら南アルプススーパー林道ですが、今ぢゃ素敵な背景バックに相棒のフォト撮れない時代になってしまった。乗鞍エコーラインに続くK84に乗り換え一般車乗り入れ規制される三本滝規制ゲート目指しAペダルを踏み込んだ。真っ白な夏雲浮かぶココチ良い高原ヒルクライム。路面荒れ気味のターンだとTRC(トラクションコントロール)介入を許しぎみ。抜群のトラクションを誇るダブルアクスル・ストラット(DASS)ですが、コンチとの共同開発だけにPS4ぢゃ本領発揮できないのかなぁ。眼前に迫る乗鞍岳、規制ゲートを前に地団駄踏むワインディング親爺がそこにいた。

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三本滝規制ゲート(一般車はここまで)

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 乗鞍高原までもどり前回通行止で走れなかった上高地乗鞍スーパー林道・B区間を往ます。ココロ逸るなぁ。料金所跡を背景に追いやり、勇んで同スーパー林道に乗り入れた。A区間に比べ距離の短いB区間、ターンを愉しむ間もなく蛭窪隧道を越えてしまった。さぁ、ここを降りれば白骨温泉にブチ当たります。その昔、ヘッドライト頼りの深夜に駆け降りても鼻を突く硫黄の匂いで温泉近いとわかったのに、その匂いも気づかずK300起点の白骨温泉にブチ当たってしまった。せっかくなので通行止続くC区間料金所跡を訪ねると、そこは駐車場と化してた(>_<)

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 ミッションコンプリート!、
 スノーシェッドを含む大規模な線形改良工事により狭隘路の汚名を返上したK300、湯川の急な流れに習い同道を駆けくだり湯川渡でR158に乗り換え水殿ダムサイトでチョイと小休止。R158遡上するとき気になった稲核ダム東側を往くクネクネ道をナビで確認…。旧道っぽいので逝ってみると林道掲示板、それは林道稲核線でした。乗り出しの舗装はスグに終わりフラットなグラベルも次第に荒れた路面になってきた。ダブルトラック真ん中には雑草が生い茂りフロアを擦り始めたぢゃないか。進むにつれ洗い掘れもひどくなりギアは1st固定で牛歩、エラいところに来ちゃったなぁ。降坂区はそれに激坂が追加され引き返すのも地獄ぢゃないか!。と言うよりゴロゴロの激坂ぢゃ登れないと思う(>_<)

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 んもう〜!
 んなことあるかぁ(>_<)

 ターマック復帰したときは天にも昇るココチだったね。しか〜し、ターマックも激坂!。降雪したら無限軌道ぢゃなきゃ身動き取れないと思う。やっとの思いでたどり着いた橋場集落。安堵、そしてのど乾いたぁ!。雑炊橋を渡り片隅でペットボトルを一気飲み。島々でR158に合流し松本ICから長野道の人になりました。

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 水無月は中央道と長野道の北東側ワインディングを逝き、今回は意識的にその南西を攻めてみた。同じ信州でも車窓から見える風景や沿道はずいぶんちがう。それもワインディングローダー愉しみのひとつです。さぁ、次はどんな車窓を魅せてくれるんだろう。

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■全行程(GPS):約661km/最高高度(GPS):約1,852m
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