2018年4月14日

春花咲く足尾、春遅い赤城ドライブ

 足尾(栃木県)と赤城山(群馬県)にでかけた。足尾ではサクラに加え、ハナモモが咲き乱れ、春を告げていた半面、標高の高い赤城山はまだ冬枯れと好対照の景色だった。走行日2018年4月8日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 栃木ICで東北道を降車、県道32(栃木粕尾線)に進み、最初の訪問地足尾へ。IC着、午前5時30分、気温2度。春の交通安全期間中の初めての休日とあってか、張り切って出動したらしい、ルーフに赤色灯を付けた黒と白に塗り分けられたクラウンと朝早うにもかかわらず相次いで遭遇。32ではIC近くの永野川堤防のサクラをみようとしたが、葉桜に変わっていた。15(鹿沼足尾線)、246(草久粟野線)と乗り継ぐ。

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 246は日瓢鉱山までは県道扱いだが、その先からは前日光林道となって古峰神社正面で58(草久足尾線)に接続する。林道入り口着、6時42分、3度。林道というと、狭い幅員の屈曲路を連想するのが一般的だろう。確かに間違いではないが、前日光林道は対向車と楽にすれ違える広幅員の山岳道路で、林道とはとてもおもえない。むしろ246の賀蘇山神社先から同鉱山までの区間が狭道で、よほど林道ぽい。前日光林道は7つの林道から構成される「基幹前日光林道」(総延長64㌔)のひとつで18㌔と最長である。前日光林道の周囲の樹木はまだ冬枯れ状態で芽吹いてもいなかった。同林道唯一の「やふれやまトンネル」前から幅員はセンターライン付と一段と広がり58に合流。6時49分、4度。

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 ここからは鹿沼、日光両市の境に位置する粕尾峠(標高1100㍍)まで狭いワインディング路が続く。58にはカーブナンバーが打たれており、神社過ぎに14があり、最後は40。つまり36のコーナーがあるわけである。斜め正面にこれから登る路面のガードレールが2~3段にわたって見える区間は、つづら折れの道である。粕尾峠手前の約1㌔程度がとくに幅員が狭く、やや荒れているものの、冬枯れと尾根道のために前方視界はよい。

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 粕尾峠着、7時8分、気温ゼロ。峠から15でアップダウンはあっても足尾まで基本的に降りていくかたちになる。15もワインディング路だが、路面の剥がれや凹凸が多く、クルマが大きく上下動する。路面は年々荒れていくようだ。足尾までの下りは左コーナーがブラインドとなっており、注意深い運転を強いられる。カーブナンバー54~58の区間はヘアピンが続く。峠を下りていくにつれ、木々が芽吹きだし、薄緑に包まれた景観となった。

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 田元交差点で国道122に接続するが、この十字路を直進し、わたらせ渓谷鉄道の短い鉄橋をアンダーパスし、122の旧道にあたる250(中宮祠足尾線)に。銅親水公園までは一本道である。閒藤までの県道沿いにはサクラが咲いていた。しかし、満開までにはあと数日かかりそう。狭い閒藤の市街地の道に沿って古い平屋の民家が軒を連ねているが、いつきても人声ひとつ聞こえない静粛さに包まれている。今年4月、足尾地域の人口は2千人を割り込んだ。1916年(大正5年)のピーク比20分の1に過ぎない。1973年に銅山閉山して以降、鉱山に変わりうる働き口はなく、人口流出に歯止めがかからないのだ。足尾銅山は古河グループ形成にあたり大黒柱の役割を果たした。今年3月3日、古河家5代目当主の古河潤之助氏82歳(元古河電工社長)が亡くなられた。

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 閒藤駅を過ぎると、松木側をはさんだ対岸に錆が浮き、色あせた空色のタンク3基と高さ46㍍の大煙突が望見される。精錬所跡地の構造物で、世界遺産登録を目指し、解体を免れたものだ。銅親水公園着、7時35分、3度。公園駐車場はほぼ満車。渓流釣りか松木渓谷ハイキングの客のようである。公園にある砂防ダム際のサクラは陽当たりがよいために満開のようにみえる。渓谷には治山などの工事中で一般車の進入はできない。
 Uターンし戻る。足尾町赤倉で右分岐路に入る。目印は古川橋。この橋の隣に、日本最古の道路鉄橋で国の重要文化財である旧古川橋(全長50㍍)がある。床板が老朽化しているらしく人車とも通行不可。現在の古川橋を渡河すれば、1984年に全通したとされる舟石林道で銀山平に抜けられる。どこから林道区分となるのか定かでないが、舟石峠(1030㍍近辺)までは登坂路である。道幅は狭いものの、路面はフラット。山に分け入っていくくねくね道だが、樹木が繁っておらず、周囲は明るい。途中、本山坑跡を通過。

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 舟石峠の駐車場は備前楯山(1260㍍)登山のためクルマ置き場。この山の地中には総延長1300㌔におよぶ坑道が掘り抜かれている。舟山峠周辺にはかつて47軒の農家集落が存在した。しかし、1954年に無人化。今では集落があったことを想像するのは困難なほどあたりは自然に還っている。峠を下る。T字路で庚申林道に突き当たるところに舟石林道の標識がある。

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 銀山平は左である。精錬所の煉瓦積みや施設だったのか、住居だったか、わからないが階段状の石積みなどが山の斜面に残存する小滝坑跡を通過。国民宿舎「かじか莊」の建物がみえてくると、銀山平公園である。8時11分、6度。ここにもサクラが植えられ、あと1~2日で満開になりそうだった。同宿舎前からは293(庚申山公園線)となり、国道122にでられる。122沿いのサクラはほぼ満開状態。沢入駅や草木ダムのサクラを観賞するため122から343(蛭畑須佐木線)に入る。沢入駅のサクラも満開で、花びらが風に乗って舞いだしていた。次は草木ダムだが、ダム堰堤下の公園のサクラはすでに葉桜で訪れる人も皆無。9時24分、9度。

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 343は草木湖に沿う県道で、対岸の122は通行量が少なく空いているが、343はさらに空いている。343の幅員は狭いが適度に屈曲しており、ハンドリングを楽しむには向いているかもしれない。道沿いのサクラは満開で一部散花しており、サクラの花びらが敷き詰めたように道一杯に覆っている箇所も。

 神戸駅に近づく。赤や薄桃色のハナモモの花が満開ラッシュ。わたらせ渓谷鉄道をまたぐ架橋上はカメラを構えたひと、ひと、ひと。この橋は駅とハナモモそして列車を撮影できるポイントで、この時季は例年大盛況である。この土、日は駅の「ハナモモ祭」で、2日間、駅構内にはクルマの乗り入れはできない。

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 駅はスルー。再び122にでて水沼で群馬県道257(根利八木原大間々線)に乗り換える。水沼まで降りてくると葉桜でサクラの季節は終わりであった。257は不通県道だが、西隣を通る62(沼田大間々線)との間を田沢楡沢林道が橋渡しする。257終点には同林道標識がある。9時58分、8度。同林道の幅員は広い。林道規格にある6㍍だろう。ただ、針葉樹の植林地を抜けていくために赤茶色の枯葉が路肩、中央両部をびっしりと覆い、路面の見えているのは轍部しかなかった。しかし、路面はフラットなうえ、タイトなコーナーもなく、ガードレールも完備され、スムーズに走れた。同林道はくず葉峠(845㍍)が頂点で、その後は下りとなり、62に接続する。下りに入ると、別荘地を通り抜けるのだが、老朽化コテッジもあり、開発されてからかなりの時間が経過しているようだ。62近くには萱の沢林道の小さな標柱がたっているが、このピストンダート林道は小黒川に注ぐ萱沢に沿って北上しているものだ。

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 62では沼田方面に走り、赤城道路(251,沼田赤城線)に途中から入る。62は日影南郷(沼田市)までの区間は連続するアップダウンとコーナーのあるワインディング県道で、広幅員と相まって走り甲斐がある。薗原ダム手前に赤城川に沿った市町村道に入り赤城道路に合流。9時31分、5度。この北面赤城道は典型的な山岳ワインディングとして知られ、大沼に近づくにつれコーナーが次々にでてくるが、幅員、路面状態とも申し分なく、楽しく走れるだろう。最高速30㌔区間、40㌔区間がでてくるが、この法定速を遵守して走るには忍耐力がいる。入路点の標高が750㍍で、赤城道の最高標高が1450㍍。道路周囲の樹木はまだ冬枯れしており、路肩に雪が残る区間もあった。

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 大沼を臨む赤城神社着、10時43分、2度。湖面を吹き渡る風の影響で気温以上に寒く感じた。湖は氷結していない。ここからは(前橋赤城線、赤城南面道路)、からっ風街道経由で関越道赤城ICから帰京する。

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 南面赤城道ではコーナーはるか手前からブレーキランプが灯りっぱなしのステップワゴンに行く手を阻まれ、ノンビリ追走。標高500㍍台で同ICに向け通っているかからっ風街道は開放感のある開けた空間のなかを走る高原道。渋川の市街地や上越の雪をかぶった山脈群を遠望することができ、景観性に優れている。赤城IC着、11時26分、10度。ドライブ終了。

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■全行程(GPS):約436km/最高高度(GPS):約1,443m
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