2018年6月14日

山梨・中北地域の林道巡り

 新緑残る初夏の山梨の5つの林道を訪れた。ずっと通行止めが続いていた観音峠大野山線がやっと通過できるようになり、同県下林道を走るバリエーションが復活した。走行日2018年6月9日。使用車輌Lutecia。

Lutecia

 最初に向かったのはむろん観音峠大野山林道である。中央道韮崎ICで降車。6時30分、気温22度。山梨県道27(韮崎昇仙峡線)で北上する。前夜~未明にかけて雨だったらしく路面はウエット。ところどころ水たまりもできていた。センターラインのない2車線幅員の27はホッチ峠(1100㍍)まで登り詰めていくワインディング県道で、途中で道を譲ってもらったが、先行する木材運搬車とみられる大型トラックをパスすることは難しい道幅である。ホッチ峠の昇降はワインディング性に富んでおり、下りになると、敷島CCまでの区間はセンターライン付広幅員となり、タイトコーナーであってもずっと走りやすくなる。同CCを過ぎると、観音峠方向を知らせる示導標識がでてくるT字路ふうの交差部で、表示に従って左に折れる。幅員はやや狭くなり、路肩に落ち葉などが目立ち、林道まがいの道となる。しかし、まだ同林道ではない。市町村道である。「ビックホーン」(オートキャンプ場)管理棟から先が同林道となるが、かといって、とりたてて道の様子に変化はない。

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 同管理棟着6時53分、標高が930㍍程度あり、気温は17度まで下がっていた。路面は引き続きウエットで水たまりも結構多かった。傾斜のある登坂路が観音峠まで続き、ほぼ2nd使い。樹林のなかを抜けていくために景観は開けないものの、1000㍍級の高標高とあって、木々の葉は薄緑色で新緑の趣が残っていた。

 観音峠(1370㍍)着。7時2分、13度。峠部のみセンターライン付2車線で駐車しやすいが、相変わらず景観は望めない。峠を下る。山の稜線を縫っているようでゆるやかに下がっていくスラローム道となる。片側は開けているのだが、樹木が生い茂り、眺望は効かないものの、その隙間から朝陽が差し込んでおり、登りに比べ、周囲は明るい雰囲気に包まれた。長窪峠(1560㍍)に向かって再び登りだすが、きつい登りではない。

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 木賊峠(1670㍍)着。7時23分、13度。峠の展望所からは、黒い山体に頂上部分に帽子をかぶったように渦巻き状の白雲に覆われた富士山が遠望できた。この展望所は同林道唯一のビューポイントといっていい。峠の下りは路面が荒れていた。凹凸が多いうえ、道路を横断する排水溝との段差が大きく、乗り越えるたびに車体が跳ねる。加えて急坂で降りていく。

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 本谷釜瀬林道とのT字路分岐点着。7時35分、12度。本谷釜瀬に入る。この林道は段差が大きいのが弱点。瑞牆山荘(1520㍍)前を通過。瑞牆山(2230㍍)登山の岳人のクルマだろう、6~7台の対向車と出会った。登山口の駐車場にはかなりのクルマが止められていた。

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 同林道から分岐する、みずがき林道入線。7時54分、13度。みずがき林道はロッジなどの施設があるみずがき山自然公園に行くためのもので、基本的に下りの道だが、林道としては幅員が広く段差に気を付けてさえいれば、路面もフラット&クリーンである。この自然公園は独特の山容の瑞牆山を背景にした紅葉の名所とされる。同林道は小川山林道に道なり合流して終了する。小川山林道着。8時5分、15度。小川山林道はみずがき林道との合流点からダートで瑞牆山を東周りで回り込んむように延びているが、途中で行き止まりのようだ。ダートの入り口からうねるような路面状態で乗用車での進入は無理と判断した。したがって、同林道の走行は本谷釜瀬林道との交点に向かう西周りである。つまり、本谷釜瀬の一部、みずがき、小川山の3林道は周回路を形成しているのだ。小川山も段差はあるが路面はフラットだが、幅員はみずがきよりも狭い。本谷釜瀬は黒森で山梨県道610・長野県道106(原浅尾韮崎線)に行き当たるが、起点は黒森の集落内にある。黒森集落近くで道は二手にわかれるが、左の狭路が黒森集落に直接つながる旧道で、ここに入ると起点標識に行き着ける。分岐点にそば処のブルーの大きな案内板が立てられている。道なりは右で「五郎舎」という登山客向け宿泊施設脇過ぎで610に接続する。

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 いったん小川山林道の起点を確認。8時12分、16度。ここから小川山、観音峠大野山と本谷釜瀬の交点まで戻り、増富ラジウム鉱泉経由で山梨県道23(韮崎増富線)沿いにある塩川ダムを目指した。両林道の交点から増富までの区間も本谷釜瀬林道で、リーゼンヒュッテから23までの間の段差がまたきつい。ひなびた小さな増富温泉街まで降りてくれば、ダムまではあとわずか。ダム着。8時51分、19度。ダム駐車場で小休止。

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 ダムから23を韮崎方面に向かい、当日最後の走行林道、比志海岸寺に入る。9時23分、21度。23側からは林道標識を見つけられず、塩川ダム発電所方面を示す青看のところで同林道に向かった。この林道は清里の南の605(清里須玉線)に接続している。林道近辺にはこれといった観光資源はなく、マイナー林道の感は否めない。路面には落ち葉や枯れ枝が多く、交通量僅少であることをうかがわせた。しかし、路面は平坦でクルマに与えるショックはひじょうに少なく、ゆるやかに登り、降りしており、とくにタイトなコーナーもなく、今回、走行した林道のなかでもっとも走りやすかった。伐採跡地を抜ける区間では、周囲が開ける。ただ、ウエット路面ゆえ濡れたカラマツなどの落葉の上を通過するとリヤがズルっと滑り出すので注意深く走った。605に突き当たり、林道標識を発見。9時50分(21度)同林道終了。

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 予定した林道はこれですべて回ったが、時間が早く平沢峠(1450㍍)などに寄ることにした。野辺山方面に向けて605,国道141とたどりJR最高標高地点で小海線の踏切を渡り、清里アーリーバードGCの縁をたどると獅子のように見える岩の側に峠駐車場が設けられているのだが、少々ルートがわかりづらい。峠着。10時9分、23度。雄大な八ヶ岳連峰が一望できることが、この峠の売り。同時に太平洋と日本海との分水嶺でもあるのだそうだ。


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 峠の近くに立地する宇宙電波観測所前の道を通り、国道141から入る山梨の木に寄り、長野県道68(梓山海ノ口線)沿道沿いにある川上村の「ナナーズ」(スーパー)で休憩。ここのイートインはドリンクバーが100円と格安である。同スーパーを後にし10623茅ケ岳広域農道経由で韮崎IC(12時12分、31度)から帰京。

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■全行程(GPS):約447km/最高高度(GPS):約1,666m
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