2017年11月14日

冬の足音聞こえる上州路

 群馬県の沼田ICから片品村、赤城山を経て赤城ICに至る山道を周回した。紅葉真っ盛りであったり、すでに落葉し、路肩に積雪さえみせていたりと、晩秋と初冬の季節感を同時に得られたドライブであった。走行日2017年11月4日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 関越道沼田ICをスタート。午前5時18分(気温7度)と3時24分に東京を出発したときよりも10度も低い。さっそく群馬県道266で利根望郷ラインが横切る地点まで行く。266はとりたてて特徴のある県道ではない。望郷ラインに入り、266の西にある265で61との合流点まで走る。265には石神峠(標高780㍍)という小さな峠を通過することもあって、ちょっとしたワインディングロードである。やや幅員が狭く、当日は、ところどころ法面からだろう湧き水が道路一面に黒いシミのようなも模様をつくっていた。道路には枯葉が落ちており、濡れた部分ではタイヤが滑りそうな気配が・・。周囲の山は紅葉していた。

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 61着、6時(気温7度)。61を北上していくと、でてくる2差路を直進すると、水上駅前を通り、国道291に至る。2差路を左折するのが61だが、すぐに291となる。水上駅に着いたのが6時9分(9度)。駅前の喫茶店や食堂はまだシャッターの降りた営業前。駅は改築されており、今様だが、商店は昭和の臭いがする雰囲気を漂わせている。291の大穴(みなかみ町)沿道に「民具茶屋」なる怪しげな雰囲気の食堂がある。外壁に置物やホーロー看板などが所狭しと並んでいる店で、群馬では有名なB級スポットらしい。

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 291から分岐する県道63に。6時18分(9度)。ここから片品村で国道401に接続するまでの63が今回のハイライトのひとつである。63から藤原ダムサイトを訪れた。大きなダムではないが、ダム堰堤の一部を覆うように見える繁った落葉樹が見事に紅葉していた。同ダムへの道はダム管理棟で行き止まり。Uターンして再び63に戻り、宝台樹スキー・キャンプ場に向かう市町村道らしき分岐路に入った。道路両脇や眼に入る山の木々が黄色や赤に紅葉し、紅葉の回廊のごとき素晴らしい景観であった。よく見ると頂点部の紅葉が落葉し、ピークは越えているのだが、遠望する限り紅葉一色という趣であった。キャンプ場とスキー場との分岐点は広場になっており、落葉しているものの、まっすぐに延びた白樺と紅葉している落葉樹とのカラー対比が映える。

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 スキー場への道路はゲレンデ内を通過しつつ、やがて急な下り坂を経て63に行き着く。スキー場駐車場には7時前だというのに、ステッカーをいくつも貼り付けた86やロードスターなどが集まりだしていた。同駐車場はシーズンオフにはジムカーナ場として利用され、今年初めてJFAの地方選手権に組み込まれた。当日はどこかのクラブの練習走行会開催日なのだろう。

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 63復帰。東京の水瓶として知られ、渇水状態がしばしばニュースになる矢木沢ダムへの道を選択。しかし、須田貝ダム手前のゲートに阻まれ、これ以上、進めない。冬期は8時からでないとゲートオープンしない。30分前についてしまい、今回は矢木沢ダムまで行くのを諦め、また63に戻った。ロックヒル形式の奈良俣ダムの堰堤正面が迫ってくる。ダム周囲はこれまた素晴らしい紅葉に彩られていた。

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 同ダムから先は道路名が変遷してきた。最初は尾瀬奥利根林道、次いで湯の小屋温泉にちなんで湯ノ小屋林道、町道湯の小屋戸倉線と経て現在の63へと変わってきた。奈良俣ダムから先からは幅員が狭まり、ワインディング性が高まり、同時に薄茶色になった群生カラマツが散見された。坤六(こんろく)峠(1630㍍)までの区間に11の小滝と清流のある照葉(てりは)峡という紅葉名所では当然のごとく色づいている。道に沿う沢の水量が多い。

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 坤六峠が近づくにつれ、路肩が雪をかぶっており、樹木は落葉し、緑はクマザサという典型的な冬景色に変化。一週間前の台風22号の通過にともなう北風によって降雪したようである。幸い路肩部のみ雪があるだけで、通行には支障がない。8時14分、同峠着(3度)とこの日の最低気温。冬枯れのなか、木製の峠名を記した標柱が寒風の中、立っているのみ。峠はみなかみ町と片品村との境である。

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 峠からの下りのほうが陽当たりの関係で雪が多い。県道260との分岐に着いた。鳩待峠(1591㍍)に向かう行き止まり道で、かつては鳩待林道と呼ばれた。ヘヤピンが7、8箇所あったか、登りのワインディング路である。むろん、冬枯れ状態。通行日は限定されているのだが、この日は通行できた。山荘がみえてくると、道は終わり。8時31分(4度)。寒い。しかし、山荘駐車場にはかなりの数のクルマが止まっていた。至仏山(2281㍍、百名山)などの登山者のクルマである。63は11月6日~来年5月25日までの期間、湯の小屋橋先から戸倉スキー場入り口の区間が冬季閉鎖されることになっており、その途中にある鳩待峠も入るため、今週末が今季、最後の登山ということになる。

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 63から国道401同120を南下、赤城山に向かったが、120から分かれる老神温泉街を通過し、薗原ダムに抜け、県道62に出る道を選んだ。片品川の切り立った谷に架かる老神温泉入り口の橋からは峡谷に沿って紅葉が遠望でき、橋上からカメラを向ける宿泊客が多数。10時(13度)。温泉街が尽きると道は一気に細くなる。林道だか、町村道なのか不明だが、景観は効かない。山中の道だが、走りやすく穴原集落周辺では畑のなかを通過する。

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 62からショートカットして鷹巣で県道251(赤城道路)に入る。赤城道路は1962年に全通し、無料化された95年まで有料だった観光道で、たっぷり2車線幅員を持つ豪快なワインディングロードで、鷹巣からだと山頂の大沼まで500㍍の高度差を一気に駆け上がろうと思えばそうできるだろう。

 当日は大型バイクを追走した。バイクは4気筒らしく、快音を響かせて加速しながらストレートを突進するものの、コーナーになると、かなり速度が落ちる。落ち葉が路面に散乱。バイクでは駆動輪がこれに乗り、不用意にアクセルを開けると、スライドしかねない路面状況だったからだ。そのため、バイクに離されることなく追従することができ、コーナーではむしろこちらのほうに分があった。

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 大沼湖畔の赤城神社着。10時35分(10度)。周囲冬枯れにもかかわらず、大沼の駐車場にはかなりの数のクルマが置かれ、観光客の意外な多さに驚く。沼にボートが浮かび、赤城神社に参拝するひとも。ここからは関越道赤城ICまで走る最後の区間である。細道ワインディングの県道16は崖崩れで通行止め。やむなく県道4号で下りていったのだが、途中にある姫百合駐車場から4と並行して下っていく道に入った。赤城ふれあいの村(森林公園)に向かう林道鍋割相吉線である。日頃からほとんど交通量はないようで路面は落ち葉や小枝でふんだんに覆われていた。幅員は1車線ちょっと。同林道は県道353側が起点である。

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 また、同林道には林道東大河原線との分岐があり、そこに森林公園先から通行止めの標識。353まで抜けられないようで、東大河原線使いで赤城国際CCの西縁を巡ってに合流することにした。この林道も鍋割相吉線と似たような路面状態だが、勾配17%の檄坂がある。2ndに落としても加速するほど。東京あきる野市の星竹林道に20%勾配の坂があるそうで、これに次ぐ急勾配だろう。同林道は赤城国際CCへの道と交差するところに標識が立てられている。4、空っ風街道と走り、赤城IC着。11時40分(14度)。同ICから帰京。

Lutecia

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■全行程(GPS):約476km/最高高度(GPS):約1,616m
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