2018年3月25日

房総プチ林道と快走県市町村道

 部分的走行を含めれば房総の9つの主にプチ林道とそこに至るガラ空きのローカル県・市道などを巡った。寒かった冬がようやく終わり、房州ではソメイヨシノ開花前ではあるが、コブシ、ハナモモ、菜の花といった春の花が咲き誇っていた。

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 初めに向かったのは鬼泪山(きなだやま)林道。館山道君津ICで降車し国道127を館山方面に。君津IC着、午前5時40分、気温5度。127を5㌔も走れば常代交差点。鹿野山の青看に従って、たぶん市道にはいる。127に沿うように走れば県道163(小櫃佐貫停車場線)に突き当たるので、この交差点を佐貫方面に右折する。道幅が狭まる。館山道の高架橋近くに同林道の入り口がある。民家に向かって道が登っているが、手前に「林道交通安全」のグリーンのノボリが立てられていた。民家が絶えると、林間に突入していく1車線道が待ち受けている。林道の本格的なはじまりであるが、ここまで林道標識を見落としたのかもしれないが、確認できなかった。林道は93(久留里鹿野山湊線)に突き当たるまで基本的に登坂路が続く。簡易アスファルト舗装路だが、さほど荒れてはいないものの、密生樹林の中を走るために、やたらうす暗いし、景観も開けない。また、タイトコーナーもとくになく、ダラダラと登っていく感じ。路面が白くなった。コンクリート路に変わったのだ。施工してまだ年月を経ていないようで、汚れも少なく、ひじょうにフラットである。コンクリ部が尽きると、ダート区間が・・前々日、降雨だったはず。水たまりこそないものの、ぬかるみ泥状になっている箇所があり、そこを通過した際にサイドシル周辺ボディとタイヤにしっかりとドロが付着した。また、雨水が路盤を流れたために深さ30㌢くらいの溝となった雨裂が小型車2台分の全長程度あり、これをまたいでクリア。こういった区間を除けば、ダートとはいっても注意深く走れば、乗用車でも抜けられない林道ではない。樹木柵を透かして緑の牧草地が見えてくるとマザー牧場の敷地であることを示し、この林道も終わりである。同林道終了、6時17分、5度。ざっと10分で走り終えた。

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 次は大学口下滝田、増間御門、山名の一気通貫で周遊できる3林道に向かう。鬼泪山林道がT字路で突きあたる93を右折し、短いワインディングダウンヒルを経て更和交差点で国道465に入り鴨川方面に。道なりに行き、通称もみじロードとして知られる182(上畑湊線)に入る。6時27分、6度。182(上畑湊線)は34(鴨川保田線)に行き着くまで信号は一本もない。34手前が幅員が狭まり屈曲性を帯びるが、それ以外は快走県道である。県道沿いの民家の白いコブシの花が満開であった。これ以降も通過ルートの随所でコブシ、あるいはモクレンの満開風景をみかけた。182の唯一のトンネル、山中をくぐり抜ければ34は目前。

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 34を鴨川方面に曲がり、金束交差点で88(富津館山線)に。88は89(鴨川富山線)に合流する県道だが、これも同交差点を過ぎれば、信号はない。左「平久里中」(へぐりなか)直進「館山、白浜、88」の分岐がある。ここはこの先に狭いくねくね区間のある88を行かず、左折し白石峠(標高170㍍)経由の、市町村道を選んだほうがはるかに快適である。なにしろ大型車が楽にすれ違える広幅員なうえ、視界が開けた空間のなかを走り抜けられるからである。白石峠までは登りで、峠を越えると89までずっと下りが続くが、いずれもなだらか。峠には左分岐にはコスモクラシックCCの大きな角形アーチが架かっている。ここは千葉県最長の嶺岡中央林道4号の入り口でもあり、林道案内板も掲出されている。峠を下りだすと、沿道際に濃いピンクの花が密集しているハナモモが満開であった。

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 なおも下っていくと、陽当たりのよい区間ではすでに散花し新緑の葉が出始めている。わずかだが、標高が高く気温の低い峠周辺のみが咲き残りしたようである。正面のスズキ販売店とコスモGSの間で89に合流。この先は右折し、88にでて館山方面に。

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 三芳村で88を左折、安房グリーンライン(広域農道)誘導路らしき道に入る。ここには案内板はない。ほどなくして直角で右に曲がるところにグリーンラインを告知する標識がでてくるが、ここは直進。まもなく登り左コーナーの終わりに左に折れる道がでてくる。これが大学口上滝田(おおがぐちかみたきた)林道の起点。林道標識が設置され、周辺のハイキングコースを図示した大きな案内板も置かれている。

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 ここから大学口、増間御門、山名の3林道を乗り継いでいく。大学口着、7時13分、7度。3林道ともすべて鋪装され、山名の一部区間を除けば、対向車とのすれ違いは可能である。大学口は登り坂ではじまる。途中、先の道が突然消え、空が視界に広がる箇所がある。急激な下り坂となっているためだが、その直前の上りはさほど傾斜が強くなく、これほど下っているとは気付きにくい。この林道には金比羅山(208㍍)の登り口がある。車両通行不可だが、山の頂上からは眺望が開けているそうだが、スルーした。同林道には、すでに葉桜になっていたが、河津桜が植栽されており、時期を選べば桜を楽しみながら走れる。この林道は道なりで増間に行き着く。

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 交差部には大学口の終点標識と、少し離れて増間の起点、終点いずれか不明の標識が設置されている。増間もとりたててタイトなコーナーもなく森の中を道が通っている。この林道にはボタン桜が植えられているそうで、開花時期には大きな花弁の桜を観賞しながらの走行ができそう。大学口、増間ともハイキングコースとなっているために、桜を植え込んでハイカーに楽しみを与える演出がなされているのだろう。T字路。左はバリケードで塞がれ、右に行くほかない。どんどん道は下っていく。再びT字路。そこに山名林道の標識。山名は258に抜けられる林道だが、それができなかったということは先のバリケードは、その先のどこかで車輌が通れない不都合があるということだ。また、増間は88にでられるはずなのだが、これもできなかった。林道標識の前はどうみても市町村道であったからだ。山名終了7時41分、7度。

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 ま、深いことは考えず、この市町村道を左に行き、国道410(加茂方面)、次いで296(和田丸山館山線、和田方面に)へと車を進める。次なる林道は小向。296と交差する186(南三原停車場丸線)へ。両県道とも典型的なローカル道で交通量は少ない。186の山下バス停を右折し、小向ダムの右岸を通る山に向かうに狭い道に入る。起点か終点が定かでないが、小向林道への186側からの入路口である。8時4分、10度。同県道近隣の民家を過ぎると、道は簡易舗装路に。道は上りだし、水平走行に移り、そして下りだす。右側が崖、左側が崖下という左右とも木々に覆われた道で、ほぼ1車線。この林道には数軒の民家が点在し、住民達の生活道でもある。木々が邪魔して眼下の小向ダムを見ることはできない。途中、186からダム堤頂を通り、林道に入れる道路と交わる。林道は正面に登っていく道(南房総市道和田6号)に合流。そこに小向林道の標識がある。道なりは左で、すぐに186にでられ。しかし、ここは太海方面に行くべく、右に行くのだが、超ヘアピン様急角度の道を回り込んで、方向転換。

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 この市道は山間部を抜けると、山の斜面に農家と覚しき民家と水田が現れる。水田には水が引かれ代掻きが始まったところで、水田内に手押しタイプの耕耘機が無造作に置かれていたりする。市道上には烏場山(266㍍、新日本百名山)の登山口がある。市道は272に突き当たる。左折。89にでられるのだが、市道と272の交点からは1車線といっていい山道険道で、登り切った地点で89と交差する。右が鴨川方面だが、この交点は十字路。直進。道沿いに満開の菜の花を見ながらしばらく走ると右90度コーナーから登り坂の道が分岐する。これに入る。白滝坂下林道である。道脇の一軒の民家前を通過。右手が開けた山の中腹をたどる、やや荒れた鋪装道をどんどん登っていくと、最後に嶺岡中央林道2号線に飛び出る。正面は小さなパラグライダー離陸場である。2号林道のビューポイントだ。登ってきた林道口には白滝坂下の表示板が。

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 嶺岡2号を鴨川方面に走る。千葉最長の嶺岡林道。幅員は広く、272の狭隘区間のほうがよほど狭い。2号の途中から34と181(天津小湊田原線)の分岐交差点に至る、2号の支線といえる林道に入る。急な下り坂が待ち構えている。鋪装されてはいるのだが、路盤の土が表れている箇所もあり、凹凸が激しい。道の両側とも樹木に覆われ視界は開けない。しかし、クルマのフロアを打たないようゆっくり走る。前方が明るく開けた。林道標識。残念ながら林道という文字は読めるが、線名を書き入れる部分の塗料が完全抜け落ち、まったく読めない。事後調査で川代仲林道と判明した。林道が終わっても気は抜けない。民家沿いなのだが、1車線で林道以上にすごい檄坂。おまけにカント付ヘアピンまで用意されているからだ。この道を降りきれば水田が広がり幅員も広がる。

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 農道だが、市町村道だが、わかりかねる道などをなぞり、鴨川市立田原小学校前で34、181(天津小湊田原線)の交差点に。181で保田ダムに向かう青看にしたがって左折。一本目の信号を右折。128と合流する鴨川東町まで信号のない田園のなかのロングストレート広幅員道路で、沿道沿いのあちこちで菜の花が咲いていた。この道は34、181をバイパスして時間帯によって渋滞気味のロードサイドショップが林立する鴨川市街地を避けられる。

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 東町からは海沿いの国道128の旧道を民家の間から海を眺めながら天津、奥谷、内之浦の3林道に向かう。旧道の終盤に天津神明宮の看板に沿って走れば、神明宮脇から天津林道である。林道標識はもう少し先に出てくる。9時23分、15度。奥谷林道との交差まで全線上り路。2車線幅員の鋪装で林間を縫っているために景観は開けない。道路を横断する水抜き溝と道との段差が大きく、それを乗り越えるたびにクルマにショックが伝わる。路面はクリーンであるが、谷側の路盤が崩れ、ガードレールが大きくたわんで谷に垂れ下がっている箇所があった。奥谷林道入り口着。9時33分、12度。この林道は「ハイカー注意」の看板が複数箇所に置かれている。

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 林道は視界の開ける区間もある。一箇所だけ路面が盛り上げられ、速度を落とさないとクルマが大きなショックを受ける。しかし、道そのものは走りやすい。内浦県民の森で奥谷林道はエンド。同森の野外ステージ先から左に登っていく道がある。これが勝浦ダムに向かう内浦山林道で、その旨、標識もある。路面はフラットですれ違いできる幅員も確保されている。ひじょうに短く、3分足らずでダムに。ダムから178(小田代勝浦線)、82(天津小湊夷隅線)と走り、82の貝掛交差点で右折し、国道128に抜ける。同交差点から右折した道は東急の分譲地に沿うように、その縁を通っており、幅員の広いダウンヒル路である。

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 128からは御宿を目指す。ソテツだか、フェニックスだかが植えられた岩和田海水浴場前を通り、トンネルを抜けると、道はワインディング性を帯びる。メキシコ記念塔。太平洋を180度一望できるポイントである。眼下の岩和田漁港には漁から戻ってきた漁船3隻が速度を落とし接岸しようとしているところであった。さらにこの山間のワインディング路を今度は岩舟地蔵尊を目指して走る。メキシコ記念塔まではそこそこ観光客も訪れるが、地蔵尊までは足を延ばさないないようで、ほとんど交通量はない。海に突き出た岩場に朱色の社に地蔵尊が祭られている。数十㍍下の防波堤に波が打ち寄せているのを地蔵尊を巡る通路から望むめる。隣には防波堤内に木を茂らせた根元を波で浸食されつつある小島。11時、18度。

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 地蔵尊からは浪花交差点で128に入れる市町村道を走る。次は当日最後の妙楽寺佐貫林道である。同交差点で128を御宿方面に戻り、いすみ市の西武リゾート分譲地、グリーンタウン大原台の南縁を通り、高山田で176(夷隅御宿線)にでて、82,国道465151(夷隅瑞沢線),150(大多喜一宮線)と主に県道を伝っていく。グリーンタウンへの道路は完全2車線で対向車とも先行車ともいなかった。176にでるまで信号はない。一部区間歩道が設けられているものの、雑草が繁りだしており、歩く人もあまりいないのだろう。176は両側に田園風景の広がる、交通量の少ない県道。82も似たようなもの。82が465に合流する交差点正面土手には満開の菜の花。土手下から見上げるように走るいすみ鉄道の列車を菜の花とともに被写体にするフォトポイントらしく3脚にカメラを据え付けた人が数人、列車が通過するのを待っていた。465は300㍍も走れば151に分岐する。151,150ともガラ空き。176を含め3県道は快走路といってもいい。150入路。房総CCを過ぎたら右を注視しながら走る。妙楽寺佐貫林道の入り口が近いからである。

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 林道口は大型車進入禁止のバリケードと図入りの小さな案内板が設けられている。バリケードの間を抜けて林道へ。11時59分、15度。この日、最も路面状態のよい林道なうえ、しっかり2車線幅員を備えている。登り坂で始まり小刻みに屈曲しながら切り通しの峠へ。ここからは下り一辺倒。出口はたぶん市道で、右カーブの頂点にあり、菱形の林道標識とバリケードも設置されている。5分で通り抜けた。この市道を左にいけば自然に27(茂原大多喜線)に行き着く。道に沿った関東電子のあたりが結構な下り坂である。
27を左折し、すぐにトーヨーCCの看板がでてくるので右折気味に入り込む。この道は27あるいは148(南総一宮線)からゴルフ場に行くための取り付け道的な性格を持っている。トーヨーCC際に登りタイトコーナーがある。また、一部に1車線強の狭区間がある山間部を通り抜ければ集落のある田園部に達する。交通量は僅少。

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 148にでたらユートピア笠森の看板のあるところですぐに左折となる。かつて水沼蔵持林道であった道だが、現在では町道になっている。進んでいけば頂上が公園になっている野見金山(180㍍)に至る。この山への登りはタイトコーナー連続で、林道まがいの道筋である。公園から148に向かうクルマがいないではない。野見金山には軽食を提供するコーヒーショップが立地。土、日、祝日が原則営業日である。ショップ脇の展望台からは茂原市街はじめ東京スカイツリーも遠望でき、当日、曇り空だったが、霞ながらも確かにスカイツリーがみえた。公園の河津桜は散っていたが、ソメイヨシノの開花前。梅雨の時季になるとアジサイの花を見られるはずだ。12時20分、19度。


 野見金山からは国道409に。山からずっと下り坂といっていい。公園からしばらく続く山間区間の坂の勾配はきつい。409から13(市原茂原線)にでて、自衛隊送信所とキングフィールドCCの間を抜ける市町村道に入る。ゴルフ場の大きなイチョウ並木は秋になれば、黄葉が素晴らしそう。この道は13に復帰し、うぐいすライン(広域農道)と交差するので同ライン経由で14(千葉茂原線)沿いの京葉道蘇我ICから帰途についた。13時39分、18度。

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■全行程(GPS):約383km/最高高度(GPS):約301m
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