2018年11月11日

晩秋の越後路

 魚沼スカイライン、東頸城広域農道など新潟県下の交通量僅少のワインディング路中心に走った。なかでも通り抜けかなわなかったが、上越・妙高の黒倉林道の紅葉は圧巻だった。走行日2018年11月3日、使用車輌C63。

C63AMG

 最初の目的地は魚沼スカイライン(新潟県道560、田沢小栗山線)である。関越道湯沢IC着。午前5時7分、気温4度。国道17に降り、同353に。スノーシェッドが連続する353では赤や黄に染まった山の紅葉を眺めながら同スカイラインへの分岐点まで進んでいく。

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 十二峠のトンネルを抜けると、その分岐点である。やや急な角度で右に回り込んでいく狭い登坂路がスカイラインの入り口。路面には湿った落葉がへばりついていたが、登り切ると、幅員は広がり、路面もクリーンになった。スカイラインは魚沼の丘陵の尾根に沿っている。道端には穂が白くなったススキが連なり、山に目を向ければグリーンの常緑樹をキャンバスにレッド、イエローの紅葉がパッチワークのように広がっていた。路肩駐車し、カメラを谷に向けた人達。ふと見れば、谷をすっぽり白いものが覆っている。雲海だ。この雲海景色を捉えようと駐車していたわけである。スカイラインには4箇所程度の雲海撮影ポイントがあるらしく、その都度、路肩駐車し、カメラを構えていた。頭上をケーブルが通り、スキーリフト場が見えてきた。上越国際スキー場をスカイラインが横断しているのである。冬期にはこの区間はスキー場のゲレンデに変わることを示す。十日町展望台先からは視界が一段と広がり、空が大きく見えるようになる。

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 スカイラインは全長19㌔で1977年(昭和52年)に全通し、81年に県道昇格。眺望がよいので観光ドライブコースとして知られる。広い幅員区間もあるが、基本は幅員5・5㍍でワインディング性を帯びている。5ナンバー車が大半だった時代に道路デザインされたためか、3ナンバー車が増えている現在では、幅員は決して広いとはいえない。スカイライン終点の八箇峠下りは急な坂でタイトコーナーもあり、幅員も狭い。同峠下でスカイラインは終点で国道253に接続。6時42分、6度。


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 次の目的地は東頸城広域農道。253を松代方面に走り同403県道13と継いでいく。253は多少通行量はあるものの、流れはよい。順行速が少し遅くなると、先導車はおしなべて地元の軽トラ。地方ではよくあるケースである。信濃川を渡る十日町橋(全長476㍍)周辺では川霧が湧いていた。403では星峠の棚田に寄った。十日町市の観光スポットで200枚の棚田があるそうで、多数の撮影者がカメラを向けていた。7時37分、6度。13で道路際の北越急行ほくほく線大島駅前を通る。コンクリ3階建ての立派駅舎と駐車場がえらく広大なのが目立つ。乗車客は一日68人(2015年)らしいが、これが多いのか少ないのか、見当つきかねる。

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 13が国道253に突き当たった少し先から目的の東頸城広域農道が始まる。7時58分、6度。センターライン付と幅員は広い。森中を通る区間でも視界は開けている。落差の大きなアップダウンと曲率の大きいコーナー。国道403よりもはるかに快適道で速度も乗りやすい。ここもススキが多い。また、ところどころ水の入った棚田を見ることができる。平成13年に全通した農道のようで、全長27㌔とされる。当日は安塚区浦川原谷(上越市)という字で通行止めだったが、迂回路が設定されており、これを利用して農道に復帰した。国道405にぶつかり同農道走行終了。8時50分、12度。

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 次は関川流域広域農道(くびき野パノラマ街道)である。区道だか、村道だかわからないが、405から198(青柳高田線)をわずかに走り、同農道にアクセスする。198の同農道分岐点側にはくびき野バスの棚田バス停があり、入り口には案内板も設置されている。農道入線。9時26分。13度同農道は文字通り棚田とススキの群落から始まり棚田で終わるなど棚田をあちこちにみることができる。センターラインもあり、広幅員道で、アップダウンやゆるく回るコーナーを次々にクリアしていった。大野新田でT字路にあたるが、火打山とその左の妙高山が正面迫ってみえる。両山とも冠雪していた。T字路を左折。

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草色の皿形のため池を見下ろす。大池新田の大池らしく池岸は遮水施工されている。池の浸透水によって下流に地滑りを起こすことがわかり、土中に水が染み込まないよう施工したものという。455(上小沢北条線)と交差した後も農道は少しばかり続いているが、行き止まりのため、事実上、455に突き当たって終了しているといえる。9時53分、15度。

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 455から国道292にでて中野方面に走る。292沿いの長沢(妙高市)で左折し、黒倉林道に向かった。左折点には白地で林道名などを記した木製の案内板が設けられているが、正式林道標識は長沢の集落が尽きたところにある。同時に5㌔先で通行止めの注意板も置かれていたが、とりあえずそこまで走るべく、進入。10時11分、13度。群生する穂が延びたススキ。路面はフラットで幅員5㍍と互いに徐行すればすれ違えるだけの広さはある。高度を上げるにつれ法面はじめ谷をはさんだ山などは赤、黄、茶に彩られた紅葉満開状態となり、それがずっと続いた。全山紅葉といっても決して過言ではないほどだ。林道は新潟412・長野411(飯山新井線)と交差し、さらに山を登っていくのだが、ついに通行止めゲートが道をふさいでいた。現場監督と覚しき人が腕をクロスし、「これから先は行けないよ」と仕草で語っていた。10時40分、12度。事後調査で安全走行できるよう32㍍ばかり改良工事をしていることがわかった。再開通日は不明だが、まもなく冬季閉鎖されるはずで、年内の走行は難しいかもしれない。この林道は全長16㌔で2010年に全通した、林道としては新しい部類に属する。同林道は光が原黒倉線に接続し、景勝地の光が原高原に行けるので、95(上越飯山線)に抜けられるはずである。

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 クルマを転回し林道を戻り、412交点から南下し409経由で97で斑尾高原を目指すことにした。412は1・5車線あるか、ないかのでタイトコーナーも備えた狭隘ワインディング県道である。ほとんど林道といっていいかもしれない。しかし、ススキと紅葉のなかを抜けていくことができた。狭いゆえに敬遠されるのか、対向車にはまったくあわなかった。斑尾高原に向かう97(飯山斑尾新井線)は広幅員の快走ワインディング路で、避暑やスキーなどのレジャー需要を見込んだ観光道であってみれば、走りやすいのは当然といえば、当然のこと。紅葉もみられたが、黒倉林道のあでやかさを堪能した後では、さほどの感慨はない。スキー場開業前のこの時期、通行量は少なかった。斑尾高原ホテル前着、11時27分、14度。

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 この先からは下りで、504(長野・新潟県道信濃斑尾高原線)となり、最終目的地野尻湖に向かった。下りはじめの長い直線。沿道際にはタングラム斑尾東急リゾートのゴルフ場があり、緑芝とゴルフカートが望めた。504から観光道といっていい走りやすい96(飯山妙高高原線)と繋いで野反湖到着。11時46分、15度。湖畔は閑散としていた。湖に突き出た竜宮岬の木々は少し色づいていた。野尻湖は諏訪湖に次ぐ長野第二の湖。諏訪湖の3分の1程度の面積の野尻湖だが、諏訪湖よりも5倍水深が深く、貯水量は諏訪湖を上回るのだそうだ。野尻湖を後にし国道18にでて上信越道信濃ICから帰宅の途についた。11時58分、15度。

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■全行程(GPS):約671km/最高高度(GPS):約1,003m
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