2015年5月12日

新緑萌ゆ、奥多野・秩父の峠路

 間瀬、土坂、八倉、塩の沢など奥多野・秩父の峠を走り抜けた。木々がいっせいに芽吹き、新緑なかをゆく。また、神流町では驚くほど多数の鯉のぼりが揚揚され、端午の節句の季節でもあった。走行日5月2日。使用車両c63。全走行距離353㌔。

C63AMG

 最初の訪問地は間瀬峠(標高380㍍)。関越道・花園ICで降り、国道140・長瀞町で埼玉県道287に折れれば、同峠にたどりつける。287から少し入ったところの幅員が狭いが、これを過ぎると2車線路となる。この間、視界は開けない。標高が低い峠なものの、林間をくぐるように走ることから山の中に入ったという雰囲気だけは感じ取れる。しかし、すぐに峠に着いてしまう。「頭文字D」の舞台となったワインディングロードで、広幅員ゾーンでは速度を上げられるが、走る距離が短いのだ。峠で道路はT字のコーナーとなり、右に行くのが287。この先には日本最古の農業用ダムで土木遺産認定されている小スケールの間瀬ダムがある。間瀬峠で午前5時10分、気温12度(都内出発時20度)と、当日の最低気温を記録。

C63AMG

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 T字路で左折し、同13・44の交わる出牛交差点にでる林道陣見山線を選択した。1・5車線程度の道だが、ヘアピンまではいかない小さなコーナーが連続して現れ、稜線沿いに昇降しつつ最終的に下っていく、この道は走っておもしろい。途中、木々の間に木が刈られ草地となっているようなゴルフ場らしき眺望を望むことができる。

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 出牛で44に進み、県道284に右折。「満願の湯」や「秩父華厳の滝」が沿道にある284だが、満願の湯までは2車線なものの、それから先は原則1車線強と考えたほうがいい。秩父34番札所になっている水潜寺参道入り口正面の谷筋にかかる橋の先に白く塗られた板壁のペイントが剥がれ落ちつつある木造2階建ての学校(皆野町立日野沢小学校、閉校)があった。

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 明治22年に開校、昭和30年に建て替えられたものの、平成14年にクローズしたという、長い歴史のある小学校である。不便な山間部ゆえに10年余も前に過疎化し、学校として存続させられないまでに生徒数が減少したのであろう。また、華厳の滝の入り口脇にあるレストハウスだったのか、土産物屋だったのか、そんな雰囲気の建物も閉鎖され、埃にまみれ、うらぶれた廃館状態であった。華厳の滝とはいえ日光のそれとは比較にならぬミニチュア滝で訪れる観光客もたかがしれているのかもしれない。284は「日野沢山の家」までが登りで、この先から県道37までは下っていく。同家の周囲には集落が形成され、道路も2車線となり、景観も開けている。しかし、周囲は山また山で民家のあるのが不思議なほど。

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 37は交通量も少なく走りやすい。道沿いや新緑の山には薄紫の藤の花が点在している。宮戸で37と別れ、71に乗り入れる。今回、第二の目的地である土坂峠(700㍍)を通るためだが、峠を越えるトンネル前後は幅員も広いが、峠手前が狭い。そこそこ速度のだせる短距離ワインディングロードである。この峠が埼玉と群馬との県境となる。


 群馬側の71は万場高(神流町)脇で国道462に突き当たる。神流川河川敷に川をまたいで7本(?)のロープごとに吊された多数の鯉のぼり。とても数え切れない。赤、青などに染め抜いた鯉のぼり・・昭和56年に100匹で始められたが、昭和62年には800匹にも増殖し、現在もそれ相当数が掛かっているのだろう。ちょうど「鯉のぼり祭り」(4月26日~5月10日、掲揚日)の最中に行きあわせたのだが、これだけ膨大な数の鯉のぼりがあると壮観である。

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 462は道なり国道299に変わる。「恐竜センター」を過ぎた尾附から橋倉川に沿って八倉峠(1281㍍近辺)に登っていく山道に入る。299からの入り口からしばらくはクルマ一台がやっとの生活狭路でる。ピンクの花の咲いた芝桜と赤と白のツツジを植え込んだ石堤のある民家の軒先をかすめるように登っていくと、林道八倉線となる。登りの急坂がはじまる。11%、12%の標識さえでてくる。また、ヘアピンの連続2段重ねで登っていくところも。c63はハイパワーをもてあまし後輪が空転する。そんなワインディングロードも七久保八倉線に入ると、いっきにフラット良路に変化し、走りやすくなる。ブナが芽を吹き鮮やかなグリーンの葉が目に新鮮に映る。

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 同峠からは日影山(1407㍍)の東を通り、桧沢峠(1121㍍)、塩の沢峠(1020㍍)の各1000㍍級の峠を経由して群馬県道45・国道299に降りていく。八倉から塩の沢までは御荷鉾スーパー林道の一部をなしている。八倉から先は路面凍結の際に散布する砂粒がコーナーの、とくに外側に吹きだまっている。これに乗ると、前輪がズルズル滑り出しアンダーステアがでるうえ、後輪もスリップするやトラクションコントール装置が作動し、アクセルを踏んでいてもパワーが抜ける。雪解けから間がないこの時季特有の路面状態で、ひじょうに走りにくい。「国民宿舎やまびこ荘」まで降りてくると、林道も終わりである。GWに入っているため、同宿舎の駐車場にはかなりの数のクルマが止められていた。

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 299で志賀坂峠(780㍍)を越えて、確か松阪だったかで合角ダムに向かう道に入った。志賀坂峠は2車線の走りやすいワインディングロードだが、この日は対向バイクに多数出会った。リーンインで車体を傾斜させてライディングしてくる輩が多く、コーナーをセンターラインぎりぎりで回り込んでくるために、危なくて走りづらいことこのうえない。志賀坂峠に至る途中の納宮というバス停後ろの駐車場らしきスペースにも10匹程度の鯉のぼりが掲げられていた。

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 合角ダムへの道路は、幅員・コーナー幅とも十分で、スピードのでやすい快適路。同ダムは稼働開始から10年足らずで新しい。洪水調節や上水道用水確保などを狙いに建設された重力式コンクリ製。管理事務所ではダムカードを配布している。むろん頂戴した。

合角ダム

 ダム湖に架かる合角連大橋を渡ると、埼玉県道282を経て土坂峠のある同71にでられる。同大橋はワイヤーで路盤を支える斜張橋で、光線と大気中の水分の影響なのだろう、ワイヤー間にまるでガラスがはめ込まれているかのような現象下で青い空がみえた。

C63AMG

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 71から37、吉田(秩父市)で交通量の少ないフルーツ街道に入り、皆野寄居道路(420円、釜伏トンネル)を経て関越道の花園ICから帰路についた。関越道では今年のドライブで初めてエアコンを入れるほどの暑さであった。

C63AMG

■全行程(GPS):約353km/最高高度(GPS):約1,265m
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