2015年8月15日

涼感あふれる信・上州の高原道路

 立秋は過ぎたとはいえ、まだまだ残暑厳しい折、涼しさを求めて高峰、嬬恋、蓼科の標高1000㍍級の高原ルートをたどった。海抜が高い高原だけに空気の透明度の高さと涼しさは格別である。走行日8月9日、使用車両c63。

C63AMG

 まず、上信越自動車道小諸ICから高峰高原に向かう。同ICから広域農道浅間サンライン経由でチェリーパークラインに。チェリーパークラインはサンラインからの分岐点の標高700㍍程度から1973㍍(車坂峠)まで高度を上げていくワインディングロードだが、道幅は広く、速度がでやすい。3つ連続するヘアピンが唯一のタイトコーナーといえ、まるでらせん階段のごとく急登坂していく箇所がある。

C63AMG

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 半面、同ラインは緑の樹間のなかを走る部分が多く、眺望に恵まれない。ただ、車坂峠手前2㌔になってやっと左側の視界が開け、明るさを増す。同峠の高峰高原ホテルの駐車場には午前6時14分に到着。サンライン分岐点から14分間で駆け上った。標高2000㍍といっていいホテル駐車場での気温は11度(都内出発時午前3時45分、24度)しかなく、ひんやりと澄んだ空気に包まれ、肌寒く感じる。同駐車場際でみつけた1輪のススキには薄茶色の穂が・・・立秋を1日過ぎたところだが、高峰高原ではもう秋の装いの準備が始まっている。

C63AMG

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 同ホテル先からASAMA2000パーク(スキー場)への道と湯の丸高峰林道への道とが分かれる。林道を走るのだが、ゲートオープンが午前7時とあって周辺をウロウロして時間をつぶす。同林道の距離は7㌔近くあるようだが、ダート範囲は4~5㌔だろう。

C63AMG

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 ダートといっても路面は固く締まりフラット。乗用車で容易に通れる。スキー場の中腹のゲレンデ内を通過する部分がダートにあたり、上空を走るリフトの索道下を通り抜ける。路面が乾いていたため、砂塵を巻き上げ、リアトランクやホイールが白く汚れてしまった。

C63AMG

 道路地図ではこの林道を悪路と表記しているものもある。確かにそれまでの鋪装路と比較すれば、ダートは悪路になるが、悪路というのはいささか大げさで、ワンボックスであっても適切な速度で走る限り、この時季、問題なく通過できる。

 湯の丸のスキー場までくると、鋪装路が復活する。道なり群馬県道94にでて、鹿沢高原を越えてつまこいパノラマライン南コースに。途中、同235、国道144・406、同59をアクセス道としつつ、同ライン北コースを巡り一周する。同ラインは地元の生活道路であって観光道路という性格も併せ持ち、走りやすい。キャベツ畑のなかを車道が通っているという、キャベツロードである。夏から秋にかけて京浜地域で販売されるキャベツの7割は嬬恋産である。

C63AMG

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 6月中旬からキャベツの出荷ははじまっている。一部は刈られ、土壌のみえる収穫済み畑になっているが、まだまだたくさんの豊かに実ったキャベツを農家の人達が収穫していた。南コースの一部では道路端にヒマワリとコスモスが同時開花していた。冷涼地では夏と秋の花が一緒に咲いているのは珍しくないが、コスモスの花で季節は秋に向かっていることを示している。

C63AMG

 北コースでは途中からコースを外れ、パルコール嬬恋に寄った。スキー場だが、シーズンオフの現在、土、日、祝日に限って、関東最長3・2㌔のゴンドラリフトを動かしている。8月28~30の3日間、全日本ラリー選手権シリーズに組み込まれ国内屈指の高速ラリーである「モントレー2015in嬬恋」が開催される。その事務局現地本部が置かれ、参加者の宿泊施設となるのが、このリゾート施設。パノラマラインなど一部周辺道路が時限閉鎖されることになっており、それの告知看板が県道112などに設置されていた。

C63AMG

C63AMG

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 パノラマライン北コースを周り、再び南コースに戻り、県道94交差から少し先にある、木造2階建の古い施設のある管理センター嬬恋農場(農水省農場と道路地図は表記)脇を通るひょろひょろとした狭道からASAMA2000に向かう。ほどなくして鋪装からダートに変化。村道鳥井峠車坂線である。全長6・6㌔だそうで、同2000手前まで1・5車線幅の登りの砂利道が延々続く。林間を走るために視界はあまり開けない。しかし、路面は荒れておらず、速度をあげなければ、クルマの底を打つことはなさそう。

C63AMG

 ただ、c63のフロント235(トレッド面23・5㌢)のオンロード用ミシュランはグリップせずアンダーステアを誘発。おまけに255のリヤタイヤは少しパワーをかけただけで空転し、路面をひっかくばかりで前進せず、ズルズルと横滑りする始末。ステアリングとアクセル両ワークに細心の注意を払いつつ進んでいく。二股にでた。左は林道群馬坂線の表記。ASAMA2000へは右進する。

C63AMG

C63AMG

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 ASAMA2000の手前1㌔程度で鋪装路となる。2000のレストハウス駐車場には午前7時前には皆無だったのが、到着した同10時30分にはたくさんのクルマが止まっており、行楽避暑客が集まりだしているのだろう。戻ってきた高峰高原ホテルからは再度チェリーパークラインを通って小諸まででる。パークライン、今度はダウンヒルである。スピードのでやすいコースゆえシフトダウンし、エンジンブレーキを盛大に効かせつつ、フットブレーキも駆使してどんどん降りていく。浅間サンラインとパークラインとの分岐まで2㌔ぐらい前で先行車オデッセイに詰まった。ここまでのタイムをみると、登り時とタイム差はない。

 小諸から長野県道40、国道142、県道151同482を経由して大河原峠に向かう。482は春日温泉から先が1車線の林間のなかを走る山道に突如変化する険道。しかし、路面性状はフラットで、離合スペースも折に触れて出てくるので走行にとりたてて問題はないし、対向車にも出会わなかった。左側面が開けた場所まででてくると、望月高原牧場である。牧草が植栽されたなだらかな緑の斜面が、ずっと木立のなかを走ってきたので、目に新鮮に映る。482は同牧場内を通り抜ける路線である。

C63AMG

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 同牧場を抜けたところで、左分岐に入っていくと林道唐沢線となる。同林道は虹の平を経て、大河原峠直前で白樺湖から同峠に至る本筋の道と合流する。

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 同林道は舗装1・5車線幅で、同牧場から800㍍標高を上げ、2093㍍の同峠までずっとくねくねと登っていく。この林道は直線部分の距離が短くてすぐにコーナーが待ち受けるが、タイトコーナーは少なく、かといって大コーナーもない。中速カーブと短直線をつないで高度を稼いでいくワインディングロードで、コーナーリングを楽しめる。同林道は大河原峠に向かうメインロードではない。通り抜け時間が早ければ、対向車も少ないと予想され、実際、当日は1台すれ違っただけだった。

C63AMG

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 大河原峠の駐車場は満杯。蓼科山へのハイカーが多いようで、駐車したクルマの中は無人。また、バイクのグループも多く、ハーレーだのBMWだのカワサキだのの高価な大型2輪が次々に峠を訪れていた。


 今回のドライブルートの最終目的地として同峠を設定していた。峠で一休みした後、蓼科スカイラインを下り、中部横断自動車道(無料)の佐久南ICで上信越道に乗り入れ、13時30分帰路についた。

C63AMG

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■全行程(GPS):約598km/最高高度(GPS):約2,090m
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