2015年9月26日

Cruise東北/鳥海・仁賀保・由利高原編

 シルバーウイークを利用して山形、秋田、青森の北東北3県の山間路や海岸線を巡る3泊4日のロングクルーズを試みた。鳥海ブルーライン、竜飛岬、寒風山、岩木山などを訪れた。連休とあって、人出が予想されたが、あに反して概ね空いており、宿泊施設だけが満員御礼状態だった。走行日9月19~22日。使用車c63。全走行距離約2000㌔。

C63AMG

 雨と霧と発電風車…
 今回のロングクルーズで最初に目指したのは山形、秋田にまたがる鳥海ブルーラインである。東北道、山形道と乗り継ぎ、日本海東北道の終点酒田みなとから海岸線に沿って北上する国道7号に乗り入れる。シルバーウイークの初日とあって、東北道は未明(9月19日)にもかかわらず、行楽に行くのだろう乗用車が切れ目なく走っている。しかし、山形道に入るや交通量は激減。都内から酒田みなとまで延々約500㌔のリエゾンロードであった。午前2時46分に都内を出発し、同8時42分に酒田みなと着。気温21度。

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 国道7から入る鳥海ブルーラインは山形側が県道210、秋田側が同131で海抜ゼロから1150㍍まで上り詰めていく山岳観光路である。

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 県境にあたる国民宿舎(太平山荘)手前がワインディング性が高いのだが、当日は雨と霧。同宿舎やビジターセンターあたりは横殴りの雨とあって、本来、晴天なら日本海などが望める絶景ロードとされるが、それもかなわない。ゆっくりとブルーラインを抜けた。

 雨のなか、同ラインをにかほ市に向けて下っていく途中の栗山で131を右に折れて秋田県道58へのショートカット路を選択。この道は見渡す限り黄金色の稲穂が垂れている田圃のなかを突っ切る。関東では稲刈りはほぼ終わっているが、北のこの地ではこれからである。天候は晴れ間に変わり、青空が覗く。

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 同58で南由利原(由利本荘市)のふれあい農場脇を通る農道を目指す。58は獅子ヶ鼻湿原先から花立牧場公園手前までがちょっとしたワインディングロードで、林道ライクな道幅であったり、2車線に戻ったり、再び1・5車線になったりする主に樹林のなかを行く険道といっていい。しかし、交通量はなきに等しい。

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 ここでは岡山ナンバーのワゴンRが登りヘアピンになると小排気量ゆえに速度が落ちるが、それ以外は結構な速度でコーナーを回り込んでいく軽快な走行を披露しているのをみて、ペースメーカーになってもらった。ヘアピンの頂点内側に設けられた東屋のある木境展望所の駐車場にクルマを止め、しばし休憩。雨がパラついている。花立牧場公園では大きな樹脂製の飼料バッグが積まれている。


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 南由利原の青少年旅行村で58と別れ、ふれあい牧場脇をかすめる2車線農道に入る。同牧場では場内を走るサイクリングロードに入り込んでしまった。

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 当然、クルマは通行できないはずなので、さっさと通り抜けた。同牧場先で県道287の西沢に抜ける道を経て本庄由利広域農道に。複数の貯水池の間を同農道は走っているが、第二貯水池あたりで2基の風力発電風車を発見。ユーラスエナジーが設置したものだ。県道285から同296に入り、同32で土田牧場の高原の風車を目指そうとしたが、あと3㌔足らずで32に到達できそうなところで296は、それまでの鋪装2車線からダートの極細路に様変わり。道路地図上でもここは悪路と記載されているが、現地に行ってみないことにはどの程度の状態なのかわからず訪れたのだが、道中央部には草が生えている砂利道。ほとんど通行量がないようだ。地上高の低いc63では通らないほうが無難と判断。仕方なく285まで戻って土田牧場直下の釜ケ台で中速コーナーの連続する登り坂の32を通り、土田牧場に向かった。

 同牧場では発電風車が林立しているのだが、あいにくの乳白色の霧と強い雨に遮られ、白主柱の風車はそれに溶け込んでしまい、みえない。しかし、時折、霧が流れ、視界が効くようになると、巨大な風車が道路脇に姿を現す。クルマを止め戸外にでると、回転する風車が巻き起こすゴーゴーという風切音が聞こえる。

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 秋田県は風力発電所の設置に力を入れている。2015年3月末現在、全国に2034基の風力発電があり、秋田(143基)は4位。ちなみに首位は青森である。秋田は海岸線と大潟村に合計1000基を建設しようという、投資額5000億円の遠大というか、野心的というか「風の王国プロジェクト」を推進中である。

 さて、同牧場先で左折し、同312、通称パノラマラインに入った。残念ながらまたしても雨。視界不良。しのつく雨の中、淡々と走り289290を経て金浦で再び国道7に。13時20分。予定よりも時間が早く、日本海東北道の無料区間を通らず、このまま7を北上し、当日の宿泊地土崎に向かう。

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 7は交通量が少なくないものの、信号が少なく、スムーズに流れる。天候は雨、曇り、晴れ間、また雨、曇りと目まぐるしく変わった。7でも秋田市に設置されている発電風車がずっと視界に入る。

 県道240が7に合流してくる先の下浜で左折し、海岸に降りる。地図読みでは約1㌔の砂浜が広がっているが、実際にはその半分もない小さな、小さな砂浜海岸だ。

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 晴れ間が覗き、紺青の日本海から白波が押し寄せていた。ここは海水浴場で5~6軒の海の家があるが、すでにシーズンは終了。トワエモアの唄ではないが「誰もいない海」で、レストハウスはしっかりと戸締まりしていた。はまなすロードなる風車が間近に見える埋め立て地を走っているような海沿いの県道65を経て土崎の宿泊施設に到着。当日の走行を完了した。

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■全行程(GPS):約719km/最高高度(GPS):約1,151m
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