2016年10月9日

山道ドライブ ー奥武蔵、上州、信州ー

 奥武蔵、上州、信州の山道をたどった。本格的な紅葉にはまだ少し間がある状態だったが、林道には落ち葉が積もりだしており、秋の訪れを実感するには十分な雰囲気だった。走行日10月2日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 最初に奥武蔵の林道を二本こなすために中央道八王子ICで降車。4時35分、気温19度。都心よりも3度低い。都道経由で埼玉県道53にでると、有馬ダム入り口先に直角に右に折れる登り坂の道がある。右折地点の目印は赤い軒先テントの張られた商店。これが林道原市場名栗線である。

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 ここは同林道終点にあたるが、標高400㍍程度の仁田山峠に至る道で、終点部には読み取れないほどに文字がかすれた林道標識が立っている。5時53分、気温17度。始点に向かって走り出す。幅員1・5車線。進むにつれ斜度のある登り坂となる。サイクリストのブログによると、傾斜角14度ぐらいあるらしいが、クルマではどうということもない。多少景観の開ける場所は、桜並木があり、春には花が咲き乱れるのかもしれない。路肩に落葉もみられるが、走行に支障はない。ただ、大きい路面段差部には、その直前に段差のあることを示す告知板が設けられいることからみると、そこそこ交通量があるのだろう。

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 上り下りしながら、この林道をたどっていくと、二叉路に行き着き、左「竹寺」、右「子の権現」との示導板が設けられている。右折する。ほどなくすると左に曲がるところに小さなコンクリ古橋の分岐点が出てくる。橋を渡ったところに林道栃屋谷線を示す標識(終点)がちゃんと立てられており、これが子の権現に至る道(1・5~2車線)である。山中の民家が途切れると、林間のなかを走ることになり、待ち受けているのは登り坂の連続タイトヘヤピン。坂はひじょうにきつい。斜度30度近くありそうで、1stギアでないと、登れないほど。しかし、林道距離は短く、15分も走れば、参道に立つ赤ピンク色の2体の仁王と、その奥の赤鳥居が迎えてくれる。子の権現到着である。6時25分という早朝の日曜日。訪問者はおらず境内は静まりかえっていた。子の権現は標高600㍍ちょっと。境内からスカイツリーが望見できるそうだが、当日は曇天に加え、遠くは霧にかすみ、見ることはかなわなかった。子の権現は天台宗の天竜寺のことでご利益は足腰加護。そのために本堂には重量2㌧の金属製のデカいわらじが寺の象徴として鎮座している。

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 次は群馬・長野県道124にある県境のぶどう峠(標高1510㍍)に向かうべく子の権現から下る。これも子の山線という林道で埼玉県道395に突き当たったところに林道標識がある。距離は3㌔。こんどは急坂の下りでヘアピンもでてくるが、栃屋谷林道よりは全体的に幅員が広く、走りやすい。こちらが子の権現への表道なのだろう。395も林道ライクな狭い県道だが、西吾野で国道299に接続して終わる。

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 299を西に向かい志賀坂峠(780㍍)を越えると群馬県に入る。志賀坂峠は名うてのワインディングロードであるものの、アスファルト路面が濡れて黒くみえ、昨晩か未明は雨天だったようだ。バンク角を深くとって走っているバイクが日頃は多いのだが、滑りやすい路面とあって、正常乗車姿勢で走行していた。

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 299のぶどう峠への分岐に到着。8時9分。気温16度。峠に向けて走る。道に沿う集落では道路に降り注いだ落葉を掃除する日にあたっているようで、住民らが落ち葉を片付けていた。上野ダム入り口までは広幅員の快走路だが、その先からは狭いワインディング路になる。1・5車線程度か。ヘヤピンでは路肩からはみ出した落葉が散らばり、パワーをかけるとスリップを止めるために余分な力を抜くトラクションコントロールが作動した。峠の開通記念碑を背にして休憩。一台のランエボが299に向けて走ってきた。時間にもよるが、この山道で対向車とすれ違うのは珍しい。峠を下り長野県道2から小海町で国道141に入り、松原湖方面に向かう。

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 松原湖入り口交差点を右折し、すぐにまた右折する道に入る。豊里、五箇、溝の原という字を経て299と交差する市町村道である。ピーク収穫期を過ぎたキャベツ畑のなかを通る、農道といっていい2車線道だが、道一面泥だらけ。採り入れたキャベツ運搬大型トラクターのタイヤが畑の土を道路までせっせと運び入れてしまい、雨で泥と化すからである。それを除けば、大きくゆるいコーナーを縫うローカル道で、もう少し時季が早ければ、青々とした広大なキャベツ畑のなかを走ることができたはず。

 この道と299との交点(十字路)には千曲バスの大石バス停がある。左折すればNHK八千穂外国放送受信所の鉄塔をみるなどして麦草峠に至る。しかし、この十字路を直進し、カーナビ頼りに美笹別荘地から蓼科スカイラインに抜けられるよう走行した。民家が尽きたところで林道西山線の標識をみつける。示導表にはここまで通ってきた道は大石川支線らしいのだが、はっきりしない。西山林道に乗り入れた。同林道は路面フラットで山の稜線沿いにくねくね通っているような感じだが、周りは樹木に覆われ、視界は開けない。また、この林道はとても長い。時間にして40分はたっぷりかかった。ガードレールはない。路面は落葉だらけ。4箇所だったか、ほかの道と交差するがその都度、同林道を示す標識が出てくるので、迷うことはありえない。

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 佐久リゾートGC(ゴルフ場)の西端をかするところ過ぎると、同林道は鋪装とはいえ、落葉がすごいうえにそれが泥混合物ときているので、クルマは側面といわず後面といわず、跳ね上げた泥が付着し泥まみれ。さほどパワーをかけなくともトラクションコントロールが炸裂しっぱなし。帰路の中央道談合坂で洗車したが、ホイルハウスから細かいカラマツ混じりの泥がどっさり落ちてきた。同林道はアップダウンがきわめて少なく、ダラダラと続くので、変化に乏しく林道走り慣れしたひとは退屈してしまうかもしれない。

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 同林道を走り終えて蓼科スカイラインに。別名大河原林道である。同じ林道でもこちらは大河原峠(2090㍍)までは完璧2車線の快速ワインディング道。雲はあるが晴れ。3速、4000~5000回転でどんどん峠目指して登っていく。道脇には赤い実を付け落葉したナナカマドが。カラマツが茶色に色づいていた。同峠着11時2分、気温17度。ガスが舞っていて峠からの眺望は得られず。

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 峠を下る。これまでよりも道が狭くなる。唐沢林道である。ウインドスクリーンからは赤や黄色に紅・黄葉した対面の山容が望めた。同林道から長野県道40、同192と乗り継いで国道299にでて麦草峠(2127㍍)に向かう。ずっと標高1000㍍超の高原ワインディング路が続くのだ。299は冬季閉鎖区間の路面は相変わらず荒れており、絶え間ない路面凹凸を通過するたびにドスンと突き上げられる。路面さえ良ければ快適なワインディングロードなのだが・・・同峠着12時14分、気温18度。白駒池駐車場はほぼ満車。駐車場管理員が道路に出てクルマを誘導しているおかげでちょっとした渋滞。

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 同峠を下る。同峠までの沿道沿いはまだ紅葉には早いが、下りは気温や日射時間の関係なのか、カラマツはほぼ落葉状態だった。ナナカマドは赤い実を付けているが葉はまだ紅葉したとはいえない。松原湖。湖面には釣り人のボートが浮かんでいたが、白鳥だかをかたどった遊覧用ボートは閑古鳥。松原湖入り口交差点から国道141で中央道須玉ICまでいけば今回のドライブは終了である。野辺山高原の梨の木平に一面キャベツなど高原野菜畑の村道中央に古木が八ヶ岳連峰をバックにポツンと一本立っている。山梨の木だそうで、このあたりの有名物件。樹齢250年以上で、樹高10㍍ほどだが、周囲が平原なのでもっと高く見える。枝の一部が枯れているようで、元気なさそうにみえたが、大丈夫か。星空をバックにしたり、雪原となったりした時季の被写体として絵になる木らしい。

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 須玉IC着。13時50分、気温は28度まで上昇していた。渋滞名所、小仏トンネル手前で少し混んだが、まずは順調に帰京した。

■全行程(GPS):約549km/最高高度(GPS):約2,130m
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