2017年1月9日

師走の西伊豆ドライブ

 2016年の最後のドライブは西伊豆とした。積雪の恐れがなく、ワインディングロードにも恵まれているからである。走行日12月30日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 西伊豆行では修善寺道路の修善寺ICをスタート地点に。ここまでは首都高、東名、小田原厚木道、箱根新道、国道1号、伊豆中央道とたどってきた。東京出発4時24分、気温6度。6時40分修善寺IC着では3度まで降下。しかし、小田原厚木道の平塚PAで零度(5時20分)にまで下がっており、箱根新道通過時もほぼ零度継続したが、達磨山と風早峠(7時20分)などでも零度の当日最低を記録した。

 修善寺ICから静岡県道18(修善寺戸田線)に入り、戸田峠(標高770㍍)から同127(船原西浦高原線、西伊豆スカイライン)にチェンジし、達磨山(982㍍)を目指す。本来なら軽快なワインディングロードの127だが、「路面凍結」の注意喚起ボードがなんども表れ、実際、黒い路面に出くわすたびに、滑りそうな気配がして速度を控えた。標高が上がるにつれ道路際には枯れて白っぽくなったススキや枯れつつあるクマザサが目立つ。

Lutecia

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 達磨山近辺は周囲が開け、景観に優れるのだが、当日は、どんよりとした曇り空で、晴れた日には富士山が望めるポイントにきても、富士を仰ぐことはできなかった。

 土肥峠(574㍍、船原峠、7時22分、1度)から411(西天城高原線)に県道名が変わるものの、より広幅員のワインディング路である。ただ、日影のコーナーには霜が降り路面が白い。霜部分に載ると駆動輪のグリップが失われるようで速度を抑制せざるをえなかった。南無妙峠(669㍍)、風早峠(770㍍)、仁科峠(892㍍)とアップダウンを繰り返しながら相次いで峠を越えていく。風早峠から59(伊東修善寺線)に。仁科峠先から59は幅員を狭める。それまでの2車線幅から徐々に狭まるのではなく、いきなり1・5車線程度に狭くなり、下りだすのである。轍部分のみクリーンだが、それを外れるとスギの枯葉が道路中央部と路肩部に積もり、日頃、たいして交通量はなさそう。

Lutecia

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 右手は仁科川に沿う谷、左手崖の狭い道のなかで、タイトコーナーが連続する箇所もある。こんな状態が最初の集落である大沢里までの区間、仁科峠から30分近く続く。この間の59は険道といっていい。大沢里になると、幅員が拡がるものの、また狭くなったり、広くなったりする。山間部では対向車はいなかったが、大沢里からぼつぼつ出始めた。8時となり、地元民が動き出し始めたのだろう。

 59をそのまま進めば、松崎の手前の仁科で国道136に接続する。しかし、59沿いの一色から宝蔵院なる寺を経由して松崎に降りていく道を選択した。一色で59を左折して入る道だが、入り口にはなんの標識もない。カーナビ頼りに進む。狭い登りの山道で例によってスギ枯葉や折れた小枝が散らばるものの、落石は少なく、路面自体はフラットで走りやすい。植林されたとみられる杉林のなかを通っており、一箇所、正面が伐採された広い右カーブのところで、走ってきた道の一部が一本のスギの高木とともに眺められる。この地点から行き止まりの大昌山林道(ダート)が分岐している。宝蔵院との分岐路にさしかかった。同院に向かうのは林道富貴野山線(全長802㍍)。2車線幅員の平坦な登り坂で距離が短いだけに、あっという間に走り終えてしまう。同院前には展望台(標高550㍍)がしつらえてあり、西伊豆の山を通して太平洋が遠望できた。同院はどうということもない寺だが、周辺はハイキングコースになっている。

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 同林道入り口まで戻り、どんどん下っていく。林道白川富貴野線の終点部に林道名を表記したボードをみつける。両林道の下りは急で2ndに落としても速度上昇が止まないほどであるうえ、タイトコーナーも数カ所出現する。門野という小さな集落でT字路となり、右折して松崎に向かう。ガードレールやカーブミラーも設置されていないなか、右に左にステアリングを切りながら走る細い山道だが、集落にとっては欠かせない生活道路である。しかし、黄色に色づいたミカン畑をみることができるうえ、周囲を山に囲まれた松崎の群集した街並みと港を見下ろしながら国道136に到着。9時40分、気温8度。晴れ間が拡がってきた。

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 松崎市街地を越えて県道121(南伊豆松崎線)に入路し、走雲峡ラインを経て南伊豆町で県道16(下田石廊松崎線)に入る。121の走りどころは蛇石峠である。標高350㍍と決して高い峠ではないが、中速コーナーあり、タイトコーナーありで2ndと3ndを駆使しつつテンポよく走れるところにこの峠越えの醍醐味がある。ただし、幅員は1~1・5車線と狭く、対向車には十分な注意が必要だが、当日は、一台も遭遇しなかった。峠にはとくに特徴もなく、展望台などもない。登り詰めていって、下りだしたとおもったら、そこが峠という感じ。

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 下賀茂温泉先から石廊崎までの走雲峡ラインは山中を抜けて走る町道で、コンクリート鋪装が多い。このため、ロードノイズとコンクリ継ぎ目を乗り越えるときのショックが大きく、ワインディング路ではあるものの、快適とはいいかねた。同ラインの途中に電源開発が経営主導権を持つジェイウインドの風力発電施設がある。塔長80㍍、羽根長40㍍という巨大風車が17基設置され、6年前に営業運転を始めた。残念ながら発電施設内は立ち入り禁止となっているため、同ラインからは全体像を掌握することができず、フォトポイントにはなりえなかった。同ライン脇にフェニックスがみえてくると、16までまもなくとなる。

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 16を弓ヶ浜方面に向けてクルマを流す。この区間は太平洋の望みながら走行するのだが、雰囲気としては千葉県の鴨川、小湊あたりに似ている。弓ヶ浜着11時、気温11度。人影まばら。日差しを浴びて白砂の浜辺に打ち寄せる波。オフシーズンであることを印象づけていた。

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 弓ヶ浜から海岸線に沿って走り、136に合流した後、下田で414で修善寺方面に。天城で旧道をトライする。林間を縫い鋪装、ダート、鋪装、ダートと繰り返し天城峠(638㍍)のトンネル前に着いた。ダート部は砂利敷きでフラットで走りやすいが、散策者がいるので速度は抑え気味にいく。ダート部はトンネルが重要文化財に指定された頃、鋪装を剥がしたそうだ。観光化の一貫である。石積みポータルのトンネルは全長446㍍、鋪装されているが1車線である。ライトを点灯しスロー走行するが、結構、長いトンネルに感じた。国道20号旧道の笹子トンネルにも似た趣きがある。トンネルを抜けると駐車場とトイレが設けられているが、この先は工事にともなう通行止めで1月末日まで不通であった。

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 仕方なく、また戻って414に。湯ヶ島59、次いで12(伊東修善寺線)を経て、修善寺ICへと向かう当日のラストランである。59の入り口には行き先表示はないし、県道番号を示す標識もない。狭い路地の一角を右折し入路。59は山道険道にふさわしくスギ枯葉が轍部以外の路面を埋めていた。2台の大型バイクと出会った。アスファルトの見えている轍部でないと、バイクは安全なブレーキングをしえない。枯葉に載ってしまえば、転倒する恐れがある。13時を回っており、バイクを含めた対向車と出会う可能性が高いと想定し速度を控えめにした。わさび田が拡がるところにきた。

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 大見川およびその支流を覆い段々畑のようにグリーンの葉のわさび畑が・・・田に引き込まれた川の清流の流れる音もする。全国一のわさび生産量を誇る筏場のわさび田であった。修善寺IC着、ドライブ終了。14時4分。気温11度。新東名経由で帰京した。

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■全行程(GPS):約483km/最高高度(GPS):約922m
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