2017年3月12日

春の房総山間路

春の房総半島山間部を訪れた。今年は季節の進み具合が少し早く、河津桜、スイセンといった春を告げる花々は終了し、ソメイヨシノの開花待ちという花の空白期だったが、低山ばかりの地域ゆえ、ゆるく、短い林道は対向車ゼロに等しく、それなりに楽しめた。走行日3月4日。
Lutetia

館山道君津PAのスマートICから下道に入り、まずは鹿野山・マザー牧場に。出発時5度の気温は市原PAで1度(午前5時50分)まで下がり、この日の最低を記録したが、君津PA(6時10分)では2度だった。

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日の出時間を過ぎているが、それはどんよりとした曇り空。君津PAからは鹿野山への行き先を表示する案内標識に従っていけば、同山への千葉県道163に自然誘導される。163は走るにつれ登りの山道ワインディング路らしくなるが、杉林のなかを通る一部区間が1車線相当と狭くなり、時間帯によっては対向車に帯する注意が必要だ。163は鹿野山で同93に合流し、マザー牧場まであと一息。同牧場前到着(6時32分、2度)。牧場前の鹿野山1号林道脇に菜の花が咲いているものの、背丈も低く生彩もない。菜の花ももう終わりのようだが、牧場斜面には黄色の菜の花の群集が遠望された。牧場を過ぎると、下りとなり、速度が乗るものの、狭路が待ち構えているが、牧場開演前で対向車もなく、どんどん降りていく。視界が開けるところがあって、東京湾とたぶん富津の火力発電所であろう、それが望めた。

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93から465県道182(もみじロード)に入る。182は快走路で、秋には沿道沿いに文字通りもみじの紅葉で彩られるが、この日は、散り際のわずかばかりの河津桜が咲いていた。182横根峠で県道34に入路し、佐久間ダムに向かう。7時4分、朝陽を浴びた同ダム着(2度)。スイセンと河津桜で千葉県では知られた観光ダムだが、スイセン、桜とも緑の葉ばかりで、両花のシーズンは終わっていた。代わって湖畔には梅の花が残っていた。

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いつものようにダム湖の売店先の端を渡って県道184に抜け、同88を南下し、三芳村から安房グリーンラインに。途中、88から分岐する伊予ケ岳林道に入ってみたが、鋪装からダートになってまもなく水の溜まった轍掘れが深そうなうえ、路面中央部には雑草が生え、通行量が少ないことをうかがわせ、走行を断念した。同林道は嶺岡林道に抜けられる。88に戻りグリーンラインは内房線と国道128が並行する稲の交差点・踏切を越えると、本格的な山間快走路へと変わる。

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長めの安房白浜トンネルを抜けると、白浜の立ち並んだ民家の屋根越しに濃紺の太平洋が広がっているのが見えるだろう。白浜の海岸際の小さな漁港にクルマを寄せた。8時21分、8度。曇りがちだが、晴れ間も。微風だが、海のうねりは大きい。防波堤に押し寄せた波は垂直に立ち上がり、しぶきを噴き上げながら砕け散っていた。

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さて、再びグリーンラインに戻った。同ラインから分かれている山倉林道を走るためである。グリーンラインから山倉林道への入り口にこれといった目印はないが、十字路を示す小さな標識が立てられており、入路口に同林道標識がある。白浜に向かって北からグリーンラインを走ってくると、この十字路を左折することで、同林道に入れる。

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白浜からたどれば、右折となるが、千倉林道入り口よりも少し北にある。同林道は舗装、ダート、鋪装、ダート、鋪装と道路性状がほぼ等間隔で変化し、千倉に抜けられる。同林道は林間を通っているため展望は効かないが、高低差がほとんどなく、フラット感覚で通り抜けられる。路面には枯葉や小枝が落ちているが、落石は少ない。ただ、鋪装部では道路横断水溝との段差が大きく、速度を落とさないとクルマに盛大にショックが伝わってくる。走行前々日に降雨に見舞われたようで、ダートには結構水たまりができていて、クルマが泥だらけになってしまった。ヤマト佛商千倉斎場なる施設が見えてきたら同林道の終点である。入り口から終点まで20分あれば、同林道を通過できるだろう。

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同林道終点部から市町村道、国道410を通って、410とこれと合流する国道128の東側にある最も海寄りのローズマリー公園などを臨む直線の長い県道297に外房線千歳駅先から入線。下三原で128に乗り継ぎ、天津まで海岸線を走った。途中、江見海岸などに寄るべく1車線生活道路をウロウロする。江見ではサーフィンを楽しむ人達が・・・

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天津では128の旧道から天津林道に入る。神明社(神社)のノボリが立てられれており、同神社目指していけば同林道は見つけやすいはず。同神社脇をかすめて登り坂の林道が延びている。同林道は内浦山県民の森や麻綿原に向かう道だが、傾斜角のある登り坂でほとんど2nd使い。同林道は2車線幅確保され、路面もクリーンで、林道とは思えない。アジサイの観光地麻綿原への道路として利用されるために、日頃から道路整備されているのだろう。麻綿原から同林道を下ると、タイトコーナーが数カ所あった記憶があるものの、登りに遣うとタイトなコーナーという感じはしない。アジサイの季節にはまだ遠く、土曜日の午前11時前という時間帯のためか、対向車には出会わず、10分足らずでコーナーT字路の突き当たりまで走り抜けた。

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このT字路を右に行けば、奥谷林道経由で県民の森に、左に行けば麻綿原に、それぞれ行けるが、今回は左折路を選択し、県道178に出ることにした。178に行き着くまでの区間には狭路短距離屈曲路が存在し、対向車に気を付けていれば、そこそこ楽しめるはず。道路沿いにはアジサイが植えられているのだが、きれいに刈り取られており、昨年よりもずっと路面が見やすく走りやすかった。

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T字路から178直前の筒森展示林まで10分程度である。栗又の滝があるワインディング県道178から国道465で亀山湖に向かう。同国道沿いに川俣押込林道の標識を見つけ、入り込んだ。同湖岸の一部を通り抜けるほぼ1車線の林道だが、湖を垣間見つつ、バス釣り舟もみることができるものの、ゆっくり走行して4分足らず終了してしまう、ごくあっさりとした林道であった。終点部の湖岸脇駐車場にはピンクの花を咲かせた河津桜がまだ咲き誇っていた。当日、見ることができたなかで、いちばん咲いていた桜だ。

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再び465にでて、三島湖を目指す。途中、松岡で410の松岡狭区を通り抜けた。この区間は大型車通行禁止措置がとられており、国道とは幅員の狭いおもえぬひょろひょろとした道。縮尺を拡大したカーナビ画面を注視していないと、この狭区には入れず、久留里に行ってしまうだろう。大型車を通行止めしている理由を理解できる。しかし、ちゃんと沿道には410を表示するおにぎりマークが立てられおり、れきっとした国道である。亀山湖側からはまだ入線しやすいはずで、久留里側からくると、タイトな180度左折するかたちになり、サイズの大きいSUVだと一度に曲がりきれないかもしれない。この道は大坂というT字路交差点でで410、465供用道に入る。

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この供用道は狭区間屈曲下り坂を持っているが、ここまでくると、三島湖はまぢか。三島湖方面を示す標識に従って左折し、三島ダム側を抜ける生活道が続く。石井釣船店前にトンネル。奥米隧道(昭和30年竣工)と表記されているのだろうが、「奥」の字が欠けている。ここから2本の狭いトンネルを通過するのだが、いずれもコンクリート吹きの素掘りで、明るいとはいえないまばらに取り付けられたナトリウムランプが点灯しているが、うす暗い。トンネル先にも民家が点在し、住民がトンネル内を歩いているかもしれず、注意深く走るにこしたことはない。人家が途切れると三間林道の標識が表れ、しばらくすると淵が沢奥米林道の標識もでてくる。高低差のあまりない2林道で、すれ違いも可能の幅員を備えた、右に左に折れ曲がる走りやすいワインディング路である。12時30分頃走行したが、行き会ったのは連なる2台のオフロードバイクのみと交通量は僅少。旧410の封鎖された君島トンネル手前までくると淵が沢奥米林道はおしまい。

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奥米隧道から林道終点まで15、6分の走行時間であった。そのまま道なりに進んでいくと、410の新道にぶつかり、南下して県道34経由で13時20分、(気温14度)館山道鋸南保田ICから帰路に。
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■全行程(GPS):約408km/最高高度(GPS):約304m
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