2017年3月26日

房総15林道、いっき駈け

 距離こそ短いものの、房総には驚くほど多数の林道網が張り巡らされている。そこで、房総中央部から安房グリーンラインにかけて都合15の林道を巡ってきた。走行日3月18日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 最初に向かったのは丹原林道である。ここまでは館山道・姉ヶ崎袖ヶ浦ICで降り、千葉県道24を君津方向に走る。24と交差する国道409を牛久方向に曲がり、袖ヶ浦フォレストレースウエイ前に。同IC着午前5時44分、気温0度と発時(市川、4時40分)よりも6度低い。同林道は409をはさんだフォレストゲート端からはじまる。密生し覆い被さるような竹藪がぽっかりと口を開けており、奥まで道が延びている。これが同林道進入口で、標識も立てられている。竹藪はすぐに終わり、杉林と変わり、畑地、また杉林、竹藪といった具合に道路脇の表情は変化する。幅員4㍍とされるが、枯葉が路端を埋めていたりする林道の常で、1車線のように感じるところもある。たいした高低差がないために、どんどん突き進んでいくと民家が現れる、県道169にさしかかった時点で同林道は終点を迎える。

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 県道とはいえ、この169が林道まがいの狭さ。ほどなくして音信山林道入り口に。5時56分、気温0度。丹原林道入り口からここまで10分足らずであった。音信山林道は適度にアップダウンがあり、路面状態も良好で走りやすいが、途中、山口林道との分岐がある。道なりは山口林道に向かうかたちで、山口林道に入り込んでしまった。山口林道は下りで、ほぼ1車線。少し走ったところで間違いに気付きUターンし、音信山との分岐点まで戻った。この分岐には山口林道の標識があり、これを見落としていたため、入り込んでしまったのだ。それでも6時10分には音信山林道の終点に着いた。気温3度。

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 次は万田野林道入線。路面は少し荒れているが、道の片側が開けている区間では黒い山波と山波の間に白い雲海が漂っているのを見ることができた。6時24分には同林道終点に到着。雲海を眺めるためクルマを停車させたが、同林道走破に要した時間は10分程度であった。

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 同林道終点から県道32、継いで172と周り、いったん月崎駅(小湊鉄道)に。古びた小さな木造の駅舎が佇んでいる。桜の時季になると、その桜花と駅舎の醸し出す景観が絵になるそうだが、まだソメイヨシノの開花には早く、枝をさらした冬枯れに近い状態であった。土曜の早朝(6時30分)とあって駅舎にはまったく人の姿はなく、寒々とした光景であった。

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 駅正面のヤマザキショップ脇に林道表示。月崎3号である。幅員3㍍、大型車通行止めとある。数軒の民家を抜けると林道らしくなる。アップダウンは大きく、路面は落ち葉だらけ。事実上1車線道。素掘りの隧道を抜けると急坂が待ち受ける。ごく短いが小湊鉄道の線路と並行して走る。柿木台で同林道は終わりだが、どこが終点かわからない。時間にしてゆっくり走って8分で林道は終わったようだ。

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 月崎駅方向に戻り、今度は月崎大久保林道に進入する。幅員4㍍。大型車通行止めの表示も。6時53分、気温1度。登り坂から同林道ははじまるが、長いストレートや比較的高低差を持ち、山の稜線を縫って走っているようだ。養老の森(展望台)近くでは山の谷に水蒸気がたちこめ、雲海となっていた。同林道は女ヶ倉林道にぶつかっており、女ヶ倉の支線といわれている。女ヶ倉林道に入り、戸面方向に。女ヶ倉は幅員3・6㍍で戸面方向は下り坂が続き、段差のある箇所も。同林道はそのまま朝生原林道に接続する。接続点は三叉路で、梅ヶ瀬渓谷に向かうダートの加茂林道分岐点でもある。

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 朝生原林道は2車線幅員の生活道路という感じで、林道らしさは薄い。同林道を道なりに進めば、県道81に行き着けるが、そこまでいかずにタイトな右周りコーナーを曲がり、戸面蔵玉林道に。幅員4㍍。夕木公民館から先で幅員が狭まり、そこに林道標識が設けられている。戸面蔵玉はトンネルが6本連続して現れ、5本目と6本目の間に登り坂ではじまる大福山林道の起点標識がある。幅員4㍍。同林道、最初は鋪装路だが、直にダートへと変わり、終盤にまた少しばかり鋪装が復活する。ダート路には多数の水たまりがあり、凹部も多いが、路面を選んで慎重に走れば、一般乗用車の走行でもまったく問題ない。

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 大福山には谷地まるごとの産廃最終処分場が稼働。大型ダンプが作業中であった。同林道は処分場を回り込んでいる区間では、たぶん遮水シートだろう、に覆われた法面を垣間見ることができる。同処分場を運営する民間会社のHPによると、首都圏最大級の規模を持つという。

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 同林道の舗装が復活して展望台のところまでくると、右側に登っていく道が分岐している。これが女ヶ倉林道であるが標識はなく、大福山林道を示す標識のみ立てられている。なおも同林道を進んでいくと、坂畑林道の標識。8時20分、気温5度。同林道は坂畑で国道465に接続する。これに入った。465に着くまで長いダウンヒルが続き、尾根ないしは稜線伝いに降りていくようだ。同林道の幅員は広く、数カ所のきつい段差に注意していれば、裾野まで下がっていける。465,410と乗り継ぎ、今度は酪農の里から嶺岡1号林道に向かう。途中、411の三島湖を渡る橋の両側に枝を伸ばした桜の花が満開であった。ソメイヨシノ開花にはまだ早いのでヒカンザクラであろうか。

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 嶺岡1号は航空自衛隊の愛宕山レーダーサイト裏手に沿いつつ尾根伝いに走り、白石峠に合流し、終わる。同林道入り口には林道告知ボードが掲げられている。88に近いコスモクラッシックCC手前から斜度のある下り坂になるが、この区間は道が荒れていて、結構クルマは揺さぶられるし、大きな段差もある。しかし、この下り区間以外は軽快に走れる。

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 同林道白石峠から道のよい市町村道でいったん県道89に抜け、平久里中で同88に入る。目指すは安房グリーンラインである。88の下滝田では点在する満開の菜の花畑を眺めつつ三芳村から安房グリーンラインに。とりあえずはグリーンラインから分岐する小松寺への道へ。小松寺前を通っているのが、小松林道である。10時16分、気温12度。寺まではクリーンな路面が、寺を過ぎたとたんに、枯葉が落ち放題で、湿ったうす暗い竹林と雑木林間をいくまさに林道然とした1車線道になった。しかし、トンネルを無抜けると、カーブ状T字路となり、同林道は終了。

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 時間にして走行6分と短い。T字路を左折すると、畑2号林道に行くはずだが、右折し作名ダムに向かった。片側が解放空間で明るいが、道そのものは引き続き狭い林道ライク。だが、だんだん降りて行くにしたがって幅員が広がり、山中であるにもかかわらず、おどろくほど多数の民家が立ち並んでいる。カーナビ頼りに農道などをたどり同ダム着。ダム近辺道脇には桜の木や菜の花が見られる。同ダムは上水道用で、堤頂約25㍍、堤頂長145㍍と小型。完成から40年を経過し、ダム駆体は汚れで黒ずんでいた。

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 1車線堤頂部を抜けると、南条林道の標識。迷わず入り込む。枯葉が一面に散る湿潤路面なうえ、周囲に樹木が生い茂るほとんどジャングルのなかを通り抜ける感覚の林道であったが、高低差はほとんどない。どこが林道の終点(起点)なのかわからないが、安房グリーンラインにでて白浜方面に。

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 グリーンラインから千倉林道への分岐を過ぎて左手に分かれていく畑3号林道の標識を見つけ出した。グリーンラインをはさんだこの標識の対向に畑2号林道があるものの、A型バリケード2基で封鎖されていた。畑3号はクランクで同ライン際に回り込み、同ライン側道であるかのように谷に急坂で下っていく。コンクリート路面は落ち葉だらけの1車線幅員。スピードは出せない。グリーンラインの橋脚をくぐったり、大きな切通しやトンネルも備える。まるで険しい山中に入り込んだ雰囲気をかもし出す。10分も走れば、グリーンラインに躍り出た。

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 正面に畑61なる標識をみて同ラインを横断し入線したが、行き着く先は畑集落を通り抜ける千倉林道であった。畑集落から再びグリーンラインで三芳村に戻る。同村でグリーンラインに入る信号のない88との交差十字路を直進、当日最後の林道、奥山仲尾沢線経由で館山道富浦ICに向かう。

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 同林道は大きなアップダウンが特徴で15度、13度、10度などという斜度を示す標識があるほど。三芳村方向から入ると下り坂になるが、幅員は広い。だた、コンクリート鋪装で乗り心地はよくなく、強めの段差も存在する。同林道走行時間は10分程度である。11時56分、富浦IC着(気温15度)で今回の林道巡りは終了である。

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■全行程(GPS):約371km/最高高度(GPS):約342m
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