2017年4月21日

栃木10林道と春爛漫の桜花


  栃木の前日光基幹林道軸にプラスアルファした鋪装林道群を走行した。石やら枯葉やら枝やらが路面に散らばっている林道が多く、雪解け後の春先によくある林道風景を今年も見せていた。わたらせ渓谷鉄道沿いや足利のダム湖周辺は桜満開で花見も兼ねた。走行日4月14日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 足利、佐野、鹿沼、日光各市を経由する山間区間を縫う7つの林道をつないで構成される前日光基幹林道。最初に訪れたのは佐野市の近沢林道である。ここまでは首都高、東北道を経て北関東道佐野田沼ICから栃木県道66,208とたどってきた。東京発が日の出前の午前4時15分(気温11度)。近沢林道(約6㌔)はとりあえず208沿いの根古屋森林公園を目指すと入り口がわかりやすいだろう。同林道着が6時9分と日の出過ぎだったが、気温は零下(マイナス1度)まで下がっていた。林道入り口には同基幹林道を示す案内板も。同林道は杉木立のなかを抜けていくが、路面はクリーンかつフラットできついコーナーもなく、高低差も少なく走りやすいものの、林道の雰囲気はしない。飛駒と作原両町を結ぶ生活道的な趣きである。近沢峠はトンネル(全長456㍍、2003年竣工)で越える。トンネル建設にともなって、その近辺の道路が付け替えられており、旧道のガードレールがみえる。トンネル手前に峠を越える旧道の入り口があるが、チェーンが張られ、通行止めなどの表示はないものの、通り抜けを規制していた。同林道は作原で県道201に接続して終了。6時20分。

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 次は牛の沢出原林道(6㌔)である。201沿いの蓬山ログビレッジ先から分岐する道がそれだが、入り口はわかりづらい。愛宕山(標高544㍍)の南麓を回り込んで201から県道200に抜ける道をカーナビで探すとよいだろう。同林道着6時29分(気温1度)。同林道は路肩と道路中央部には焦げ茶色の落葉が降り積もり、うす暗い杉林のなかを往くため、林道らしさが漂う。登り路面は平坦である。下りになると、送電線鉄塔が立てられた遠い山を望むなど明るい景観区間もある。下りでは路面に落差は小さいが段差があり、その旨、案内板も備えられており、心構えができる。200に合流し、同林道走行終了。6時44分(気温4度)。

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 200を北上すれば、県道15に行き着くが、200は玉雲寺なる寺から先が12㌔の大荷場木浦沢林道となる。同林道入り口までの200は交通量皆無の快走路だが、同林道標識から先になると、幅員がぎゅっと狭まる。7時2分同林道入線(気温2度)。路面には落石、ちぎれた50㌢長の小枝がちらばる、典型的な林道風景であった。路面に落ちているコブシ大の石にタイヤのサイドウオールをカットされないよう石を避けるべくステアリングを操作しつつ、タイトコーナーをクリアしていく。標高が上がるにつれ、常緑樹以外の樹木はまだ葉を付けておらず、隙間だらけの枝だけの冬枯れ状態。氷室山近くで標高が900㍍を越える。15到着。7時30分同林道終了。30分近く林道走行した計算だが、なかなかに走り甲斐のある道であった。

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 15に面する山の神から前日光林道(18㌔)に入るのだが、同林道までのわずかの区間ーゆっくり走って5分ばかりーの逆前三光林道を通る。この林道は前日光林道との分岐から先は山の神林道となるようだ。7時41分(気温8度)、前日光林道へ。同林道は林道とは思えない広幅員センターライン付快走ワインディング路なのだが、日瓢鉱山までは広幅の道ではなく、4㍍幅員道だとおもわれる。路面には小枝が散乱しているうえ、小刻みにコーナーが現れる。同鉱山から先は幅員が広がるが、前日光林道は全線走破せず、途中で右に分岐する横根林道に入路した。

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 8時18分(気温12度)。枝や岩石が適当に路面にちらばっているが、同林道はフラット路面で走りやすい。林間区間もあるが、砂防ダムなどを眺められる視界が開けた区間もある。下りはコーナーがタイトで、しかも連続しており、落ちていくような感じがあり、同林道のハイライト部分といえる。8時34分、同林道終了。荒井川にかかる、かわぐち橋袂に同林道の起点標識が設けられていた。ここで道が二手にわかれているが右折し、寄栗から県道58に抜ける小川沢林道に入る。入り口の開設記念碑によると、同林道は昭和27年に着工し、同33年に竣工したとあり、できてからもう60年を迎えようかという年季の入った林道である。9時3分入線。幅員1車線。路肩や中央部には分厚く落ち葉が堆積しており、中央部の落ち葉の幅はひじょうに広い。ほとんど交通量のないことを示している。周囲が杉林間のなかを走る林道だが、登り、下りとも坂が急なうえ、コーナーもタイトに回り込んでいて、1stを多用して登り下りした。同林道終盤の路面は再鋪装したようで真新しい黒いアスファルトになっていた。地元の軽トラに遭遇。1車線ゆえ、どうしようかと逡巡していたところ、軽トラが100㍍近くバックしてくれ、すれ違えた。9時20分、58に接続し、同林道終了。



 58の石裂神社側から前日光基幹林道のひとつである河原小屋三の宿林道(13㌔)に入り、清滝の国道122に向けて走った。同林道標識は大芦川の白井平橋脇に立てられている。9時23分(気温12度)、同林道に。枝や落石が路面に転がっているものの、コーナーと直線の間隔が適度でテンポよく走れる軽快さがある。ただし、ヘアピンも少なくない。登り、下りともほぼ2nd使い。9時43分、滝ヶ原峠で県道277に接続。

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 277とはなっているが、同基幹林道の和が代線(2㌔強)である。この部分、かつての林道が県道に昇格したのであろう。同峠からは清滝に向かって下っていくのだが、正面に赤薙山、女峰山、帝釈山など2000㍍級の山々の襞に帯状の残雪が眺望でき、山の黒と雪の白のコントラストが青空に映える。

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 122から足尾に向かう。その途中、細尾の峠越えをする狭く、険しい旧道を選択。落石、枝がごろごろとくに登坂路面に散乱している。下り坂はえらく急。峠を日足トンネルで抜けられる前は峠越えしていたわけで、旧道は酷道といっていい。ここを走るとトンネルを開削した理由を納得できる。

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 122から県道250に進路を変え、いつ訪れても静まりかえり、人気のほとんどない、足尾の街を通過し、250の行き止まりである銅親水公園に。巨大な砂防ダムはいつものように轟音を立てて、わたらせ川に注ぎ込んでいたが、標高が高いせいでソメイヨシノは満開とはなっていなかった。しかし、わたらせ渓谷鉄道沿いに大間々方面に下っていくにつれ、沿道から望める桜は満開になっていった。


 草木ダム。11時38分(18度)東運動公園脇からダム堰堤に降りていくと、堰堤下公園の幅一杯まで伸びた複数の桜樹の枝々に白い花が見事に咲き誇り、桜花の山脈のようである。むろん、満開である。

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 次に今や著名スポットとなった神戸駅に。11時50分(22度)。古ぼけた木造駅舎周囲には桜と濃いピンクの花を咲かせたハナモモがコラボで満開であった。ウイークデイにもかかわらずこれらを見ようと、手に手にカメラを携えて集まった観光客が半端ない数。駅前の駐車場には入りきらず、坂道に路上駐車したたくさんのクルマ。交通巡回用軽ミニパトが出動していたほど。神戸駅から線路に沿う県道343につながる道でも一列に並んだハナモモ満開。



 ここでいったん花見を終え、343で国民宿舎(サンレイク草木)脇から県道337に抜ける三境林道に入る。今時の林道の特徴で路面には折れ枝、落石。視界が片側開けているが、望めるのは山また山。同林道は一部路面が荒れていて速度調整を余儀なくされた。12時47分(15度)同林道終了。約20分間の走行であった。

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 同林道終点はT字路で左折は根本山(1199㍍)の登山道となっており、右折で337である。この337,清風園なる旅荘までの区間がほとんど1車線で景観の望めない林間を下っていく。林道といっても十分通用する険道である。同旅荘際に和紙原料となるミツマタのこんもりとした群落に黄色みかかったライムグリーンの花を咲かせていた。
さらに337を下っていき13時10分(21度)桐生川ダムに到着。ダム湖周辺の桜満開。ダム堰堤から県道66となり、これを通って老越路峠(380㍍)へ。同峠をはさんで前後を往復。トレーラーの通行を規制しているだけあって1車線強の狭い峠道で180度近く回り込むヘアピンが用意されている。同峠に戻り、当日、最後の走行林道であり、前日光基幹林道でもある長石(6㌔強)に入る。13時27分(18度)。この林道はほぼ1車線幅でアップダウンはたいしたことないものの、その幅員ゆえ速度は控えめ。また、同林道は林の中を通っていて景観は開けない。13時39分(21度)、松田川ダムに着いて同林道を走り終えた。同ダムも周辺の桜が満開。キャンプ場、BBQ場を併設した公園が整備されており、桜の花の下、家族連れなどが食事中であった。

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 ここで今回の林道走行に花見を兼ねたドライブは事実上終了した。県道218を流し、14時21分(23度)北関東道・足利ICから帰京の途についた。高速道、首都高とも渋滞いっさいなし。

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■全行程(GPS):約415km/最高高度(GPS):約1,188m
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