2017年8月6日

涼感求めて山梨の高地林道へ

  車道日本最高標高地点の大弛峠やクリスタルラインなど1000㍍を越える山梨の峠道を巡回した。当初小雨だったが、同峠からは天候回復。走行日2017年7月29日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 山梨、長野県境にあたる大弛峠に向かう前に菱山深沢林道をトライした。中央道・勝沼ICからぶどう畑が続く山梨県道217に入り、その終点(勝沼町深沢)から勝沼町菱山までの間の山間部を縫う林道である。中央道笹子トンネルを抜けると、天候はそれまでの曇天から雨模様。同林道走破時も弱い小雨交じりであった。同林道は217沿いの最後の民家先からはじまる。全面鋪装の林道ではあるが、前半区間は路面がとくに荒れている。4㍍幅員だと思うが、横、奥行きとも1㍍超路面が剥がれ、深く掘れている箇所をいくつも抜けていかないとならない。

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 林道周囲は樹木が鬱蒼と茂り、うす暗いうえ、落石もところどころ路面に落ちている。宮宕山(1092㍍)を回り込むまでは基本的に登坂で、タイトコーナーもある。同山から先は延々と下っていくが、路面状態は改善し、30分も走れば、道路を塞ぐフェンスゲートにぶつかるはず。野生獣が果樹を食害するのを防ぐためのもので、電柵になっているが、開閉可能で通り抜けはできる。この柵からは波打つコンクリ鋪装がしばらく続き、乗り心地はすこぶる悪い。

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 しかし、果樹園の中を通り抜けていく雰囲気のいい景観となり、遠く塩山の町を望むこともできる。同林道は菱山で塩山フルーツラインにぶつかって終わる。こちら側が起点で、その旨、記した林道標柱が立てられ、昭和21年度竣工とも書かれている。同林道にはガードレール登場前にみられたコンクリ製だか、天然石だかの縁石がカーブに置かれている区間があり、古道であることを示している。

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 フルーツラインを北上し、大弛峠に至る県道219に。219は9年前までは杣口線と呼ばれる林道で、琴平ダム少し先までの約10㌔が総距離。また、219はクリスタルラインの一部でもある。219の路面状態はひじょうによい。フラットかつ路肩部分はきれいに清掃され、ほぼ2車線幅員確保されている。琴平ダム手前7㌔からが中速コーナーが連続するワインディング登坂道で2ndと3rdを使い分けてぐんぐん登っていく。ただ、途中から赤いセンターポールがコーナーごとに出現してしまいアウトインアウト走行ができず、速度を緩めざるを得なくなる。

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 同ダム湖を見下ろせる鳥居峠駐車場到着。6時8分、気温18度。勝沼IC着(4時55分)時よりも4度低い。小雨のなか、ガスが湖底をすっぽりと覆う。湖はまったく見えない。大弛峠への最後の林道、川上牧丘線に。この林道も道路整備が行き届き走りやすく、一箇所だけ膝丈ぐらいありそうな大石が落ちていた。前日夜か、今朝に落下したのだろう。路面は平坦でタイトコーナーは5~6箇所ある程度である。ただ、道路を横切るグレーチング(格子状ふた)をかぶせた水溝がコーナーにかかっているタイトコーナーをインベタで攻めたらこの水溝と路面との段差に跳ね上げられ、タイヤが接地力を失い、クルマが横飛びした。峠に近づくにつれ、雲間から青空が覗くようになり、天候は回復に向かう気配。がっしりとした角材でつくられた景観性ガードレールが現れると、峠は目前である。6時30分、峠着。標高2360㍍。車道としては日本で最も高地点で、15度まで気温は下がり、長袖シャツを着ていても肌寒い。同林道の峠まで14㌔のところに冬季閉鎖ゲートがあり、ここから15分程度で峠まで登り詰めた。

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 金峰山などへの登山シーズンに入っているものの、峠の駐車場にはまだ空きがあった。普通なら午前4時には満車になりそうだが、この週末はあいにく天候不良が伝えられたため、登山者が少なかったのだろう。峠からは引き続き林道が長野側に続いているものの、ダート路面とあって、これを避け、再び来た道を引き返す。峠までの往路では先行車、対向車とも皆無であったが、復路ではミニバンなど4~5台の対向車とすれ違った。

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 幅員4㍍。すれ違いには速度を落とす。柳平まで降り、ここからクリスタルラインの焼山林道(川上牧丘林道、県道206から接続)に。ダム湖南西を通る2車線短距離で焼山峠(1350㍍)まで走る。この峠にはバス停が設けられているほか、周囲の林道を表示した大きな案内板も設けられている。

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 同峠から荒川林道に入る。7時20分、18度。開けた木立の中と乙女高原の草原部を通り抜ける気持ちのよい林道だが、終盤は路面が荒れている。小刻みにコーナーが現れ、路面を横断する水溝のグレーチングと橋の両段差が大きいのだ。時間の経過した鋪装林道ではよくあることではあるが・・同林道から御岳林道の一部と1㌔強しかない池の平林道で木賊峠(1670㍍)に。同峠でクリスタルラインを離脱し、観音峠大野山林道を経て長窪峠(1560㍍)を越えて小森川林道に入った。

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 8時37分、19度。同林道は幅員3・6~4㍍で総延長約11㌔あり、北杜市須玉町で県道23(増富ラジウムライン)に合流して終わる。路面はフラットでコーナーとストレート長のバランスがよくリズムに乗ってドライブできる林道だが、景観は期待できない。同林道は未舗装部を残っているとされるが、現在、完全鋪装路になっている。

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 23到着。9時15分、26度まで気温は上がっていた。ここからは23、茅ケ岳広域農道616と伝って27(昇仙峡ライン)で荒川ダムを目指した。27はホッチ峠(1100㍍)先の敷島CCまでは幅員もたっぷりあり、今の時季なら交通量の少ない快走路といっていい。敷島ゴルフ場を越えると幅員が狭まる。この道幅がかつての27のオリジナルなのだろう。金桜神社に立ち寄った。山中に突然出現する神社だが、社など大きく立派。社の朱の色を塗り替えたようで、数年前に訪れた際にみた塗り替え前のくすんだ朱色の時のほうが侘びとか寂とかを感じさせたように思えた。


 同神社あたりからは結構急なコーナーの連続するダウンヒルを経て112で荒川ダムに。ダム堰堤頂は車両通行止めのうえ、ダム周遊道もゲートがあって一巡りできない状態だった。ダムから高成林道が分岐し、これに入ってみた。鋪装が剥がれ路面状態は悪く、5分も走るとダートだった。ダムを新たに建設しており、この分岐から未鋪装路に変わる。Uターン。ダムまで戻り7で甲斐市吉沢のあたりから茅ケ岳東部広域農道で中央道韮崎ICに向かう。


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 同農道は完全開通しておらず、完成しているが未供用の橋などがあるものの、信号、交通量ともひじょうに少なく、快適道である。11時27分、韮崎IC着、30度まで気温上昇。走行終了。

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■全行程(GPS):約444km/最高高度(GPS):約2,358m
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