2017年8月19日

足尾と奥鬼怒の夏

 栃木県下の林道、屈曲県道などの山間路に出かけた。梅雨の再来かと思える天候の中、雨の降らない束の間のドライブだったが、真夏とあって、とりわけ山間部は濃い緑に彩られていた。走行日8月13日、使用車輌c63。

C63AMG

 東北道・鹿沼ICで降り、26815246と栃木各県道をたどる。246は前日光林道に接続しているが、その手前の入粟野上五月(鹿沼市)のバス転回所から標識の出ている横平林道に入る。

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 6時、気温21度。同林道は幅員4㍍、全長11㌔で、246の西を通る15(上粕尾)に至る。この林道は平坦鋪装路で上五月の入り口から200㍍高度を上げた800㍍台が最高標高地点である。盛夏とあって道脇から雑草が伸び放題伸び、路面の一部まで覆い隠しているほか、樹木の枝が路面まで張りだしており、幅員4㍍とはいうものの、1車線しかないようにみえた。とにかく周囲の緑が濃い。山の稜線を走る区間では片側の視界が開け、朝方まで雨天だったのだろう、気温上昇にともなって蒸発しだし、白い壮大な雲海となって谷間を埋めていた。また、群れをなすほどでないものの、赤とんぼが飛翔し、近づく秋の気配を感じさせる。くねくねとしたコーナーの多い林道だが、タイトなカーブはなく、緩慢に登り降りしているが、最終盤は2ndエンジンブレーキとフットブレーキを使うほど。行き止まりの北村林道との分岐点までくると、横平林道はほぼ終わりである。30分もあれば、横平林道を走破できるはず。

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 15に入線し、ワインディング路の粕尾峠を越えて足尾に向かう。国道122に合流するまでの間の15では赤、ライトブルーなど5台のローバー時代に製造されたミニのツーリンググループの後ろにたまたまついた。クラシックミニは最終モデルでもすでに17年前のクルマ。加えて1000CCか、1300CCなのか排気量まではわからないが、元気いっぱいに全車走り回っていた。ただ、小排気量車の悲しさで登りは加速力が弱く、キビしそう。このうちの一台はキャブを交換しているのか、シフトダウンし、加速する際に、燃焼しきれなかった燃料が青白いスモークとなってマフラーから吐きだしていた。半面、下りは結構速い。ロールが少ないことからローダウンしているらしく、すべてオーバーフェンダーにし、複数がロールケージを組んでいる。

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 122の合流点先の田元交差点で、ミニのグループとはお別れ。彼らは日光方面に行き、こちらは250で足尾の銅親水公園に。同合流点で6時59分、21度。いつきても静まりかえっているやにみえる旧足尾銅山関連の住宅街を抜け、精錬所跡地にそびえ立つ大煙突が視界に入れば、親水公園まではあとわずか。足尾には早春や晩秋に訪れているが、夏に訪問するのは初めて。渡良瀬川のつくった渓谷をはさんだ両側の山々の木々の緑がひじょうに濃いのに驚いた。親水公園着。松木渓谷にむかったのだろうハイカーの車が数台駐車場に置かれていた。

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 公園内のレストランはまだ営業前。Uターンし、わたらせ渓谷鉄道の足尾駅を覗いた後、122に戻り、清滝から国道120でいろは坂を越えて奥鬼怒林道(山王林道)に向かう。盆休暇中のためにいろは坂はクルマが多いし、菖蒲ヶ浜(中禅寺湖湖畔)の駐車場は満車で止める隙間もない。

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いつもの処で
奥鬼怒林道着、8時30分、20度。8時~17時までが通行時間帯の、この林道は長い。全長20㌔におよび、日光と川俣を結ぶ、日光側からは唯一の車道である。まだ落ち葉も路面にたいして落下しておらず、路面は比較的クリーン。トヨタ86が先行していたが、途中からなぜか引き返してきた。山王峠(1739㍍)までは登りで、タイトコーナーが連続する区間がある。峠は開けていない。峠からは下りで、登りよりもこちらのほうがずっと距離が長い。クルマ数台分くらいのごく短いトンネルを抜ける。どんどん下っていく。タイトコーナーも。終盤は路面が荒れており、段差が大きく、ゆっくり走らないとクルマが跳ね上げられる。5~6台の対向車と出会った。時間から考えると、川俣温泉をチェックアウトし、日光方面に抜ける湯治客であろう。同林道は左コーナーの深さが測りにくい。アクセルオン状態で登り区間長い川俣側から日光を目指すほうが走りやすいかもしれない。川俣の噴水橋で県道23に。8時56分、22度。同橋近くの間欠泉はしばらく前から泉口が土砂で埋まっており、展望台は草むしていた。

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 23を川治温泉方面に。広狭おりまぜた23で川俣湖先で瀬戸合トンネルに入らず、その手前から狭い旧道に入る。視界が開けてきた。瀬戸合峡を臨む茶屋駐車場から川俣ダムの堰堤とダム湖の一部、それに発電所がはるか眼下に望め、人道用の吊り橋も。新道は瀬戸合、萱峠、野門の3トンネルで、この区間を軽快に走り抜けてしまうので、この景色を拝観することはかなわない。茶屋は9時少し過ぎにもかかわらず、オープンしていたが、時間が早いのか、客は一人もおらず、主人が手持ちぶさたな様子だった。この旧道はすべて走れない。野門トンネルの直前で23に強制的に復してしまうのだ。つまり瀬戸合峡をみるためだけに旧道を残しているのである。

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 23で川治温泉から国道121県道63へ。樹林の中をいく63はローカルセミワインディング県道で、釈迦岳開拓あたりで3段のヘアピンがでてくるが、コーナー具合がどうなっているのか、わかりずらい道である。東荒川ダムで63を離脱し、県民の森(矢板市)内を抜けて56で八方ヶ原に向かう。県民の森は、この北西にある高原山の天然林を足尾銅山の坑木用に伐採する目的や陸軍の軍馬養成地などを経て昭和49年に現在名となったという歴史を持つ。県民の森内の道路が3車線はゆうにある高低差織りなす好走路。56合流。56はそこそこ交通量があり、ワインディング路だが、それを楽しむことはかなわなかった。

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 学校平の山の駅「たかはら」から池のような小さい八方湖へ。山の駅から八方湖までの区間の一部が最悪路。うねったコンクリ路でクルマが激しく上下動する。短いダートもあるが、これのほうがずっと走りやすい。

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 八方湖から宇都野で県道30に抜けられる沼代シタブ林道を走る。この林道はフラットアスファルト路で、基本的に下りで、樹間のなかを通っている。3年前にも走った林道だが、当時と路面状態は変わっていない。ほぼ4㍍幅員で、多少薄れたが路肩部に引かれた白線もしっかりと残っている。嶽山箒根神社奥の院が林道脇にある。由緒ある神社らしいが、木造社はだいぶくたびれているものの、境内はきれいに雑草が刈り取られていた。神社先からくねくね道となるが、その区間はたいしてない。ガードレールのないところもあり、道路脇には樹木が建ち並び、これが転落防御策代わりか。同林道の終点ははっきりしない。

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 30にでて、今回の走行終了。東北道側道を通り、西那須野塩原ICから帰京。

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■全行程(GPS):約529km/最高高度(GPS):約1,726m
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