2021年12月26日

冬の房総ドライブ

   館山、白浜、鋸南、鴨川、勝浦。大多喜といった順に房総を回った。房総というと花だが、まだ菜の花には速く、スイセンが開花しているに止まった。快走広域農道、林道、屈曲公道もいつものように組み入れている。走行日2021年12月19日、天候晴れ、使用車輌Alpine。

Alpine A110

  富浦IC(午前6時15分、気温1度)で館山道を降り、国道127に。一本目の信号を右折し、館山湾沿いの市道に入り、木造駅舎の那古船形前を通り県道257(南安房公園線)に接続。東に向かっているため、進行方向に斜めの太陽が位置し、逆光を浴びて半端ないまぶしさだが、波打ち際に押し寄せる波は穏やか。凪である。また、レストランなどが建ち並ぶ一部区間には緑の葉を茂らせたフェニックスが植栽されており、館山=南国というイメージを醸し出すのに大きな効果を上げている。

Alpine A110

Alpine A110

 灯台のある州崎を過ぎると、257は太平洋側に回り込む。道の両肩部に置かれたプランターの菜の花は蕾を持っているものの、まだ開花前。例年1月から黄色の花が咲き出す。夏はマリーゴールドに代わるそうだ。花を植えているのは約6㌔の区間という。257は国道410に突き当たり、海沿いのこの道で白浜(7時16分、3度)に。

Alpine A110

Alpine A110

 ここからは安房グリーンライン(広域農道)に入る。市道部分を含め約16㌔のグリーンラインは登り坂にある安房白浜トンネルを抜けると、中・高速コーナー軸にしたワインディングが本格化する。幅員は広く、快走路だが、コーナーの多くに朱色の厚膜滑り止め塗装が施されている。その上を通過する際には、路面と同塗装のわずかな段差によりダッ、ダッ、ダッ・・とタイヤと路面との間で発生する大きな擦過音がする。そのうえ、クルマに微上下振動が加わる。安全対策のため、仕方ない同塗装施工だが、騒音が走行をスポイルする。白浜側から同ラインを走ると下り区間が長い。

Alpine A110

 同ラインは小松寺先で県道と交差するところに信号があり、その先JR踏切を渡るところにもう一箇所信号がある。この踏切信号までがワインディング区間である。同ラインは踏切を渡り直進しているが、市道部分になるとみられ、平坦で長い直線路となる。周囲には田園風景が広がりものの、行き交うクルマは少なくない。同ラインは88(富津館山線)と交差すると終わり。

Alpine A110

 88を横切り延びている。たぶん市道に入るが、最初の左コーナーで、森に登っていく細路が分岐している。入線(7時49分、1度)。88からは1分程度の地点である。この細路入り口には奥山仲尾沢林道の起点標識が置かれている。路面がクリーンなのは最初のうちだけで、すぐに汚れてきた。時節柄、路面両肩に落ちている枯葉が、路面中に散乱し、まだら状に厚く堆積しているのだ。前々日が雨だったはずで、雨水により路肩部から押し流されてきたのだろう。林道ではさして珍しいケースではないが、この林道の場合、すごい量の枯葉であった。

Alpine A110

 また、倒木が多い。まとめて倒れており、一部は道を塞いだために、路面に架かる部分を切断したものの、それ以外は処理せず、倒れかかったままだった。切断年輪を数えられるほどきれい。2年前に南房総に大きな被害をもたらした台風15号による影響だろう。道はクネクネと登ったり、降りたりしており、眺望は効かないが、ヘアピンは一箇所だった。林道後半になって路面はクリーンとなり、民家がでてくると、終わりとなるが、複数の下りタイトコーナーが待ち受ける。終点部にも林道表示板がある。7時59分、4度。10分足らずしか走行していないのだが、林道のあまりの汚れぶりと荒れた風景にゆっくり進んだこともあって、その倍以上の時間をかけたような気がした。

 道なりに進んでいくと「おおつの里」隣接地点で185(犬掛館山線)に。犬掛方面に向かうが、185はおおつの里を越えると、クネクネした1車線ちょっとの山狭路となり、険道ぶりを発揮する。むろん、タイトコーナーやブラインドコーナーも用意されている。茶色に変色した枯葉が路面の至る所に出現したうえ、ウエットな箇所もでてくる。高密度で繁る樹木と相まって、実際にはたいした山間ではないのだが、えらく山深いところ走っているような雰囲気を持ってもいる。最後は周囲が開けた畑間道となり、88に接続するのだが、正面は消防署である。8時19分、2度。

Alpine A110

 88を北上し分岐する258(富山丸山線)に入り、東京湾に面する岩井袋(鋸南町)を目指す。広幅員で快適なローカルロードの258で国道127に。勝山方面に127を走り、カーナビ頼りに左折。岩井袋の入り江の堤防に沿った狭い道を進んでいくと、左にゆるやかに湾曲し、片側は打ち寄せる波が眼下に見え、もう片側は陸地がなだらかに海岸線に落ち込んでいる樹木に覆われた堤防路となる。この堤防路は濃紺の海を隔てて冠雪した富士山が大きく眺望できる。堤防路はやがて海と富士山がコラボが楽しめることをセールスポイントとするアルカディアという別荘地で行き止まる。Uターンし、127に戻る。

Alpine A110


 岩井袋は岩井と勝山の中間に位置する漁港と釣りの名所だが、15号台風で大きな被害を受けた。8割近い住宅の屋根瓦が強風で吹き飛ばされた。今は修復されているものの、東京新聞によると、この2年間に同地区の世帯数は約2割減少(鋸南町全体で約5%減)と大きな落ち込みとなった。高齢者が多く多額の修繕費用をまかなえきれない、などから故郷を去らざるをえなかったようだ。同地区はこれで過疎化が一段と進行している。

 127から89(鴨川富山線)入線(8時49分、7度)、鴨川に向かう。89は右に折れたり、左に折れたり、アップダウンも適度にあるワインディング県道で、一部区間は1・5車線程度まで幅員が狭まる。89では路肩や法面にスイセンが小さな白い花をつけていた。また、沿道沿いに曽呂尋常小学校分教場跡という史跡が保存されている。9時9分、6度。地元出身の代議士で大蔵大臣や通産大臣などを歴任し、城西大学の創立者でもあった故水田三喜男氏が明治の後半から大正の初めにかけて在籍した。しかし、木造校舎はガラスが破れ、床が踏み抜けるなど廃屋そのものの姿をさらしている。突き出た入り口の屋根は斜めにかしいでおり、瓦とともにずり落ちそう。修復しなければいずれ倒壊必至と残念な状態であった。

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Alpine A110

 鴨川着(9時29分、9度)。大多喜に向かうが、国道128を突っ切って旧道を選択。海を望める旅館などの前を抜ければ、鴨川の旧市街地。その狭い道を通り、128に合流。亀田総合病院先で海が間近に見える128のこれも狭い旧道を経て再び新道の128(興津バイパス)に。「ミレーニア勝浦」の看板の置かれた交差点を左折し、台地が海に向かって下がっていく傾斜地を三井不動産が定住可能なリゾート別荘地として造成したのが同勝浦。同勝浦は南カリフォルニアをイメージしてつくられ、人工湖を中心としその横側に分譲地が広がっている。芝生が敷き詰められヤシ並木や塀のない住居敷地など日本離れした景観を持っている。一見の価値はある。

Alpine A110

 同勝浦を通り抜けると、入れる82(天津小湊夷隅線)から177(勝浦上野大多喜線)に進路変更(10時34分、11度)。177は短狭区間もあるが、それを過ぎれば、走りやすい山道。今回は、花生CC手前で右折し、177の東側で並行している、市道らしき道を選んだ。177との分岐地点には右折車線が設けてある。177並行路は最初こそ狭いものの、これを過ぎれば、対向車とすれ違えるだけの幅員となり、開放的な雰囲気となる。集落もでてくるが、信号機のないワインディング路は続く。この道は後半部でいすみ鉄道線路に沿いつつ西畑駅隣接の踏切を渡るや国道465に接続。ここで初めて信号機がでてくる。10時46分、10度。

Alpine A110

 465を左折。177が465と交わる地点と上総中野駅の短い中間地点で右折し、大多喜城GCの西端をかすめていく、たぶん市道入線(10時54分、10度)。この道は短距離だが、起伏のある地形に沿って、くねくねと曲がり込みつつ、急坂があったりして、走るとおもしろいワインディング路のはずで、231(大多喜停車場線)に接続(11時、10度)。国道465,生活道路感のある南総広域農道、148(南総一宮線)とたどり、長南町の外れから圏央道茂原長男ICにアクセス。ドライブ終了(11時34分、11度)。



Alpine A110


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■全行程(GPS):約424km/最高高度(GPS):約184m
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