2023年1月28日

南房総ツーリング

 春には早い房総半島南部に出向いた。君津市の九十九谷では売り物の雲海こそ発生していなかったものの、南房総市鋸南町の水仙郷では、数え切れないほどの水仙がオール満開であった。険道の清澄養老ラインを久しぶりに走った。天津側の新設ループ道が開通しており、短いがこの区間は快適道に生まれ変わっていた。走行日2023年1月22日、使用車輌c63。

C63AMG

 日の出前でまだ暗い君津PAスマートIC(午前6時5分気温0・5度)で館山道を離脱する。妙にぐにゃぐにゃ折れ曲がり無理やり造った感のある同PAへの下り誘導細路から県道163(小櫃佐貫停車場船)、93(久留里鹿野山湊線)で、鹿野山九十九谷(くじゅうくたに)展望公園に向かう。

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 163は適度な屈曲路だが、幅員がだんだん狭くなり、周囲にスギの生い茂る森林登坂路になる。マザー牧場近道の分岐先で道路工事にともなう片側通行となっていた。仮り設置された無人自動交通信号機が、待ち時間2分を告げる赤。青を待つ。このあたりから狭路が始まり屈曲度も増すが、対向車はなく、なんなく通過。93に合流。この道もワインディングロードで、左手の神社前から先に落ちていくような感覚の直角コーナが連発で待ち構えるなど険しい区間もある。

 九十九谷展望公園着(6時30分、0・5度)。雲海の見られる「ちば眺望100選」のひとつである。しかし、雲海は発生しておらず、取り巻く黒い山波の裾まで見渡せた。日の出時刻が近づいており、晴なら明るくなっているのだが薄明かりで曇天気配。

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 93をマザー牧場方面に。営業時間前の同牧場の広い駐車場には、関係者であろう軽トラが一台だけポツン停車していた。牧場前の坂を登り詰めると、長い、長い下り坂となる。視界が開けてくると、幅員2車線となり、田や集落もでてくる。更和交差点(6時49分、零下1・5度)で国道465を左折。押切交差点を直進し182(上畑湊線、7時5分、零下2・5度)に入る。

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 182は通称もみじロード。ざっと1000本のモミジがあるが、この時期はすっかり落葉している。田圃は一面白く、霜が降りていた。同ロード唯一の山中トンネル手前の道はほぼ直線となるよう付け替えられたうえ、幅員も拡幅され格段に走りやすさ向上。

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 同トンネルをくぐって突き当たる34(鴨川保田線、7時16分、零下1度)を右折。ほどなくして左折し、をくづれ水仙郷、佐久間ダムへの道に。沿道土手などに植えられた白い小さな花をつけた水仙が出迎えてくれる。満開。推定6000万球の水仙が植栽されているそうで、そこかしこ水仙だらけ。すべて満開。

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 佐久間ダム着(7時23分、0・5度)。湖岸道に植えられている白梅の一部がたくさんの花を咲かせていた。売店前の道から水仙の咲く坂道を登り、降りして258(富山丸山線)にでて88(富津館山線)に向かう。258は軽度短距離屈曲区間があるが、逆からくるとダウンヒルで、そこそこ楽しめるだろう。

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 88着(7時54分、1度)。館山方面に。三芳村に向かう途中から安房グリーンラインへの導入路だろう道に左折(8時19分、3度)。左折地点に標識はあるものの小さすぎて、初めてのひとは見逃しやすい。グリーンラインは内房線の踏切を越えてからが本番となる。それまでは刈り取った後の稲株が残る田圃の広がる一本道である。

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 グリーンラインは房総屈指のダイナミックワインディングロードで、広幅員で中層コーナーとアップダウンが多い。軽快な広域農道で畑集落までくると、同ラインの3分の2を終了。長めの安房白浜トンネルを抜けると同ラインは終わる。トンネル入り口路側に大規模海底地滑り露呈地があり、駐車場と説明ボードも設けられている。2010年開通の同ライン工事中に発見されたという。

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 トンネルの終わりに近づくと、晴れなら太平洋の青い海が見えるのだが、当日は曇り。鉛色のようであった。同ライン終点のT字路を左に折れ、国道410との交差点を突っ切り、簡易鋪装された間近な海を望む名倉海岸駐車場に乗り入れる(8時42分、5度)。

 海は薙ぎの状態で、雲の合間から差し込んだ朝陽が海面に鋭く反射。眩しい。駐車場にはオープンにしたブルーのPorsche Boxterがただ一台佇んでいた。

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 さて、410に沿う最も海側を通る道路を選び鴨川方面に。千倉の沿道にある漁協跡のうぐいす色の木造建築。塗料がだいぶ剥がれ落ち、地肌の木板面積が拡大していた。文化遺産とか建築遺産とかになりそうな雰囲気の建物だけに惜しい。この海岸道は410に合流したのち、分岐する297(和田丸山線)で、なおも海岸沿いを行き、国道128から186(南三原停車場丸山線、9時41分、6度)に。

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 186は89(鴨川富山線)に至る県道だが、信号機がいっさい置かれていない。また、交通量も少ない、山間のカントリーロードである。道路際にある小向(こむかい)ダムに寄る。9時48分、5度。道路上からダム堰堤(堤高37㍍)やダム湖を見下ろせる。このダムは和田地区などに対する飲料水の貯水源である。3年前の12月にそれまでに目立った降雨がなく。貯水率が3割まで減少、飲料水供給懸念が生じた。千葉県は対策に乗り出し、多数の散水車を動員してダム湖に補給水を注ぎ入れたりした。翌年、1月下旬には貯水率が8割まで回復、対策を完了。ダムに車輌を使って水を運び込むというのは珍しい事態であろう。その後は異常渇水には見舞われておらず、当日もダム湖は水量たっぷりだった。

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 186の布野(南房総市和田町)あたりで右折方面太海との青看がでてくる。9時55分、6度。右に曲がり小橋を渡り道なりに走る。五十蔵(同、ごじゅうくら)を経て上(鴨川市)というところで89に合流する道である。田圃や民家がところどころでてくるが、基本的に地元民が使うカントリーロードである。また、集落内の土手に水仙が咲き誇っていた。89との合流点は上神社前というバス停となっていて、コンクリ製のクルマがくぐれる大きな鳥居が鎮座している。

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 89着(10時9分、4・5度)。この県道と交差する国道128で鴨川へ。比較的スムーズに鴨川市街は流れ、亀田総合病院先でバイパスに乗り入れる。天津出口で81(市原天津小湊線、通称清澄養老ライン)に。10時28分、6・5度。81は主要地方道格にもかかわらず、房総で名だたる険道といっていい。

 そんな具合だが、天津側は改良が進んでいる。2011年9月に開通した天津ループ橋はその象徴的な存在である。進行方向左上方に回り込んでいるのがみえるガードレールこそ、そのループ区間。幅員7・5㍍、全長約700㍍の新道で、路面は朱色と白色をランダムに厚膜塗装した滑り止め加工が施されている。

 ループ橋を過ぎると、従来の道路に接続してしまうが、清澄寺までは走りやすい。問題はその先からだんだんと山深くなり、道行きも怪しくなってくる。四方木(よもぎ、鴨川市)あたりから七里川温泉にかけての道筋がシビアである。すれ違いしにくい狭隘区間と、それほどでもない区間が交互に現れるのだ。5箇所程度すれ違いの難しい区間があるはず。対向車に舞ってもらうか、こちらが待つかして、離合するほかない。実際、対向車が待機してくれて、すれ違えた。確定的なことはいえないが、休日午前中は天津側への下りレジャー客のクルマのほうが、交通量は多そうである。

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 七里川温泉までくれば、幅員は広がり、国道465(81供用区間)までは目と鼻の先。465着10時46分、6度。右折しまた81、次いで32(大多喜君津線)と継いで小湊鉄道月崎駅に。11時31分、4度。赤い屋根と灰色っぽい壁面の小さな駅舎は4年前に開業(1926年)当時近似の姿にリニューアルされた結果、古色蒼然たる雰囲気はまるでない。駅周辺の桜と菜の花が同時に咲くなかを、赤とクリームの2トンカラーの気動車が通過する様を捉えることのできるフォトポインだが、これは3月下旬からの一時期。今は両花とも咲いてはいない。

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 この後、32,国道410経由で圏央道木更津東ICから帰宅の途についた。11時55分、7度。



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■全行程(GPS):約348km/最高高度(GPS):約359m
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