ワケあって菱形ロゴのSmall BASICに乗り換えた。でもって小寒を過ぎた冬晴れの休日、Break-inを兼ね、高低差もワインディングもない茨城県の鹿行を駆けてきた。
コストコンシャスなICE Small BASIC、意識高まる環境問題も加わり厳しくなる排ガス規制、燃費規制そして衝突安全基準。それにドライバー支援機能（ADAS）などなど、アゲンストな環境に阻まれマーケットはシュリンクするばかり。迷うほどの選択肢もなく、早い納期と相まって、Twingoの人になりました。
初めての100Ps満たないAセグメント。
Aセグメントを相棒にするのは初めてだなぁ…。
まてよ！、うん十年前、ジュジアーロデザインの初代ゴルフ1.5Lディーゼルを相棒にしてた。ググるとサイズ的には似たようなモノ。いやぁ、昔のクルマって小さかったんだねぇ。追い越し加速や登り坂は絶望的でしたが、ディーゼルらしくないビートでレブリミットまで気持ちよく回り切るエンジン、BASICカーとは思えない高い操縦安定性、疲れを知らないしっかりしたシートには驚いた。「三つ子の魂百まで」ぢゃないけど、それがヨーロッパ車信仰の礎に。その後、スリーポインテッドの掲げたフィロソフィーを具現化したW124に魅了され、ヨーロッパ車教の僕になったワインディング親爺だったのです。
異端の秘密は出生にある。
三代目Twingoは、メルセデス・ベンツ・グループ、スマートとの協業により二代目smart forfourと共同開発された。そのforfour、ICEモデルは2019年終了しているし、Twingoもフェードアウトするらしい。で、次期モデルは、EV「5」サンクとして復活すると言う。サンク！、Renaltファンには堪えられない響きですが、アナログチックな昭和世代には、ICEが放つ息吹がちょうどよい。
もとい！
EVなら異端ぢゃないけど、ICEのパワートレインとしては異端なRR（正確にはリア・アクスルより前にエンジン載るためミッドシップ？）エンジンはアライアンスを組む日産開発のH4B、日産型式で呼ぶならHR09DETと呼ばれる897cc直列3気筒12バルブ空冷ターボ。トランスミッションはゲトラグ製6速EDC（Efficient Dual Clutch）、A110の電光石火とスムーズな変速を両立したスグレモノ、7速EDCと比べるのは可哀想かもしれない。リアサスはド・ディオンアクスル。操縦安定性だけ考えればRRのメリットはありませんが、BASICカー普及期にはビートルやチンクエチェントのように存在意義があった。2シーターのA110とは違い、バケットシート背後からの息遣いはありませんが、後席空間隔てた背後から響く三気筒ビートは異次元かもしれない。
Twingoを相棒にしたワケは物理的制約。
永い年月にわたりお世話になっている半自走式駐車場、築半世紀を超え老朽化が進行してる。付帯設備は丁寧なメンテナンスで凌いでいますが、駆体の老朽化はなんともしがたく近々廃業との連絡をいただいた。ショック！、近所にたくさんコインパありますが、月極駐車場はみんなマンションに変わってしまった。自宅車庫もありますが、構造上、左ドアからのアクセスを強いられ、軒高の高いイマドキのセンターコンソールぢゃ右側シートへの移動に難儀。C63もノープロブレムですが、冷間始動時の雄叫び（咆哮）デカすぎ、早朝深夜のエンジン始動は迷惑千万。ドライバーズカーA110、タイトなコクピットにセンターコンソール軒高問題があり、足腰弱ったワインディング親爺がアクロバットな体勢で右側シートに移動するのは超絶ムリ！んなワケで、A110がTwingoに代わった次第です。
打てば響くクルマに乗り慣れてた身、すべての操作にブッシュが介在してるフィールは気持ちよくありませんが、Renaultクッションの面影は残ってる。質感と言えばチープなSmall BASICそのものですが、小粋でデザイン行き届いたインテリアと奢ったシートは好みです。
そうそう、交差点と言わず左折に神経を使う時代。矢印信号出る右折なら歩行者やチャリに惑わされず行為を安全に完了できますが、左斜め後方視界の良くないクルマの左折はめっちゃ神経使う。特に歩道の広い交差点は最悪。車道のチャリや車道に近い歩道はドアミラーで確認できますが、斜め後方視界の狭いA110、建物側を歩く歩行者やチャリは目視確認したくともままならない。あらためて、ミラーやモニタに頼らない物理的視野の重要性を再認識した。
Break-in終わったらSmall BASICぢゃ場違いな高低差のあるワインディングを駆けるかもしれません。そのときは、あたたかいココロで見護ってください。
■フォトギャラリーはこちらです。
