「つくばね」という言葉で頭に浮かぶはその昔よく走った筑波周辺のグラベル。都内から50km圏と身近なワインディングだったけど、その当時、常磐道もなく距離の割には遠かった…。
ナトリウム灯のオレンジ色に染まる首都高を抜け交通量少ない常磐道を快調にクルーズ。そうそう、首都高の照明灯っていつのまにか水銀灯からナトリウム灯メインになっちゃったね。ナトリウム灯って演色性悪いけど波長が長いから視認性に優れる。VWの計器照明って一時期ブルーだった。BMWや同じグループAudiのアンバーに対抗したのかもしれない。波長の短いブルーって見ため綺麗だけど視認性悪いので計器には向かないと思ってたら今のVW、メーターは白、スイッチ類はアンバーの照明に変わってる。やっぱりねぇ…。
「つくばね」のたもと土浦北IC、うっすら見える上弦の月に向かってETCゲートをくぐった。まだ時間も早いのでR125沿いのセブンで調達した煎れたて珈琲をすすり、これから走るワインディングに想いを馳せる(笑)。
フルーツライン(K199)朝日トンネルを抜け笠間側からK42、K150経由、風返し峠まで足慣らし。いつのまにやら東の空が明るくなってきた。ひとまず筑波スカイラインでつつじヶ丘駐車場へ行ってみる。誰もいないかと思いきや十数台のクルマがいた。走りにきた感じぢゃないし夜明けまえに何しにきたのか?…。
そろそろ日の出も近いので東の開けたところがないかとスカイラインを下る…。う〜ん、日の出を拝めそうな駐車帯はすでに満タンぢゃないか(>_<)。なんとか隙間を見つけ滑りこみセーフ(^^)。夜明け前のピーンと張りつめた空気、肌に刺さるようだけど刻々と空の色が変化する魅惑のシーン、この時間だけは誰にも譲れない♪。
朝日に輝く霞ヶ浦、牛久観音、かすかにスカイツリー、遠くは富士まで見えるぢゃないか!
さて、幻想的シーンを独り占めしたあとは朝活の定番、思いっきり走るのみ!。表筑波スカイラインは稜線沿いの緩いアップダウンと右に左にリズミカルなコーナーの続く快速ワインディングロード。
しか〜し、迫るガードレールと側溝でエスケープゾーンは無いに等しい。その上、昔も今も走りのメッカ、走り屋さんが快音響かせ対向車線をすっ飛んでくる!。攻めるにはパワーも足りないけどプアなエコタイヤぢゃ絶対的コーナリングパワーが心もとない。都内の荒れた路面を深いストロークでしなやかにやり過ごす脚もS字ゾーンぢゃおつりがくる。それでも世界の規範となるBセグメント優等生、限界付近でもトリッキーな挙動も見せずハードワインディングでもそれなりに愉しめちゃうのが日本製エコカーと違うところ!。
朝日峠駐車場を過ぎこのまま走り過ぎると暴走族避けの激しい段差に邪魔されるので適当なところでUターン。風返し峠まで再度熱いワインディングを満喫。ここで表筑波スカイラインをあとにヘアピン連続するK42を転げるように下りフルーツラインに復帰。
交通量極貧のフルーツライン、これぞ走り放題だけど単調すぎておもしろみに欠ける。左手稜線に2基の風力発電風車を見ながらゆる〜いアップダウンをやり過ごし、善光寺という寺に寄ってみた。立派な楼門があり本堂はさぞ立派だろうと階段を上り訪ねると、それは廃寺だった!。立派な本堂なのに維持できないのだろうか屋根が崩れ朽ち果ててた…。
チョッと複雑な気持ちで廃寺をあとに邪念を振り払うように道祖神峠(どうろくしんとうげ)を駆け上がる。峠でクルマを停めると左に林道発見!。道端でみつけた標識には北筑波稜線林道と表記されてた。地図を確認すると笠間側と石岡側に分かれ二つの林道があるようだがK64に抜けられる確率の高そうな南側を走ってみることに…。
同林道は木漏れ日の杉林を走る1.5車線の典型的な林道でした。突然現れたセキレイ君、超低空飛行で右に左とコーナーをクリアしこっちだよと道案内してくれた(^^)。
標高も低いけど眺望も望めず前進あるのみ。左手が少し開けたところでクルマを停めると、そこは足尾山ハングライダーのランチャーだった。クルマは二次元しか動けないけど飛行体は三次元に動ける別世界、このランチャーから勢いよく羽ばたくのかと思うと見渡す景色も違って見えるね(汗)。リスタート!。ステアリングをハングライダーのコントロールバーに見立てセキレイ君のいない板敷峠をソアリング(笑)。
下りきるとK64に突き当たり北進しR50を東進、石井の交差点を左折してK1から丘陵地を往くハイスピードワインディング、ビーフラインに入路。
こちらも交通量極小、ゆるいアップダウンと高速ブラインドコーナー続くけど楽しむにはパワーがチト足りない(>_<)。K112共用区間に入ると集落を繋ぐ典型的な県道風味に変わりR123で突き当たり。大桂大橋で那珂川を渡りR293を越えR118に合流、辰ノ口橋を右折し久慈川を渡る。グリーンふるさとラインの看板を見掛けるがしばらく走ると、またビーフラインの標識も…。序盤と終盤は路面もフラットで走りやすいけど中盤は国道走ったり県道走ったりごちゃごちゃだね。
ビーフライン終点なのかグリーンふるさとライン途中なのかわからないけど、確認のため路肩に停まってイグニッションオフ!。つぎの目的地を決めるべく地図を広げ思案…。ここから近いのでR349経由グリーンふるさとラインで北茨城へ抜けるのも案ですが、昨年も訪ねたホンダ・コレクションホールに向かうことに。
プランはK29で久慈川を渡りK163、K287、K39、R123そして茂木町からK51でツインリンクもてぎの南ゲートへ繋ぐ。R123を除き三桁県道らしいのどかなカントリーロード、集落は昔ながらの狭窄路、集落を抜けると改修進む完全二車線路の繰り返し。
冬晴れに恵まれた冬枯れのカントリーロード、道端には枯れ葉を片付ける腰の曲がったおばあちゃん、それは毎朝繰り返される日常だと思うけど、喧騒の中で暮らしているとそんな日常さえ非日常に思えてくる。自然と人々の営みを感じながら走れるってカントリーローダーの醍醐味かもしれない。
R123の道路端、錆びきってボロボロの旧車が複数台放置されてた。思わずクルマを停め観察…。よく見れば、Sunbeam RapierやSinger Vogueなど1950年代から1960年代に輝いてたクルマたちだった。
サンビームと言っても知ってるのはタイガーとアルパインぐらい。クルマ好きの熟年クルマ男子とは言えここまで時代をさかのぼると実車を見たことないよ(汗)…。
1年ぶりに訪ねたホンダ・コレクションホール、「時代を先駆けたクルマたち」と名打った企画展を開催してた。
RA300と同じ凝った空冷DDACで武装した77や当時でさえ見掛けること少なかった99が並び懐かしいこと!。
熟年クルマ男子も当時はクルマ大好き少年(笑)。街角でふと流れた曲に耳を傾け、その楽曲が彼女の想い出なら時代を超えシーンが脳裏に浮かぶ。クルマやバイクも同じだね。シンボルカラーの塗色、グリルやドアハンドル見ただけでも見掛けたシーンや背景の街並、当時のトレンドまで鮮明に甦る。懐かしいクルマやバイクたち、何度見ても飽きないなぁ(^^)。
書きたいことはたくさんあるけど、今回の訪問で一番印象に残ったのは動態保存されたクルマやバイクぢゃなくて一枚のフォト!。
それはニュルブルクリンクのパドックをRA271が移動するシーン。コクピットに収まるのは故:中村良夫監督。このシーンってモータスポーツファンならどこかで見た記憶あるハズ…。なんと撮影者は昨年10月他界したカーグラフィック創設者、小林彰太郎氏だったのです!。
どこでもドアでタイムスリップし少年時代の懐かしいひとときを堪能♪。フル回転でオーバーヒートした記憶回路を冷たい外気でクールダウン。
ツインリンクもてぎのゲートをあとに芳賀広域農道、K206、K1、R355と繋ぎ友部ICから北関東道の人になりました。
今回の走行中、モーガンやセブンを見掛けたけど、一番の収穫は首都高で珍しいオレンジ塗色の初代27レビンに出逢えたこと。87レビンやトレノでさえ見掛けなくなった。1970年代のモータースポーツシーンを鮮やかに飾ったTE27。ソレックスの吸気音を響かせ山中を駆け巡る2T-Gの雄叫びが懐かしい。
■全行程(GPS):約412km/最高高度(GPS):約540m
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