2015年3月25日

桜と雪の丹沢・富士・足柄路

 雪道や凍結路を避けられそうな山域ワインディングロードを求めて丹沢と足柄に足を延ばした。厚く低くたれこめた雲に覆われた寒空の丹沢だったが、富士・足柄では青空に変わり、富士山や桜をみることができた。走行日3月15日(日)。使用車両POLO。

Polo

 東名高速、秦野中井ICから今回の最初の目的地であるヤビツ峠(標高761㍍)を経由する神奈川県道70に入る。国道246から70に分かれる名古木交差点から峠まではずっと登り坂が続く。同交差点から約4㌔先の簑毛バス停までの70は道路の両側に間断なくと新しめの戸建て住宅が立ち並ぶ2車線のだらだら坂。住宅街には庭木のピンクやホワイトの梅の花が満開である。日曜日の午前6時台の早朝にもかかわらず意外に交通量がある。ヤビツ峠から大山に登るハイカーなのか、渓流釣りなのか・・・簑毛から先は道路幅がやや狭くなるうえ、勾配もきつくなり山道らしくなる。途中、秦野市の夜景が映えるといわれる展望台に立ち寄る。しかし、ブルーの「アクア」が一台駐車しているだけ。どんよりとした曇り空の下、寒々とした展望台の風景であった。

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 ヤビツ峠到着。駐車場には5~6台が止まっていたが、そのなかには出会った車も混じっており、ハイカーのようだ。気温1・5度。売店も開いていない時間帯。さっさと宮ヶ瀬ダムに向けて峠を下る。

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 下りは登りとは打って変わって狭路の本格的なワインディングロードとなる。直線部分がひじょうに短く、すぐにブラインドコーナーが待ち受ける。スピードアップすると、やたら転舵操作が忙しくなるが、直線とコーナーの距離バランスの悪さからリズムには乗りにくい。凹凸のあるラフ路面がまだかなり残っている部分があり、法面などの改修工事中の箇所も少なくない。国民宿舎先が狭く、1車線幅のところでは運悪く対向車「黒のカローラフィルダー」と遭遇。離合できる場所まで100㍍ほどもバックを強いられた。この路には宮ヶ瀬レイクラインなる愛称をつけられているが、名前ほどには優雅な道程ではない。険道というにふさわしい。

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 峠から17、8㌔も下ると、やっと2車線幅となり、一安心できる。やまびこ大橋交差点で右折し宮ヶ瀬湖の右岸に沿う県道51を経て国道412を左折。スーパーレジンという樹脂加工会社先の信号を右に折れ、宮ヶ瀬湖の左岸をたどる道に入る。町営の北岸林道で、登っていくにつれ宮ヶ瀬ダム(2000年竣工)の堰堤が遠望できる。林道とはいっても2車線の立派な道路で、同ダム周遊道の一部をなしており、鳥居原園地が林道終点(起点?)。同ダムは関東圏では小河内、矢木沢両ダムに次ぐ総貯水量を誇り、当日は満々と水をたたえほぼ満水状態だった。同ダムは着工から29年を経て完成したが、70年代前まではヤビツ峠から宮ヶ瀬に至る道路は2本あったが、現在の道よりも東側にあった道は、ダム湖に沈んだようで、現在は現有の1本しかない。同園地から県道64にでて、青野原で国道413,通称道志みちから山中湖を目指す。

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 413は道志川に沿う国道とはいえ、典型的なローカル感あふれるワインディングロードでライダー向け推奨道のひとつでもある。

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 413は最高標高地点の山伏峠(1100㍍)に近づくにつれ、道路の周囲の風景が冠雪していた。道の両側に広がる樹林の枝や葉は雪をかぶり、さながら銀世界。気温は0・5度とヤビツよりも1度低下した。銀世界のなかアスファルト道路は黒々と帯のように続く。融雪剤を散布したアスファルト路面に特有の色彩である。凍結してはいないだろうが、コーナーや坂では慎重なアクセルワークとなった。

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 ヤビツでの登り坂の住宅街では梅の花が咲き、春を告げているものの、ここではいっきに冬に逆戻りである。前日、東京地方では降雨だったが、1000㍍標高のこちらでは雪で、それまでの残雪にさらに積雪した感じ。山伏峠はあっけなくトンネルで越える。トンネルを抜けても雪は残っているが、峠手前ほどの降雪量ではなかったようで、まばらな冠雪景色だった。

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 山中湖からは山梨県道730、147で静岡県駿東郡小山町に向かう。730には三国峠(1170㍍)、147には明神峠(900㍍)のふたつの峠をそれぞれ越える。730は分岐する413交差点から三国峠までの間は登り坂で、途中で5頭の鹿が道路を横断しようと様子をうかがっているのを発見。鹿注意の標識があるほどで頻繁に鹿に遭遇する可能性のあることを示している。高度を上げていくにつれ、周囲は再び雪景色となった。

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 三国峠までの間には富士山と山中湖を眺望できるビューポイント、パノラマ台があり、カメラ好きにはよく知られている。当日もカメラを向けるひとがいたが、富士山には雲がかかり全山容を捉えるにはむかず、シャッターチャンスには恵まれなかったはず。明神峠は三国峠比270㍍高度が低く、どんどん下り坂を降りていき、それと気付かないうちに通過してしまうだろう。しかし、斜度18度の急坂もあるものの、全体的に道幅も広く、軽快に走れる山道だ。

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 三国峠を越えると、一転して天候が変わり陽が差し出している。小山町で富士スピードウエイに寄る。9時過ぎの朝にもかかわらず爆音が聞こえる。当日はJAF公認レースは開かれておらず、正面ゲートはクローズドされていたが、東ゲートから入場(入場料1人1000円)できた。


 富士の麓にあるレース場だけに駐車場からは3合目くらいまで雪をかぶった富士山が青空をバックにくっきりとみえる。サーキットではブレーキ用品のアフターパーツメーカー「ENDLESS」がサーキットミーティングなる走行会を開催。

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 場外から聞こえた爆音はこれによるものだった。86、インプレッサSTIの参加台数が多いが、なかにはクラウンやビート、ミゼットといった変わり種も走行している。ドリフトコースに移動。シルビア、マークⅡ、旧86などが派手に白いタイヤスモークをあげながらドリフト練習していた。


 サーキットから再び147に戻り静岡県道365で足柄峠(736㍍)に向けて走る。対向車とすれ違いはできるが決して広くはない365はぐいぐい高度を上げていくワインディングロードで、通称「金太郎富士見ライン」と名付けられるだけあって富士山のパノラマ眺望に優れている。

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 駐車場のある「誓いの丘」あたりが富士見のポイントだろう。当日は富士の頂上付近には白い雲に覆われてしまっていて、全容を望むことはできなかった。足柄峠直前で365は静岡県道78と合流。

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 苅野で78から別れ小田原南足柄広域農道へと進路を変える。一般にどこの広域農道もしっかりと2車線を確保、へたな2ケタ県道顔負けの走りやすい道だが、木立のなかをいくアップダウンのある同農道もこれにもれず、78よりも快適である。桜の花が咲き乱れているロケーションに出会い停車。

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 気温13度。長泉院(曹洞宗)の陽光に恵まれた参道に河津桜であろう早咲きの桜が満開であった。同農道からグーグルマップ頼りに小田原厚木道路の荻窪ICに向かい、今回の走行を終了した。

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■全行程(GPS):約330km/最高高度(GPS):約1,164m
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