2017年6月8日

新緑萌える八溝山

 八溝山など北茨城の農・険道をドライブした。土曜の早・午前中の走行とあって、交通量は僅少なうえ、北に向かうほど新緑の緑に彩られていた。走行日5月27日、使用車輌Lutecia。

Lutecia

 北茨城のワインディング路で外せないのは広域農道である。まずはグリーンラインふるさとを走るため、水戸ICのひとつ先の那珂ICで常磐道を降り、国道349に入る。小雨降る那珂IC着午前6時、気温15度。349町屋町(常陸太田市)で分岐するグリーンラインへ。同ラインは常陸太田、日立、高萩の3市を縦断し、国道461の花貫渓谷に行き着く山間農道である。路面はフラットで幅員もたっぷり。新緑を過ぎ、濃緑となった森のなかを抜けていく。アップダウンが大きく、速度を増すと昇降時に加減速Gを感じるかもしれない。おまけにカーブも多発するが、広幅員ゆえに景気よく走れる快走路だ。ただ、田代畜産団地付近から花貫渓谷までの数㌔は急降下路でアクセルを離していてもどんどんスピードがでてしまう。同ラインは県道36,続いて60と交差するが、60までの区間はそこそこ交通量があった。ざっと20分でグリーンラインを走り終えた。

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 461を西進しふたつのトンネルくぐった先で分岐し、県道153まで続く萩ロード(多賀広域農道)に入る。幅員は広く登坂部、降坂部とに萩ロードは大別できるが、153に近接し、ショートコーナーの多い降坂部の路面状態がとくに悪い。うねる路面はつぎはぎ補修され凹凸が多い。クルマは絶えず路面からのショックを受けて振動し続ける。平坦路面のグリーンラインとは好対照の萩ロード。秋になると、萩の花が咲く区間があるそうで、そこから萩ロードという愛称が付けられているものの、この路面の荒れは興ざめである。萩ロードは交通量が少なく、利用価値から考えて、全面的に改修される可能性は大きくないだろう。萩ロードはグリーンラインに比べ、三分の二程度の距離だが、走り終えるのに25分かかっており、その要因は路面の悪さに尽きる。

Lutecia

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 153沿道沿いの水沼ダムを通過して27に。27は最初こそ2車線幅員あるが、花園渓谷沿いはほぼ1車線と狭い。しかし、頭上まで薄緑色の新緑に覆われた樹間のなかを気分よく走れる。7時42分、花園神社前通過。気温12度と低く、新緑が残っている由縁だ。27はヘアピン登坂部もあり、なかなかの険道ぶり。関本町小川(北茨木市)の集落までくると、幅員は少し広がる。国道349と27供用道を経て、引き続き27を継続走行。供用道からさきの27は片側1車線づつのローカル県道となり、田園風景の広がる軽快走行区間もある。

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 27は国道118に接続するが、118を横断し県道230、196とたどって、八溝山(標高1022㍍)に向かう28に抜ける。196の真名畑トンネル旧道はゲート封鎖され、関係者でなければ、もはや峠越えすることはできない。また、196には1車線の狭路区間が短いものの、存在する。茨城県久慈郡大子町茶味内のあたりで、地名からわかる通り、沿道斜面は小さな茶畑が点在する。


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 28から分岐する八溝山に登る248に。248は不通区間を抱えていたが、3年ほど前にこれが解消され、八溝山まで行き着けるようになった。かつての不通部分は傾斜が急でタイトコーナーが多い。また、沢水を谷に落とすために懸けられたクルマ数台分ほどの小橋は直角クランクで渡るが、幅員も1車線しかなく、橋に取り付けられた環境色に塗られたガードレールが目前に迫ってくる感じがする。この先に180度転回する登りヘアピンが待ち受ける。3年前の同時期に不通区間を通った。その時に落石ネット一杯に岩石を抱え込んだ箇所は現在、法面に雑草が生い茂ったためか、ネットすら見つけられなかった。珍しく3~4台の対向車と出会った。

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 山頂着。9時50分、気温10度。28と248との分岐点比3度低下。分岐点から15分で着いた。248で登るにつれ、乳白色のガスが漂っていたが、山頂は小雨混じりの霧一色。山頂に設けられた城郭風展望台からはなにも見えず。出会った対向車は、山頂まできたものの、視界不良で早々と下山したものだろう。

 山頂を後にする。ここからは下りの、やや荒れた路面の、たぶん248を経由し、一本の高木の生えたロータリーにでる。ここから福島県道377がはじまっており、これを下っていく。3年前は工事通行止めだった県道である。377は久慈川源流域に沿っており、棚倉町(福島県東白川郡)で福島・栃木県道60に合流する。

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 377は入路してまもなく1車線といっていい幅員に変化し、大岩平(棚倉)までの間、ずっと狭い。しかし、コーナーは基本的にゆるやかで、路面もフラット。対向車にーめったに遭遇しないはずでー気を付けていれば、好雰囲気道である。頭上まで達した樹木の新緑の回廊を抜けていくからで、ガードレールさえ設けられていない自然美さながらの区間さえある。ダート区間(約5分間走行)が出現するが、適度な雨で路面が締まり、砂埃が立たず、平坦な路面と相まって苦もなく走れた。377の起源は久慈川林道で、最初は林用軌道として出発したとされる。軌道を気動車が走ったのか、牛馬利用なのか、定かではないが、コーナーがゆるやかなのは、この軌道のなごりである。

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 今は廃村になってしまったが、林業集落の中ノ沢には棚倉町立高野小学校久慈川分校(昭和40年閉校)が設けられていたという。377をどんどん下っていくと、途中に伐採材集積場が沿道脇にある。これが昔からの刈り取った木材を集めるスペースだったのだろう。大岩平まで下ってくると、道は広がる。

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 60到着、11時3分、気温13度。八溝山山頂からおよそ50分ばかりの道のりだった。60からは適当に走り、12時9分、東北道那須ICから帰京した。東北道、首都高とも渋滞なし。

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■全行程(GPS):約503km/最高高度(GPS):約1,018m
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