2019年3月16日

春近い弥生の伊豆

 ドタミテ(スタッドレス)を脱ぎ捨てた週末、関東では春一番を観測した。スニーカーで軽やかになった足元、その履き心地を確認慣熟しようと、軽い鼻先を伊豆に向け真っ暗な東名に乗り継いだ。

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 フォン、クォーン、お化粧し直し純白のドレス眩しい富士に映えるはLEXUS LFA。その咆哮はサウンドという範疇を超えココロ揺さぶるミュージック。相棒のデイライトに反応したのかペースアップしてくれた。YAMAHAが大きく関与し開発された精緻な4.8LのV10エンジン、ターン過ぎるたび三本の排気管から金管楽器を奏でワインディング親爺のヤル気スイッチと琴線に触れるぢゃないか。その陶酔しちゃいそうなエキゾーストノート独奏会も十国峠で奏者が退きカーテンコールの甲斐なくピリオド。あくまで個人的感想ですが、1LR-GUE型エンジンって世界に誇れる金管楽器だと思う。

LFA

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 もとい!、小田厚からR135に乗り継ぐと相模湾の水平線が茜色に染まり新しい相棒の来訪を快く向かい入れてくれた。同道は名だたる観光地を繋ぐ大動脈。夜明けの時間帯とは思えぬ交通量のまま真鶴道路、熱海ビーチライン(熱海海岸自動車道)を繋ぎ、取られ放題の料金所をバックミラーに追いやると熱海の温泉街がウインドスクリーンいっぱい広がる。河津もしくは下田まで東伊豆を南下するつもりでしたが、串刺し団子に嫌気さし急遽作戦会議を招集した。

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 でもって、熱海新道をつたい西伊豆へトラバースすることにした。その熱海新道、ご当地が宴会たけなわで活況だったころに走ったきり。激坂だったような記憶しか残ってない。懐かしいニューアカオ過ぎると、かって有料道路だったヒルクライム始まります。スニーカーに履き替えた最初のくねくね道、手のひらに伝わる接地感、お尻に伝わるトラクション確認しながら慎重に玄岳料金所を目指した。しょっぱなこそ激坂の記憶どおりでしたが、そこを過ぎると広くはありませんが普通の山道だった。熱海街道の源氏を持つK11がオモテ熱海ならこっちはウラ熱海でしょうか。

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 玄岳ICで伊豆スカイラインに乗り換え、向かったのはそのオモテ熱海(^^)
 東名厚木から数え7個目、熱海峠料金所で上納済ませ、熱海街道の源氏を持つK11に入線した。いつもなら狭くスリリングな旧道往きますが、今日は新道の熱函道路をダウンヒルしてみます。同道もかっての有料道路ですから今ぢゃ考えられない。オモテ熱海走るのもウン十年ぶり、エエッ!、笹尻まで思いのほかスリリングだったのには驚いた。それを過ぎると熱函道路になり鷹ノ巣山トンネルを抜け函南を繋ぎます。

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 伊豆中央道で8個目の料金所をバックミラーに追いやり長岡ICでK30、内浦湾で伊豆の首根っこトラバースを完了し、走り慣れたK17に乗り継いだ。チョイと路面悪いのが玉に瑕とは言え、葉っぱの多くなった河津桜を横目で愛でながら富士の見え隠れする海岸線走るのは大変気分よろしゅうございます。大瀬崎に相棒を紹介したころは雲の多い霊峰でしたが、煌きの丘に立ち寄るころにはドレスが眩しかった。

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 港にダイブするかのような坂を降りれば戸田の街。その昔は今で言う険道のごとく狭い海岸線が往き、それを過ぎると獣道のような山道だった。今ぢゃ改良進み里海、里山ワインディングを愉しめるようになった。でもって、いつものフォトポイントに相棒を紹介し戸田三差路を後にした。

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 乗り換えたK18、戸田大川の流れを離れるとワインディング親爺的に好きな峠道に変わる。それは戸田峠に向かうショート&ミドルターン連なるヒルクライムです。少しばかりAペダルを踏み増し相棒のポテンシャルを探った。鼻先軽くヨーコントロールがシビア、ノーズヘビーなもう一人の相棒に慣れ親しんだ身にはしっくりしない。幽体分離した感覚が拭えないまま峠の駐車場に滑り込んだ。

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 続いてAペダルをより踏み増したのは西伊豆スカイライン。稜線に沿う同道なら斜度に影響されにくいヨーコントロールを実践できるハズ。そう言たって幽体分離した脳みそぢゃ無理だって(笑) 下界ぢゃ晴れ渡っていたのに標高1,000m近い山の上、海風に雲が湧きあがりお天道さまを隠す。体感温度は氷点下、いつものフォトポイントも陽がなくダメぢゃないか。

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 納得いかぬまま船原峠に仁王立ち。
 気分を変えR136の旧道を織り交ぜ土肥金山へダウンヒル。国道の旧道ゆえ幅員狭くもなくターン密度も好ましいのですが…、地雷踏んだ苦い経験が脳みそよぎり、ちっちゃな落石見つけるたびBペダル踏んでペースダウン、なんだかなぁ。そうそう、新道合流後ほんの少しだけ残ってた未改良区も鋭意工事中、1月に開通した天城北道路(伊豆縦貫道を構成する区間名)と併せ西伊豆のアクセスが一段と良くなる。うれしいのか悲しいのか微妙だね。金山からは観光来訪者になりすましR136を南下。その沿道、路肩の緑が目につくようになり早咲きの桜やモクレンも咲いてた。

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 燃料心許なくなってきたので宇久須で給油。
 ついでぢゃないけど、ここのところ暖簾の掛かってない三共食堂について聞いたら、お店を閉めちゃったそうです。旨かった小鯵寿司、もう食せないと思うと悔しいなぁ。

 松崎まで南下したいのですが、東伊豆経由したので遅くなってしまった。やむなく相棒の鼻先を東に向け西天城高原に向かった。宇久須川を離れたK411はハードでタフな峠道。特に終盤手前のタイトターン群はヒルクライマーを一蹴するかのごとくトラクション奪います(>_<) でもって牧場付近から一転視界広がり、K59K411と繋げば西伊豆のワインディングを存分に愉しんだ気分になれちゃいます。

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 朝は南進した西伊豆スカイラインを北進し戸田峠にドン突いた。修善寺へ向かう対向車線、ボクスターやエリーゼたちが登ってくる。きっと西伊豆を愉しむんだろうね。途中で視界を遮られ、あとについて往くと速いビックバイクたちが迫ってきた。すかさず左ウインカーで道を譲ると視界を遮ってた先導車も道を譲った。エンデューロたちに続き、併せて露払いもお願いした。ターンはともかくめっちゃ速い脱出加速についてくのがタイヘン。見通し優れるストレート、なにを思ったか先導バイクが急ブレーキ!、彼らはバイパス行かず本来のK18に折れたのです。おっ!、お主たちヤルぢゃないか。同道は幅員狭く一般車の走らないカントリーロード。彼らのペースにハマりヤル気スイッチ疼くぢゃないか。で、存分に愉しませていただき、集落が多くなる手前で遠慮し隊列を離脱した。いやぁ、思わぬところでお愉しみがありました(^^)

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 のんびり修善寺温泉街を抜け修善寺ICから修善寺道路、大仁中央から宇佐美大仁道路(K19)と繋ぎ亀石峠に向かった。しか〜し、週末にも関わらず鋭意若返り工事中。ところどころで実施されてる片側通行にくわえ交通量多く愉しくない。進路変更!、田野原でK80に乗り換え山伏峠に向かうことにした。ちなみに宇佐美大仁道路もかっての有料道路、1983年に無料開放され1994年に県道指定されました。

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 西伊豆スカイラインと大違いの青空、早朝に比べ256倍コントラスト高くなった富士とLFAミュージックに浸ってると、覚醒から覚める熱海峠料金所、LFAに続き9度目の上納済ませK20に乗り継いだ。

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 LFAコンサートの終わった十国峠以降、クルマも増え串刺しのまま北進。アネスト岩田ターンパイクとネームライツを変えた箱根伊豆連絡線を繋ぎ大観山のお立ち台で相棒とフォトセッション。吹き抜ける風は冷たいけど、北風と太陽に習い厚手のパーカーを脱ぎ捨て日陰に雪残る駐車場を後に快走ダウンヒル区間に乗り入れた。そう言われてもワインディング親爺ぢゃココを愉しむ技量も度胸ない。フォトポイントでお茶を濁し、11度目の上納を終え小田原西ICから小田厚の人になりました。

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■全行程(GPS):約442km/最高高度(GPS):約995m
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