2019年7月21日

Cruise:東北/栗駒周遊

 2日目は山形、秋田、岩手、宮城の4県にまたがる山岳路を中心に走行した。大規模林道の一部、湯ったりロード、栗駒道、栗駒焼石ほっとライン、いわかがみ平、花立峠などである。いずれもクルマの流れはよく、空いていた。

C63AMG

 酒田の宿泊地を午前5時(20度)に出発し、昨日、走行した国道344を東に向かう。ふるさと伝承館(真室川町)を過ぎた西川(同)で344を外れて南進し、終端部近くの県道377に接続する山道に入る。344との分岐にはこの道の名前も行く先も示す標識はない。しかし、この道が真室川小国大規模林道の真室川区間の一部であろうと見当をつけた。344西川の1㌔先の滝の上に同国道から分かれ、県道322に接続する道が真室川区間であることは判明しているが、全長が5㌔程度しかない。真室川区間は24・6㌔とされており、これにはとうてい足りず、これから走る西川からの南進道が344経由で滝の上からの林道につながっていると考えたからである。

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 南進道入路(5時47分、17・5度)。スギとみられる樹林のなかをたっぷり2車線幅ある道路が続き、地形に沿って登り降りするアップダウンがあったり、緩いコーナーであったりする。真室川区間の幅員は5~7㍍である。十分にこの規格に合致した道。人家稀の山中に広幅員の大規模林道を建設した、かつて存在した緑資源公団の林道造りに共通のものを感じる。377着(5時57分、15度)。滝の上からの真室川区間に入るべく、ここでUターンし、来た道を戻りつつ、途中で分岐する砂子沢で344に接続する、たぶん町道を選んだ。この道には344に近づくにつれ、人家がでてきた。

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 344をわずかばかり北上し滝の上に。344との分岐際にバス停沼田とあるのが、真室川区間への目印である。入線(6時21分、20度)。最初は幅員が狭く、大沢川を渡河する橋の先から幅員が広がり、ここからが林道だと判断できる。急坂を駆け上ると今度は急坂の下りが待ち受ける。周囲は森。民家や水田が現れるが、また森の中を抜け、322に接続(6時28分、19度)。この区間と先に走った南進道を合算して、おおざっぱにいって15㌔強。真室川区間にはまだ9キロ程度不足するが、今回の探索はここまでとした。真室川小国大規模林道は真室川区間のほかに大江朝日(9・1㌔)、朝日小国(17・6㌔)の両区間がある。前2者は見つけやすいが、真室川区間はどういうルートをたどっているのか、これといった標識もなくわかりにくい。

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 322(砂子沢小又釜淵線)、45(真室川鮭川線)のガラ空き県道、国道13と走る。13の雄勝トンネルを抜けると秋田県である。13から国道108(鬼首街道)に入り、秋田県道310(秋ノ宮子安温泉線)入線(7時15分、15度)。310はこまち湯ったりロードなる愛称がつけられているが、ゆったりどころか、勾配10%など登りにタイトコーナーの多い、結構なワインディング路である。幅員も広いとはいえないが、乗用車ならすれ違い可能。下りに入ると、噴気が立ち上っているのが見えだし、周囲の景色が一変する。これまでの緑の山ばかりだったが、いきなり草木も生えない荒涼感あふれる灰色の世界に変わるのだ。日本3大霊場のひとつ、川原毛地獄である。ところどころ硫黄が地表に析出した箇所は黄色。溶結凝灰岩にケイ素が浸み込んだことで灰色の地表になっているのだそうだ。標高800㍍。硫化水素ガスだろうか、特有の臭気が風に乗って流れている。道路左脇から灰色に染まり、江戸時代から1966年までは硫黄鉱山があった。川原毛地獄には51(湯沢栗駒線)から湯沢市道経由でも行かれ、道沿いに温泉滝などがあることもあって、こちらのほうがメインロードかもしれない。また、この地では東北電力が地熱発電所を運営し、事前申し込みで見学もできる。

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 さて、湯宿のある泥湯前を通り310を下り、51、国道398を経て秋田県道282(仁郷大湯線、通称栗駒道)に。8時27分、17・5度。1974年に有料道として開通し、1996年に無料化された、282はセンターライン付きのワインディング高原路だが、コーナーも大きく走りやすい。栗駒山荘直下から直線的に国道342に入るが、この合流点近くから岩手県となる。342(8時39分、17度)を一関方面に走るが、下りは1・5車線程度まで狭まる屈曲路となり、その後も冬季閉鎖ゲートまでの区間は広狭取り混ぜた道のりである。

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 祭事(一関市)で342から分岐し、奥州湖(胆沢ダム湖)で国道397に接続する、栗駒焼石ほっとラインに入る。分岐にはさりげなく案内標識が置かれている。9時10分、19度。センターライン付きの2車線広幅員なうえ、ロングストレート、大きく回り込むコーナーやゆるやかなアップダウンの連続などで構成された快速山岳路である。一関側から進んでいくと、奥州側の下りは視界が広がり、爽快な雰囲気のなかを走る。この道路は2015年9月に開通した市道で、奥州市道谷子沢南前川山・一関市道鬼頭明通といい、全長約15㌔。栗駒地域の周遊道として地元自治体が観光道として活用しよう取り組んでおり、今年6月には自転車ロードレースのコースに組み込んだ。15分もあれば、この市道は走り抜けできそう。

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 同市道から国道397に到着し、胆沢ダムでダムカードをもらった後、栗駒山(1626㍍)の宮城県側の登山口である、いわかがみ平に向かう。397から正確にはトレースできなかったが、胆沢とこれに連走する西磐井両広域農道を南下し国道457、宮城県道42(築館栗駒公園線)に。42はいわかがみ平の駐車場で行き止まりのピストン県道で、行者滝まではセンターライン付きだが、これを過ぎると、山道らしくなる。1・5車線幅員の区間もあるが、概ね2車線あり、長い直線路もでてくる。3つ目の透光性スノーシェッドを抜けると、空が広がる。駐車場近くでややタイトなコーナーがあるものの、2車線あり、走りやすい。レストハウス付帯の駐車場は100台収容と大きい。この道のシーズンは紅葉時期で、この期間しか公共バスは運行されていない。駐車場着(10時53分、16度)。標高1113㍍である。


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 このピストン県道を戻る途中の世界谷地(ニッコウキスゲ群落の原生花園)の案内板に沿って山道に入り込む。谷地にはいかないが、この道はダム湖を見下ろしながらそれに向かっていく区間の幅員は広い。荒砥沢ダム着(11時35分、22度)。ここからは宮城県道179(文字上尾松線)、180(文字下細倉線)と走り、細倉マインパークに。1987年に1200年間にわたる亜鉛などの採掘史を閉じた細倉鉱山跡の坑道を再活用した観光テーマパークである。坑道内には操業当時の職場環境を再現したりしている。入館料460円(大人)。同鉱山跡は近代化産業遺産。同鉱山最盛期は1960年代で、1万3千人が居住。しかし、今、跡地のある鶯沢の人口は過疎化も加わって2319人(2月末)まで減少している。往時、鉱山を取り囲むように鉱山従業員などの宅地が広がっていたが、今ではその面影さえ見つけられない。

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 さて同パークから国道457、宮城県道249(岩入一迫線)・248(沼倉鳴子線)で、国見峠(510㍍)を越える。センターラインのある249だが、森林科学館(森体験施設)を過ぎると一変し、1・5車線まで狭まる。次第に山深くなり、屈曲路1車線区間もでてくる。対向車には幸い出会わなかったものの、注意しながら走行するにこしたことはない。開けない峠着(13時25分、18・5度)。峠からの下りは登りとはうって変わってセンターラインのある快適ダウンヒルとなる。

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 接続する国道108を鳴子方面に走り、宮城・山形県道63(最上鬼首線)に入る。63は花立峠(796㍍)越えがハイライトだが、当日ドライブの事実上のラストルートである。宮城側の63にはオニコウベスキー場や大崎市営鳴子放牧場が沿道沿いにある。夏はキャンプ場などとしてスキー場は営業しているが、夏休み前でもあって人気がなかった。放牧場内道に入った。緑の牧草地に多数の和牛が寝そっべいたが、すべての牛が頭をこちらに向け、見知らぬクルマとひとを警戒している様子である。放牧場先から63は幅員がやや狭くなり、路肩の雑草が生い茂る本格的なワインディング登坂路となる。タイトなコーナーもあるものの、1・5~2車線幅あり、フラット路面と相まって、走りやすい。駐車スペースのある峠着(14時43分、16度)。この峠は宮城、山形両県の境。山形側の入り口には大型車通行止め、幅員減少、砂利道あり、との注意標識が設置してある。確かに雑草が繁茂しており、より狭い道が余計狭くみえ、簡易鋪装とあって砂利道がありそうな雰囲気である。地上高が低く、非鋪装路は得意としないクルマゆえ、ここでUターンし、山形側の63入り口から砂利道区間まで走行するプランに変更した。63、国道108、国道47と回り込み63入線。最終集落までの63はセンターライン道だが、その先はいきなりの1車線幅員でうす暗い樹林の中に入っていく。しかも、路面は簡易鋪装である。路肩雑草は伸び放題。コーナー先が見えずらい。路面が荒れている区間もあり、水たまりができていた。徐々に高度を上げていくが、稜線部を通っているらしく谷側が開け、曇り空が覗く。20~30㌔でゆっくりと走った。いつ砂利道に変化するかと案じていたが、それは杞憂に終わった。簡易ほそうのまま峠に到着(15時58分、16度)したのだ。1車線簡易鋪装路は約6㌔であった。峠を境に道の性状が劇的に変化するーそれが63である。

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 山形側の63を再走する気はなく、宮城側の63経由で国道47に。16時23分、20度。47で新庄の宿泊地まで行くが、途中で洗車をしたり、早めの夕食を摂ったりしたので、63走行でドライブレポートを終了する。

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■全行程(GPS):約459km/最高高度(GPS):約1,126m
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