2019年8月20日

立秋の群馬、長野山道ドライブ

 奥四万湖、野反湖、白根山、奥志賀と群馬、長野両県の山岳路を走った。天気は小雨、曇天、晴天へと変化したものの、未明から動き回ったので全域スムーズ走行。奥志賀の現在県道となっているが、かつて旧林道であった長~いワインディングロードが今回最も楽しめた。走行日2019年8月12日、走行車輌c63。

C63AMG

 渋川伊香保ICで関越道から降車(午前4時40分、気温27度)し、ピストン国道353で四万川ダム(群馬県吾妻郡中之条町)に向かう。時間が早く道は空いていた。中之条町で町内を避けるバイパスを使わず、町内を抜ける353を選択。人口約1万6千人の同町のメーンストリートはまだ眠りから覚めておらず、シャッターを降ろした、そこそこ数のある商店街を通過。353は下沢渡を超えると山間道らしくなるが、上毛三名湯のひとつとされる四万温泉に行くために道幅は広く、屈曲性も高くはなく、快適な観光道の趣きである。四万川ダム着(5時38分、22度)。330㍍の堤頂長部先からダムを一回りする周回路が始まる。小雨交じりの曇天とあって、ブルーの湖面(奥四万湖)は望むべくもなく黒く少なめの水をたたえていた。幅員がぐっと狭まり、クネクネ度が高まる周囲を緑に囲まれた周回路に入った。赤く塗られた鉄橋付近で、滝の一部が見える。ダム湖に注ぐ、しゃくなげの滝である。この滝には周回路からの分岐路に入ればいいのだが、そこには向かわず、そのまま道なりに進み、堤頂を通って353に。奥四万湖の下流にある温泉街を貫く1車線そこそこの狭道を使って353に戻った。

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 353から分岐する群馬県道55(中之条草津線)経由で、奥四万湖の西側に位置する野反湖を目指す。55は暮坂峠(1188㍍)手前から幅員が狭まり、コーナーの連続するワインディング登坂路と化すが、下りは幅員が広がり、登りよりも走りやすい。55からわずかばかり国道292を走り、同405に分岐し、野反湖に至る。405は白砂大橋先から幅員が狭まりセンターラインが消える。同時に本格的な登りのワインディングとなるが、乗用車同士ならすれ違えるだけの幅員は確保されている。右コーナーが迫る。コーナー正面の斜め上方に白いガードレールが通っている。405で唯一といっていいタイトコーナーである。その後も幅員は狭くなったり、広くなったりしながら野反峠(1561㍍)まで駆け上がっていった。

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 峠には広い駐車場があり、そこからは野反湖が見下ろせる。野反湖は晴天ならコバルトブルーの湖面となるのだが、曇天とあって、黒っぽい湖面色であった。峠からは下るのが不通だが、しばらくの区間登りとなり、下りだす。幅員は広い。405は湖面に沿っているのだが、樹木に遮られ、眼下の湖を視認することはほとんどできない。この湖に沿った区間は、やたら長く感じる。ほぼ直角の下り左コーナー。正面にも徒歩道らしき道がある。ここが405の群馬側の端点で、この先、切明までの区間は車輌通行不能である。冬季閉鎖期間があることや人家がないことから405が切明まで開通することはありえまい。道路にせり出して設置された「大型車通行止め」標識の脇をすり抜けていくと、野反ダムの堤頂部にさしかかる。1956年に竣工したダムだが、転落防止様の鉄柵が設けられているだけの1車線強の堤頂はちょっと見では橋のような景観で、堤頂とはおもえない造り。ここからは直下に湖が広がっているのを見ることができる。ちなみに、このダムは日本最初のロックフィル形式である。堤頂を渡れきれば、キャンプ場の駐車場で小さなバンガローなどがある。駐車場着(7時8分、19・5度)。道路はここで行き止まりだが、さすがに夏休み期間中だけに駐車場満車。さっさと405へと戻った。

C63AMG

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 ここからは志賀高原を目指す。405から群馬県道55に折れ、花敷、尻焼各温泉を抜けて国道292にでる。405から55に分岐していくと、道路上を揚水発電所の焦げ茶色の太い揚水管が斜めに横切っており、これをくぐっていく。かなりの区間、幅員は狭く、山の中を道路がくねくねと縫っている。花敷、尻焼の温泉にしても温泉街を抜けるわけではなく、分岐して入るので、標識を見ていない限り、温泉があるとは気がつかない山道である。道はガラ空きで草津高原ゴルフ場近くから2車線路となるまでの間、対向車はいなかった。

C63AMG

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 292に入り徐々に標高を上げていく。道路で一時停止させ通過する1台、1台に「草津白根山周辺通行規制のお知らせ」を配布。同山は噴火警戒レベル2。本宮付近~万座三叉路間(2・5㌔)は自転車、二輪車、オープンカーは、噴火時に危険のため、通行できない、殺生河原~万座三叉路間(8・5㌔)の夜間通行止めなどと記されている。一時停車させられたためクルマが詰まり、5~6台の前車の後になり、先導車が重心の高いワンボックスだったために、ゆっくりとした速度で前進していった。殺生河原(1600㍍)は谷間に当たり、その中央を292が通過するのだが、文字通り有毒な火山性ガスの臭いが立ちこめ、植生が育たず荒涼たる薄茶色の地・山肌の世界が広がっている。緑の多い日本の地形のなかで、異質の絶景空間である。草津高原スキー場のロープウエイ・リフトは2018年1月の本白根山の噴火でゴンドラが損傷したほか、噴火口から近いということで、翌月に廃止され、リフトが撤去されていた。以前から営業休止していた白根レストハウスは噴火避難場所に変わり、その周辺には新設されたのだろう、中空かまぼこ型の分厚いコンクリート製の避難壕も設けられていた。

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 国道最高標高地点、渋峠(2172㍍)着(9時2分、16・5度)。標高を示す標識前はバイクの埋まっており、その先の横手山ドライブイン脇の絶景ポイント駐車場も満車状態。「山の日」の振替休日(12日)であるうえ、晴天とあって、朝早くから観光客が詰めかけたといえる。横手山から先は下りとなり、緑の山々を遠望できるものの、登り区間に比較すると、景観性は低下する。山間の小さな木戸池(9時16分、24度)に寄った。池に映り込む池周囲の紅葉が見事なのだが、夏のこの時期は少数のハイカーが訪れている程度。

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 ここからは長野県道471(奥志賀公園線)、502(奥志賀公園栄線)からカヤノ平を経て国道403で上信越道・信州中野ICに乗り入れる当日最後の走行ルートをたどる。471は入線まもなくトンネル(志賀1号)をくぐる。その後合計3つのトンネルがあり、高天原に至る。幅員は広い。焼額で県道を逸れ、志賀高原プリンスホテルに向かう道に入ったが、広幅員ではあるものの、凹凸路面で乗り心地を損なう。同ホテル東館先で再び471に合流するが、道幅はやや狭くなる。しかし、雑魚川に沿う路面はフラットで森の中を屈曲しつつ貫いている。道なりで502になるが、いずれもガラ空き状態であり、適度なアップダウも備え、ハンドリングを楽しむにはうってつけかもしれない。切明に向かう雑魚川林道への分岐点を超えるとカヤノ平はまもなくである。502から分岐するカヤノ平までの道は雑魚川林道で2階建ての木造ロッジとオートキャンプ場を縦断するように道は通っている。むろんワインディングロードが続く。キャンプ場は満杯に近いようで、場内に赤や青などカラフルなテントの花が咲いていた。標高1400~1700㍍の同高原はブナの原生林などがあり、ハイキングコースも整えられている。ここから国道403にでるのに清水平林道を使った。全面鋪装で幅員も広いとはいえないが、502並みの幅はある。ほとんど下りとなる同林道も路面のフラット感は高いが、道を横断する排水溝の段差が少し気になる。森中をくねくねと曲がりながらの道路性状だが、キャンプ場に行くのか、かなりの数の対向車とであい、その都度、徐行してすれ違った。

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 471から403にでるまでの経過時間は1時間13分で、この間、すべてワインディングロードの走行である。これだけ長時間の屈曲路走行はなかなかのもの。また、471,502は1979年に一般供用された奥志賀林道を前身とする。502からカヤノ平に行かずにそのまま野沢温泉を通過し、JR飯山線の平滝と横倉の中間地点で国道117に合流するまでの約72㌔の有料林道で有料であった。料金所が合計4カ所設けられ、全線走破すると1800円かかった。471は1993年に、502は1995年に、それぞれ長野県道認定されている。いつまで林道であり、その後村道とか町道とかをへているのか不明。加えて、1998年開催の冬季長野五輪にあたり、道路改修された部分もあり、現在、林道時代の面影を残している路面部分がどこかもわからない。

C63AMG

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 国道403到着(10時40分、27度)後、国道292、志賀中野道路(有料道、100円)などを通り、信州中野IC着(10時51分、26・5度)。帰宅の途についた。

C63AMG

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■全行程(GPS):約610km/最高高度(GPS):約2,173m
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