2014年9月1日

Cruise只見/只見川を遡上

 新潟県魚沼市小出~会津若松を結ぶR352R252の2本の山岳ワインディング国道とその周辺道およびダムを2日間にわたって巡った。ただひたすら酷道、険道を走り続けるという意味において、2本の道路と周辺道は、観光地を目指す一般ドライバーには決してお勧めしないが、期待を裏切らないおもしろさがある。使用車両POLO。

Polo

2日目は基本的に只見川に沿うR252を西進し、関越道小出ICに向かうルートとした。午前6時過ぎ、宿泊地を出発する。R252には会津坂下からの入路することにし、それまでの間をR118、福島県道128、13053を伝っていった。


Polo

K128,K130は緑の稲の水田の中を走る直線の多い道路で、K53の赤留の集落を過ぎると、赤留峠(550㍍)に向かう1~1・5車線幅の眺望の効かない登坂路となるが、山道の距離は短い。峠までの間に、もう終盤だったが淡いピンクの花をつけた樹長10㍍程度の合歓木が目立つ程度の峠道である。

Polo

峠下の中山でK53はいったん途切れているが、道なりに進んでいくとK53とK59の交点とおもわれる箇所に行き着き、継続してK53をたどる。

Polo

会津美里町の上平で会津坂下に通じる緑資源機構幹線林道(飯豊・檜枝岐線 会津坂下・新鶴区間)が分岐する。K53にはそれを示す掲示はないが、同林道入り口に標識が出てくる。

同林道はこれまでの同機構の林道とは趣が異なっていた。道路の両側から雑草がテンコ盛のごとく繁茂し、道路中央にひかれた白線をまたいで走るしかない1車線道だったのである。本来は幅員7㍍の完全鋪装路が13㌔続くのだが・・

Polo

Polo

Polo

盛夏の今、このありさまでは通行量が端に少ないことを示しており、事実、対向車とはまったく出会わなかった。しかし、道路自体は同機構建設道路の期待を裏切らない豪快なワインディングロードであるが、なにしろ道路中央部しか走れず、雑草にからめば塗装が傷つきそうとあって、速度は乗らない。

同林道は途中で会津パールラインに突き当たる。道なりに行ってしまうとまた会津若松方面に戻ってしまう。しばらくパールラインを走ってしまい同ラインであることを教える標識をみてミスコースしたことに気付き戻った。パールライン上にも同林道進行方向を表示する看板はでておらず、林道入り口先にでているので、間違いやすい。

磐越道七折下トンネルが同林道を直下を通り抜けているが、ここまでくると、同林道も終わりが近づき、R49とR252供用道を経て会津坂下から本命のR252をほぼ走り続けることになるが、JR只見線会津柳津駅先から只見川をはさんでR252の対岸を通る狭い福島県道343に移動し、会津宮下の先で再びR252に戻った。

Polo

Polo

会津宮下駅と会津西方駅の間に只見線の鉄橋が架かっている。川の水温と外気温との差が大きいために盛大に川霧が湧いている。ちょうどその時、車両下部にブルーのラインを引いた只見線が鉄橋を渡河。川霧のなか、鉄橋を渡るローカル線を捉えるシャッターチャンスが訪れた。


早戸駅手前で福島県道237に入り沼沢湖へ。周囲7㌔の静かで小さなカルデラ湖だが、水深は96㍍もある。湖岸道に乗り入れたが、波打ち際までクルマを寄せることはできなかった。オートキャンプ場などが設けられていて、当日も1組のキャンプ客がいた程度で月曜の早朝とあって湖周囲は閑散としていた。

Polo


湖の南を通るK237をそのままいけばR400に突き当たり、右折して会津川口駅際でR252に戻れる。この川口駅から只見駅の間、28キロ(只見線全長135㌔)が2011年の新潟・福島豪雨にともなう今なお残る只見線不通区間にあたる。この間はバスでの代行輸送が続いている。

川口駅から3つ目の会津横田駅に寄ってみた。線路の敷設部には膝くらいまで達する雑草が生い茂り、雑草の隙間から赤錆びた鉄路がみえ、不通区間であることを実感する。ただ鉄路の部分だけ空間が開け、ずっとレールが続いていることがわかる。小さな同駅の前には、シャッターを降ろしたたぶん商店が1軒。列車が通らないのでは商売にならないのだろうと推測する。



隣駅の会津大塩は田園の中の駅でもともと寂しい雰囲気なのだろうが、列車の通らない草間にみえるレールとぽつんと佇む無人の小さな駅舎がよけい寂しさを強調している。横田ー大塩間には第7鉄橋があるものの、ほぼ完全落橋しているのだ。ちなみに不通区間では3本の鉄橋が落ちている。落橋の様子は次のサイトで。

田子倉ダムに向かう途上、新川で左に折れて湖岸道から只見ダムに立ち寄る。堤高30㍍、堤頂長583㍍で管理者はJーpower。同ダムでは堤頂部から突き出ている洪水吐柱にびっしりとマイマイガの黄色がかった灰色の卵塊が無数こびりつき、道路になっている堤頂にも散乱。体が痒くなりそう。気持ち悪い。10年周期で大発生するとされているマイマイガ。今年はその時期にあたったようで、只見だけでなく全国で同じような現象が見られるという。

早々に同ダムから退散する。湖岸道路伝いでR252に復帰しようとしたが、萬代橋で遮られた。R252側の橋台が例の豪雨で押し流され、1スパン落橋していたのだ。やむなく湖岸道を戻り只見ダムの堤頂道をわたりR252に接続した。

Polo

次に向かう田子倉ダムはその巨大なコンクリートの堤体を直線距離で約5㌔下流に位置する只見ダムから望める。R252を走っていくと、同ダム正面に向かって直進していくかのようにみえ、近づくにつれだんだんとダムの偉容が大きくなっていく。田子倉は吐水口のあるダム直下までいける珍しいダムで、堤高146㍍、堤頂長462㍍はずいぶんと大きいはずだが、ダム真下で見ると、それほどでもなく大きなコンクリートの壁が立ち塞がっている感じしかしない。同ダムの完成は1959年。只見水系では奥只見ダムに次ぐ発電能力を備える。管理はJーpowerである。

Polo

Polo

ダムの建設に際して資材運搬路としてダム専用線(会津川口ー会津宮下間)が建設された。ダム完成後、この区間が只見線に組み込まれ、会津若松から新潟県小出間の只見線が全通したという歴史がある。奥只見ダムに向かうシルバーラインがダム建設道だったこととあわせ、只見線もダムがもたらした遺産である。


ダムから先はR252の名所である六十里越えまでくねくねといっきに登っていく。右手は法面だが、左手は只見川が削り取った渓谷を介して青い空と白い雲をバックに緑に彩られた山々を望む眺望がとくに素晴らしい。標高は最大で760㍍足らず。しかし、それよりもはるかに高い海抜のようにおもえる。ただ、豪雪地帯ゆえにスノーシェッドも多数設けられている。福島、新潟の県境、六十里越えの峠はトンネル(789㍍)で通過する。トンネルのできたのが1973年と主要国道としては70年代に入ってからと遅い。これをもって252は全通に至った。

Polo


六十里越えは冬季閉鎖期間がある。そのため超閑散路線とされ、大きな赤字をだしながらも只見線が存続している。そうしなければ不通区間を抱える金山町は冬期に陸の孤島と化してしまう恐れがあるのだ。

入広瀬から新潟県道500に入り、黒又川に設けられている2つのダムを目指した。K500は人家、農耕地を過ぎると、1・5車線程度の幅員の川に沿いながらの山道となるが、とくに問題となる箇所はない。黒又第一ダムにはわずかな台数を収容できる駐車場があり、その側にはダム建設で殉職した人達の慰霊碑が建てられている。

Polo

Polo


Jーpowerが管理する同ダム(1958年発電開始)は堤高91㍍、堤体長276㍍で、田之倉ダムを二回りぐらい小さくした感じの山中のダムである。駐車場には2台ほど止まっていたが、ダム湖(無名)はイワナの釣り場なので、たぶん釣り人のクルマだろう。管理棟らしい建物はあるものの、日頃は無人のようで、ちょうどJーpowerの4駆車が巡視なのだろう訪れていた。

堤体上はクルマ1台が通れる。同第二ダムに行くための道路はこれしかないので、県道兼用ということになろうか。しかし、堤体を渡ったところに通行止めのチェーンゲート。第一から4~5㌔先にある第二ダムには行けない。山古志村に甚大な被害をもたらし亜新潟中越地震(2004年)と福島・新潟豪雨というふたつの自然災害によって道路や法面が損傷したためで、同地震以降のこの10年、一般車の乗り入れはできなくなっている。

Polo

Polo

通行止め掲示板には解除日は明示されていない。永年にわたって通行させる意志のないことを行政が示している。ダム以外なにもないピストン県道であり、観光地でもない。そういうロケーションにあるだけに通行止めを継続してもなんの支障もないと判断しているのだ。では、第二ダムまでの県道の様子はどうなっているのか。チャリで走破した方のサイトを紹介しておこう。

第一ダムでクルマをUターンさせ、R252へと戻った。渋川でR252と並行している新潟県道70に入り、小出ICを目指した。国道と県道が並列して通っている場合、県道のほうが交通量、信号ともにが少なく、走りやすい傾向がある。こんどのケースもその典型であった。沿道にはおしなべて1階をガレージにし、二~三階を住居とする立て替えて間のない住宅が立ち並ぶ。農村地帯だが、魚沼はコシヒカリというブランド米の産地である。米価が下がり続けているとはいえ、ブランド米の生産地は恵まれているようにみうけられた。

午後2時過ぎには小出ICに到着、2日間にわたるドライブを終えた。

■全行程(GPS):約422km/最高高度(GPS):約770m
■フォトギャラリーはこちらです。