2015年4月21日

桜三昧、栃木・群馬路

 都心では葉桜となった4月11日、栃木、群馬に桜を求めて雨中をおしてステアリングを切った。太平山、永野川堤、草木湖・・・去桜、満開、迎桜とそれぞれだが、過ぎゆこうとしている桜の季節を堪能した。使用車両POLO。

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 最初に目指したのは太平山(おおひらさん・栃木県、標高345㍍)。東北道栃木ICで降り、栃木県道32、同309で向かう。当日は予報通り都内を出発したときから雨であった。桜見物の著名スポットだけに、注意深くみていけば、交差点などポイントごとに太平山への行き先を示す案内標識が設けられている。この時期のことだけなのか、通年なのか不明だが、麓の栃木カントリークラブから南下して太平山に向かうよう一方通行規制されている。


 太平山の入り口の錦着山公園にくると、桜花のお出ましである。花見シーズンの終わりを告げるライトアップ終了から5日後とあって、半分も桜が残っていれば上々と予想していたが、ここの名物である桜トンネルの桜は6分程度も残っていた。有名スポットだけに桜の並木は見事だが、花が本格的に散りだしているだけに、枝の隙間からどんよりとした雨空が見え隠れし、花のピークを過ぎたことを示していた。次第に高度を増していくと1車線に近い細路となり、一方通行規制を敷く理由が納得できる。雨のうえ午前6時過ぎとあって、訪れる車は皆無。太平山の頂上の神社に寄るのはパス。そのまま下っていく。下り側は日当たりがいいらしく、花は散ってしまっている。

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 太平山を下りきってぶつかる県道269、309を経て75を西に向かう。次は永野川の堤に植栽された桜が目的である。東北道の高架橋がみえてくる手前の永野川にかかる橋の脇から堤が続いている。桜が植えられているのは上流側で75からは右手にあたる。1車線の堰堤路は桜の花が一面敷かれたように散っているものの、簡易バリケードで車両通行止め措置がとられている。しかし、周辺道路をうまく伝っていけば、堤上に車を乗り入れられないこともない。ここの桜も6~7分残っており、対岸の桜のほうが散り際とはいえ咲き誇っているかのように近望された。永野川沿いの桜は近くに太平山があるためか、地元以外はあまり知られているとはいえないが「宮のさくらまつり」(宮町)なる標識があって地元ではそれなりに知られたスポットなのだろう。

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 次はわたらせ渓谷鉄道の神戸駅に向けて出発。県道37を北上し、深程で307に入り、交差する177を往く。177は広厳寺を過ぎると山道。しかし、2車線確保され、コーナーの半径も大きくとられ、速度の乗る快走路であった。対向車はゼロ。ところどころ旧道のガードレールがみえる。現在の道路は幅員を広げるなど旧道から付け替えたことがわかる。広厳寺から先では桜は望めない。雨は上がりだし、時折ワイパーを使う程度に変わる。

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 177は240に突き当たり終点(起点)。240からすぐさま28014と走り継いで58で15との交わる粕尾峠(1100㍍)を目指す。240の久我という字では防護壁に描かれた石油卸元の文字などがかすれ、カラーも退色しきったアポロマークの小さなスタンドを発見。廃業GSかとおもったが、赤い一つだけの給油基は意外なことに現役であるようで、LPGのスタンドであった。この街道沿いでは桜は散見されるものの、民家の敷地内に植えられた、最盛期は過ぎたとはいえ、白い花をつけたままの木蓮を多数みることができるうえ、菜の花も咲いているが、桜満開には少しばかり早いようだ。標高は300㍍足らずだが、太平山に比べ、ずっと北に位置し、気温が低いのだろう。

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 58は前日光林道の入り口のある古峰神社を過ぎると、ワインディングロードが本格化する。しかし、路面状態がよく、幅員も広くはないが、対向車ともすれ違い容易で走り甲斐がある。

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 粕尾峠を越えて足尾にいくには15を利用することもできるが、同峠前後の道が荒れているだけに58のほうが快適である。古峰神社で標高700㍍。まだ木々が芽吹くのには早く、葉が落ち、枝のみのスケルトン状態の落葉樹の中を走る。粕尾峠で合流する15に入る。


 足尾まで下っていくことになるが、相変わらず路面は凹凸が多い。そのうえ滑り止め策として散布された砂がコーナー外側中心に残り、砂に乗ると駆動輪がスリップするため思い切ってパワーをかけられない。

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 足尾では基本的に土、日、祝日に一般公開(入館料大人400円)している「古河掛水倶楽部」(国登録有形文化財)に立ち寄った。うぐいす色の屋根と白壁の洋館で、足尾銅山の迎賓館として使われていた明治時代の建物である。ベッドルームや大広間、ビリヤード場などが設けられている。

古河掛水倶楽部

 古河グループの創業者である古河市兵衛のブロンズ像や交流のあった渋沢栄一の書などが展示されている。同館と並んで銅山所長宅が保存されているが、書生や女中部屋まであり、所長という現在とは比較にならぬ地位の高さを証明する。今の製造業でいえば、工場長の社宅ということになるが、一部上場企業といえども書生や女中を雇うだけの給与はもらっていないし、書生はもはや死語である。

古河掛水倶楽部

古河掛水倶楽部

古河掛水倶楽部

 足尾からは国道122で神戸駅に向かうが、沢入で草木湖の対岸を通る群馬県道343で同駅にでることにした。343は道幅こそ狭いが、中小のコーナーで同湖沿いを巡っていくワインディングロード。昨年、走行した時は路面が荒れていたが、今年はそういう部分は最鋪装され、平坦で走りやすい道に変貌していた。草木ダム堰堤下に桜が密集したロケーションを見つけ、寄ってみた。堰堤直下の公園なのだろうか、30~40本の桜が円周状の通行路沿いに満開である。これは思わぬ見つけもの。来ている車は地元ナンバーばかりで、知る人ぞ知る花見場所であった。

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 神戸駅はひと、ひと、ひとの波。駅駐車場に入りきれぬ車を122から同駅に向かう坂道にずらっと止めている。駅、花桃、列車をワンショットで撮れる橋梁上はカメラの放列。この土、日は同駅、花桃祭りの開催日。満開となった花桃と桜を見ようと、あるいは撮影しようと観光客やカメラマニアが押し寄せたのだ。これではとても立ち寄るのは無理と考え、線路に沿って咲いている花桃を撮影して、さっさと退散。午後1時を回っており、晴れ間も見える天候に回復しているが、到着時間が遅すぎた。

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 さて、これから先の道程は122,群馬県道333国道353,同県道16で赤城の大沼をみて、同4で帰路につくルートである。353と16の交点近くの赤城南面千本桜は花見の車で渋滞。これもパスし素直に16で大沼まで登っていく。


 県道16は赤城裏ルートと呼ばれ、展望は見込めない。おまけにすれ違いはできるがセンターラインのない狭路である。昔から小沼にいくためにあった道で、急激に回り込むヘアピン連発で高度を稼いでいくダイナミックなワインディングロードである。コーナーはナンバリングされ、最後の番号が98だったと記憶する。しかし、ナンバーを打たないところもあって、実際のコーナー数はゆうに100を超す。ヘアピン連続で登っていく道としては国道254旧道の内山峠にも似た様相だが、16のほうが幅員は広い。POLOでは2ndにホールドしたままである。3つのガードレールがウインドスクリーン越しに見えるところもあり、まだまだヘアピンの急坂で登っていくことがわかる。小沼までくると、センターライン付きの2車線となり、緊張感が解ける。16では急坂にもかかわらず、とても速く駆け上がっていく白いR2(SUBARU)に出会った。たぶんCVTの2速全開で走行しているのだろうが、道を知り抜いた地元のクルマとはいえ、パワー限界のある軽自動車ということを考えるとたいしたもので、赤城マイスターといったところか。

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 1300㍍超標高の大沼はシャーベット状に氷結し、湖岸にはまだしっかり残雪が・・気温5・5度。曇天で湖の冷気をたっぷり含んで吹き渡る風はひじょうに冷たい。この時季、観光シーズンにはまだ早く、昭和の時代に戻ったかのような景観の食堂や土産物屋は閑散としている。

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 赤城神社には湖近くに赤い鳥居があったはずだが、取り払われていた。
 大沼で16は4と合流。4を下っていく。4は1965年に赤城山有料道路として開通した前歴を持ち、1995年に無料化された。2車線たっぷりの幅員で白樺林などのなかなどを走り、裏ルートに比べ、景観にも優れている。ただ、ここは「頭文字D」というドリフト競争漫画に登場する道路で、これの影響なのかドリフトをさせまいとコーナー直前のストレート路面を波打たせている箇所があり、サスの柔らかいPOLOでは車体が上下動し、不快である。前橋市内で渋滞に見舞われたが、無事、関越道前橋ICに到着し、当日の走行を終了した。

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■全行程(GPS):約450km/最高高度(GPS):約1,528m
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