鳥のように目覚め、昼間の喧騒が嘘のように静まりかえる三条や四条を北進。R367に乗り換え高野川を遡上、三千院が近ずくにつれウインド越しに素朴な景色が広がりだす。新緑薫る三千院に思いを馳せると寄り道したくなるよねぇ。そんな邪気をアクセルひと蹴り、流れ去る景色のように記憶の彼方へ追いやった(笑)
三千院を過ぎ、R477に乗り換えるとすっかり山道に衣替え。この先は酷道として名を馳せる百井峠、百井別れ、そして花背峠が待ち構えています。酷道に姿を変える手前には「離合難しい」と書かれた注意看板。
ちょいと横道にそれますが、ワインディング親爺の知る限り名古屋以東ぢゃ「離合」と言う単語は使わないと思います。西日本で初めて耳にしたとき専門用語かと思いました。そんな個人的な謂われもあり、始めて見る「離合と書かれた看板」にチョッと感動してしまったのです(汗)
看板に偽りない最初の山道を終えると百井の小さな集落がお出迎え、その集落を過ぎしばらく行くといきなり鬱蒼とした杉林に囲まれる。うす暗く細く荒れた路面で百井峠を越えるのですが、峠の標識見逃したのかいつのまにやら降坂してるぢゃないか。続いて迎える難関は「百井別れ」、その手前には丁字路と図化された立派な標識。しか〜し、実際は4時方向から進入し3時方向に抜けるUターンに近い逆ト字路ぢゃないか。
んもう〜!
んなことあるかぁ(>_<)
メルセデスゆえ切り返しせず何とか曲がれましたが、ルーテシアだったら絶対切り返ししてたね。小回りの利くメルセデス、デカいSクラスが赤坂の裏路地を苦もなく泳げる理由がわかるよね。遙か昔のコトですがフルステア状態で縦列駐車してたメルセデス、丸見えになったフロントサス、そのリンク構造を目の当たりにした記憶が蘇る(笑)。それに対し、ダブルアクスル・ストラットという特殊な構造を持つルーテシアのフロントサス、ホントに驚くほど小回り利かない。もっともそのお陰でトルクステアやアンダー知らずのFWDらしからぬ操縦性を得てるんだと理解し納得しています。東京都の狭小路、陣馬街道の和田峠、西行き登坂区間も離合厳しい道だけど百井峠はまさに酷道ですね。それが京都市内から1時間も掛からない洛北にあるのが驚きです。
もとい!
百井別れを無事にやり過ごすと次に待ち構えるは花背峠。もっとも、百井峠の酷道を経験しちゃえば、峠クリアはノープロブレム。ダウンヒルは幅員も広がり、もう酷道とは言わせない。そんなダウンヒルでしたが楽しむ間もなく別所の街に降りてしまいました。
大布施でK38にお乗り換え。上桂川を遡上しながら次のミッション、佐々里峠に向かいます。同道は集落を繋ぐ生活道路ですが、美しい景観を邪魔する白いガードレール少なく洛北の山深い里山を走る雰囲気が素晴らしい。
瑞穂の國は田植えの季節、基盤整備のない猫の額ほどの田んぼ、早苗がライムグリーンに輝き目に映るすべてが瑞々しい。そんな目に優しい環境が広河原まで続き、ここから峠道に姿を変え佐々里峠に向かいます。道路脇の渓流は歳月を経た桜並木に変わり、リズミカルなショートターンが続く、おかげさまでココロ優しいまま峠をクリアしてた。
道路に沿う渓流が由良川に変わり水流が増えたころ道路も完全二車線の快走路に変わった。ウインドに広がる景色がココチ良く、眩しい緑の里山を堪能しながらくだってゆくと、茅葺きの集落が目に飛び込んできた。そこは「かやぶきの里」まだ早い時間なのにたくさんの観光客やカメラマンが繰り出してた。
安掛の交差点で周山街道と呼ばれるR162に乗り換え堀越トンネル抜けると福井県。峠を降りた坂本からK16に乗り換え、石山坂峠を越えれば若狭湾はもうスグです。若狭湾に沿うよう走るのはR27だけぢゃありません。もうひとつの選択肢、若狭西街道と呼ばれる若狭西部広域農道を東進し次なるミッション、エンゼルライン(K107)をピストンします。
エンゼルラインは内外海半島の標高約600mの久須夜ケ岳頂上へ向かう有料道路でしたが2002年無料開放されました。残念なのは全般的に路面が良くないこと。トリッキーなターンもないけど樹木に遮られ眺望も限定的。天気に恵まれ頂上駐車場から俯瞰する絶景パノラマ楽しみにしていたのですが…
なんとゆうことでしょう、
霞が掛かり遠望効かないぢゃないか!
んなことあるかぁ(>_<)
ひごろの行いのせいなのか、天候のせいなのか、今年は何処に行っても遠望効かないなぁ(>_<)
本日の最終ミッションは三方五湖レインボーライン。R162、K216を乗り継ぎ、現れた海山料金所に仁王立ち。そんなワケないけど、1,080円也で通行手形を購入しココロのゲートもオープン。同ラインは若狭湾国定公園の名所、三方五湖を眼下に望み、梅丈岳(ばいじょうだけ)の山頂まで繫がる有料道路として1963年に供用開始しました。なお、現在の管理業務は山頂施設を運営する株式会社レインボーラインが携わってる。交通量極貧でしたが、頂上駐車場にはウン十台の観光組のクルマが駐まり今日一番の賑わいでした。
走り出しは普通の峠道をヒルクライムする雰囲気でしたが、頂上駐車場から先のダウンヒル、眼下に見下ろす若狭湾や日向湖が素晴らしく、思わず「絶景ぢゃないか!」と叫んでしまった。東に位置する日向料金所付近でK244に接続し終点でK214に接続します。むろん終点まで行きましたが、日向料金所から先は木々に囲まれまったく眺望望めません。
その後は、R27、K33と繋ぎC63の鼻先を宿泊地、敦賀に向けた。海沿いを走るK33、どことなく東伊豆に似た雰囲気があります。同道最後の海岸線となるダイヤ浜は砂浜が南国のように白く雰囲気良かったけど、背景に見え隠れする人工構造物たる美浜原発が残念でした。
洛北では、変化に富んだ山の幸たる峠道や深い里山を味わい、若狭ではリアス式海岸の創る絶景や海岸線と言う海の幸を堪能した。山と海、その環境はまったく違うけど顧客満足度高いCruiseでした。
■静と動
今日走ったルートで刺さったのはK38。風情ある佇まいの集落を繋ぐ生活道路ですが、里山や渓流、道路も含めその環境まるごとココロ和ませてくれた。想定したルートは、同道の美山町田歌から五波峠を越えるビレッジラインと称する五波袖ヶ谷林道を抜けR162に繋ぐつもりだった。名残惜しいけどK38を右に折れ林道にアプローチしたのですが、300mも進まぬ先に若狭ラリー開催にともなう通行止め告知の看板。さらに進むとオフィシャルカーが路肩に停まってた。急停止、「これから走っても大丈夫ですか?」と尋ねると、競技前日の試走で競技車両が峠を降りてくるとの恐いお言葉!
んもう〜!
なんとゆうことでしょう、
いくらなんでも狭くブラインド多い林道、そこを駆け降りてくる競技車両と鉢合わせしたくないぢゃない。即刻あきらめ、きた道を引き返すことにしました。
R162をフォトしながらのんびり往くと、すぐソレと知れる出で立ちの競技車両が連なり走り抜けた。慌ててクルマにもどり追走開始。堀越トンネルを越え降坂区間、ワインディング親爺の予定ルートにあたる分岐が迫ってきた。ここで追走終了かと思ったら、えっ、彼らも左折。そんなワケでK16、石山坂峠付近を追走したMovieを貼っておきます。
▶︎若狭ラリーのコースマップはここにあります。
■全行程(GPS):約251km/最高高度(GPS):約770m
■フォトギャラリーはこちらです。