2019年5月25日

初夏の山梨、静岡山道ドライブ

 山梨と静岡の県境を通過する湯之奥猪之頭、豊岡梅ヶ島の2林道と雨畑湖を訪れた。2林道とも富士山が遠望できるポイントがあるのだが、走行当日は曇天で残念ながら富士をみることはかなわなかった。雨畑湖周囲は崩れ落ちた岩石に埋め尽くされた荒涼たる景観であった。走行日2019年5月18日、使用車輌c63。

C63AMG

 まず、湯之奥猪之頭林道を走るべく甲府南IC(午前5時3分、気温14度)で中央道を降り、笛吹川の堤防に沿う国道140に。市川大門で140から分かれる山梨県道409(四尾連湖公園線)と道なり414(山保久那士線)に入った。いずれもワインディング県道で、とくに下りっぱなしの414は幅員が狭く、速度がどんどん増していくなかで屈曲区間がでてくる。両県道の西側を9(市川大門三郷身延線)が並走している。それだけに四尾連湖を訪れることを目的とする以外、409,414をあえて走る必要性は薄い。414は9に接続し、国道300(本栖みち)に合流(5時50分、13・5度)、下部温泉で415(湯之奥上之平線、6時、14度)に。

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 JR東海の下部温泉駅を横に見ながら温泉街に入る。温泉街は一部、1車線路で対向車とのすれ違いは困難である。正面に白い民家前で道路が絶えているようにみえるが、左に直角に折れていく道がある。これが朝霧高原に抜けられる湯之奥猪之頭林道の入り口(6時11分、14度)である。ロードノイズに車内が満たされる勾配のきつい登りコンクリート路で始まる同林道だが、ほどなくしてアスファルト路に変わる。ノイズは収まった。同林道は全長約17㌔で幅員は林道標準の4㍍。山梨側は県営で静岡側は富士宮市営である。山梨側は法面からの落石が多いようでほぼすべてにわたって路面にコブシ大やそれ以下の細かい石が転がっていた。石に乗り上げると、タイヤバーストする恐れがあり、落石箇所では極端に速度抑制することを余儀なくされた。高度が上がるにつて、樹林の若葉が目立ってきた。

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 前方にトンネル。湯之奥猪之頭トンネル(昭和55年3月竣工、6時28分、11度)である。また、山梨と静岡との県境でもある。この峠の標高は1365㍍とされる。トンネル内から富士山が遠望できる絶景ポイントなのだが、当日は厚い雲が垂れ込め富士を望むことはできなかった。下りとなる静岡側は山梨側に比べて眺望に優れれるうえ、路面の落石も少ない。緑の雑草だが、芝生だかに覆われ、赤い吹き流しの設置されたパラグライダーの着地場まで下ってくると、林道という雰囲気は乏しくなり、静岡県道414(富士富士宮線)にT字路で接続(6時55分、13・5度)。接続点際にある農家らしき庭に枝振りを整えた藤が花をつけていた。山藤を植栽したのだそうだが、「今年は花の色ががイマイチだ」と残念そう。なるほど、くすんだ藤色であった。

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 414、次いで国道139、同300で本栖湖を経て雨畑湖、豊岡梅ヶ島林道に向かう。本来なら414から湯之奥猪之頭林道に入り、下部温泉にでるほうが雨畑湖に行く最短ルートであるが、414から湯之奥林道に入線する道を見つけにくいのではないかと考え、下部側から同林道に入った。しかし、414に同林道への入り口標識が設けられていることが、今回、わかった。本栖湖北岸を通る300。中の倉(身延町)でバイパス工事を行っていた。この区間のヘアピン多発の狭隘部を解消しようというもの。ループトンネル、高架橋などで全長5㌔の快適道に変えようと総工費80億円をかけ、22年度完工予定の工事だ。この区間でトンネル抗口をみることができる。

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 甲斐常葉で300から山梨県道411(下部飯富線)にチェンジ。幅員は狭いが信号とは無縁のローカルロード411で国道52(7時42分、16度)にでて、接続する410(粟倉飯富線)、37(南アルプス公園線)と乗り継ぎ、途中で810(雨畑大島線、7時51分、15度)から雨畑湖に。810は狭い山間県道であるが、走りにくいということはない。雨畑湖を造ることになったダムには入ることができない。このダムは公営ではない。日本軽金属がアルミ精錬用電力を確保するために建設した私営ダムで、安全性を考慮し、関係者以外は立ち入りさせないのであろう。県道は同湖左岸に沿って延びている。周囲の風景は次第に荒涼たる様相を呈してきた。河原というのか、ダムのバックウオーターというのか、湖というのか、それらが大中小の灰色の岩石だらけである。加えて、山を見ると、緑の一角が川のように崩れ、山肌剥きだしのところがいくつもある。雨畑湖は総貯水量にほぼ匹敵する規模の堆砂に見舞われている。地質が脆いのである。雨畑の集落で県道は終わるようだが、その先は井川雨畑林道となって井川(静岡県)まで続いている。しかし、同林道は長いこと災害復旧工事が行われており、現在、通行止めである。見神の滝との分岐に同林道の起点標識が置かれている。8時1分、15度。この滝は幅こそたいしてないが、落差55㍍で水流は勢いよく、なかなか見応えがある。その脇では林道修復工事に使う採石を2㌧ダンプに積み込んでおり、林道を行き来しているようだ。

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 さて、来た道を52まで戻り、南下して山城入り口から808(大城小田船原線、9時2分、21度)に入る。この県道は大城で終わり、そこから先は豊岡梅ヶ島林道となって安倍峠(1416㍍)を越え、梅ヶ島温泉で静岡県道29(梅ヶ島温泉昭和線)に接続する。大城の集落では田をはさんだ土手沿いに、何を表現しているのか、よくわからないが、何セットかの案山子が出迎えてくれるはず。

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 赤岩橋の手前に同林道標識がある。この林道は全長23㌔で、このうち県営の山梨側が約16㌔と長い。静岡側は静岡市営である。幅員はいずれも3~5㍍。安倍峠の県境から山梨側は災害によってこれまで通行止めだったが、昨年10月、7年ぶりに復旧した。林道入線(9時11分、21度)。自然散乱したのか、凍結防止用に散布したのか、不明だが、路面は砂だらけ。轍中央部に盛り上がったセンターラインのようにサンドラインができあがっている区間も。FR車なので、不用意にアクセルをあおるとリアがズルッとスライドする。ゆっくりと前進した。山梨側は富士山を仰ぎ見ることができるポイントがあるのだが、曇天のためにそれはかなわず。安倍峠直下の駐車場着、(9時40分、14度)。朝食を摂る。周囲はいまだ新緑の季節だった。八紘嶺(1917㍍)への登山口になっている、この駐車場には5台のクルマが停車していた。

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 峠を下る。静岡側は山梨側に比べ、勾配が急な屈曲路となるが、路面はクリーンである。ただ、一部凹凸が激しく、路面片側半分が陥没している箇所もあった。梅ヶ島温泉で29に接続(10時22分、16・5度)。

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 29は広狭混在した県道で、かなり交通量もあり、狭い区間を広げたら今よりもずっと走りやすくなるのに。29と27(井川御幸線)との分岐点周辺の山斜面は茶の段々畑がある。29を直進し新東名新静岡IC着(11時33分、25度)。ドライブ終了。

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■全行程(GPS):約519km/最高高度(GPS):約1,447m
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